[#やってみた大賞] 自分の漫画を英訳して公開してみた!
私は現在45歳のオッチャンで、25歳から漫画を描いています。漫画家になりたくてずっと漫画の持ち込みをしていましたが、なんかちょっと辛気臭い漫画のせいかプロデビューはできませんでした。現在はnoteやPixiv、Twitterで漫画を載せています。そんな中、海外で仕事をしている友人のつてで海外のオタク系の若者と遊ぶようになりました。2016年ごろからです。そしてその中の一人が言ったのです。
「何で日本人って日本語でしかTwitterをやらないの?」
つまり、何で英語で発信しないのかということです。英語は共通語なのに日本人は苦手意識が強いというのは有名ですよね。さらに続けてその友人は言いました。
「君の漫画も読みたいんだけど日本語だと読めないから英訳してよ」
「もっと日本の漫画読みたい人いるんじゃないかなー」
そうだったのか!と思いました。一応私はSNS等で漫画を載せているとは言っても、プロデビューできなかったことにずっとコンプレックスを持っていました。もっと新しい読者に読んでもらえればそういうよどんだ気持ちも変わるかもしれません。さっそくすでに描いた漫画を英訳してみました。最初に英訳したのは私が美大受験していた時の事を描いた漫画です。(長くなってしまうので1ページだけサンプルで載せます)
元の漫画はこちらです。
この漫画にあるように私は元・軽いヤンキーで英語はあまりできません。海外オタクの友達と遊んでいたと言っても、その海外で仕事をしている友人が英語ペラペラなので問題なかったというだけです。でも今はネットがあります。単語や文法、スラングは検索すれば出てきますし、究極のところgoogle翻訳があります。日本語を英語にするのは割と簡単でした。もちろん正確な英語ではないですし、海外の人から見れば「ワタシ、ビジュツノ、ダイガク、ウケマスター」みたいなカタコト英語だと思います。あと日本語は縦書きで英語は横書きなので、セリフがふきだしにおさまらなくてはみ出します。いろいろ雑ですがそれはそれで味わい深いんではないかということでTwitterに投稿しました。
そして次の朝Twitterを見てみたら、なんと英語のコメントがたくさんついていたのです!その友人が、自身の英語のアカウントで紹介してくれたようです。「Amazing!(すばらしい!)」みたいな短いコメントもあれば、長ーく感想を書いてくれるコメントもありました。25歳からあまり漫画でパッとしなかっただけに、未知の世界からのお便りはすごく嬉しいです。せっかくなので一人一人返信をします。これもたぶん「アリガト、ワタシ、ウレチイネー、アナタ、イイヒト」みたいな返信だと思います。でも、これはこれで味わい深いんではないでしょうか。我々だって海外の人が慣れない日本語を使ってくれたら嬉しいですよね。
そういう感じですっかり楽しくなった私は、描いた漫画は日本語と英語両方で載せるようになりました。noteは日本語版しかないのでTwitterとPivixです。ここで気づいたことがあります。日本だとTwitterは「フォローし合ってない関係だとコメントを送りづらい」みたいな空気がりますよね。「FF外から失礼します」という決まり文句が生まれたこともありました。でも当然海外の人にはそういう空気はありません。全然知らない人が気軽にコメントをくれます。それもあって自分も気軽に「オッチャンノ、マンガ、ヨンデクレテアリガトー」みたいにカタコト返信ができるのです。
そんな感じで現在まで数年、英訳漫画を通して海外の人とやりとりしています。中にはスペイン語に翻訳してくれたかたや…(メキシコのコミック作家です)
フランス人でありながらジャンプに投稿してしかもデビューした超人や…
日本のロック大好きなイギリス人と何か月もやりとりが続いたり…
noteの漫画賞をもらったとき、フランスの友人がイラストでお祝いしてくれたり…
大して英語を喋れないのに二人でフェスに行ったり…
いろいろ楽しいことが続いています。中でもスウェーデンのコミック作家のかたがすごく私の漫画を気に入ってくれて、なんとスウェーデンの雑誌に私の記事を書いてくれました。漫画家デビューではないですが、一応私のフンワリとしたデビューはスウェーデンの雑誌ということになります。
日本人の英語の苦手意識は、正しく使わなくてはいけないというところだと思います。英訳するために検索しているときも、「こんな表現はNG!」みたいな記事をよく見かけます。でも、海外とは言っても欧米、中東、アジア、オセアニア、いろんな国がありますし、人口も日本を1億人としたら海外は70億人以上いるわけです。青森と沖縄で方言が全然違うように、70億人もいれば英語も地方によって微妙に違うはずです。「アリガト、ウレチイー」みたいな英語も「日本人ぽい英語」という印象というだけです。そして何より、私は昭和のオッサンでしかも元ヤンなわけです。大して出来がよくなくて当たり前ですし、そんな自分も好きです。正確でなければいけないというのが現代の空気で、しかも海外交流は意識が高い人というイメージもありますよね。でもこんな変なオッチャンでもできるのです。そこに「よーし海外交流するぞ!」みたいな決意もゼロです。まさに軽い感じで「やってみた」なのです。この記事があなたなりの「やってみた」につながれば嬉しいです。