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[下書き] THIS IS JAPAN! 第7話 This is ガチャGacha!
現在描いている漫画はこんな感じです!
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外国人向けの漫画で、日本人は堅実で不安がりなのになぜかギャンブルも盛ん…というか日常に組み込まれているという内容です。ギャンブルとはいっても、お金が増える減るの話ではなく、我々は「ランダム性」に没頭してしまうという話です。
例えば私の子供の頃、1980年代はビックリマンが大ブームで、ブームすぎて万引きしたり親の財布からお金を抜いて買ったりヘッドシールと呼ばれるレアなキラキラのシールの売買が行われていました。しかもまだ小学校低学年です!(私の地元の話なので、全国こうだったわけではないと思います)
以前、こういう漫画も描きました。
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この1>99の関係は、ドーパミンという脳内物質が関わっています。
簡単に言えば99回だめで1回成功したとき、要はランダムで成功したときに出る快楽物質です。主に食事や繁殖といった種の存続をうながすためのシステムです。
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マンモスに踏まれて死んじゃうことを恐れていたら、種は途絶えてしまいますよね。なのですごく強力な物質です。そしてその強力な物質を30円で買えるビックリマンでお手軽に出せるのなら…それはもう中毒になっちゃいますよね。ちなみにドーパミンはたばこやアルコールでも出ます。なのでたばこもお酒もおいしくてなかなかやめられないのです。
私の例を出します。1990年代、私が中学生の頃からゲームセンターの格闘ゲームが大ブームになりました。当時のゲームセンターは治安が悪く不良のたまり場でした。私もちょっと不良でしたしゲームセンターが大好きでした。その頃についての漫画です、
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強い光と音には依存性があります。ゲームセンターのゲームもそれらを発します。そして対戦格闘ゲームなので必ず勝てるわけではないというランダム性、たばこも吸いますよね。チューハイを持参する友達もいました。ごくまれにですがシンナーで目を回している人もいました(薬物もドーパミンを出します)。そして自分らも周りも不良なのでいつトラブルが起きるかというスリルもありました。スリルもドーパミンです。マンモス狩りと通じるところがありますね。完全に中毒になる条件がそろっていたのです。なので、親のお金を盗んでゲームにつぎ込む人、ゲームを巡って取っ組み合いになる人、お店のものを壊す人、夜0時を過ぎても全然客が減らず、みんなちょっとした中毒になっていたと思います。
そして、ここからが重要です。それから30年くらいたった現在も、私はパチンコ屋の前を通ってたまたまドアが開いて騒音とたばこのにおいが漏れてくると、「ワクワクッ!」としちゃうのです。
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私は特にパチンコには夢中にならなかったのですが、あの電子音とヤニ臭があの頃のゲーセンの雰囲気とリンクして、「ワクワクッ!!」なのです。
中毒とはこういうことなのです。実際あの頃の友達で今はパチンコに夢中で、「仕事の給料が減ったぶんはパチで取り戻すぜ!」と言ってる人もいます。北斗の拳や花の慶次のようなオッサン世代のジャンプ漫画がパチンコ化することも多いような気がします。狙い撃ちされてますね。
とはいえ変な話、中毒はそれだけ印象が強く、自分的には良い思い出です。パチ屋の前通ってワクワクッ!も完全にギャグとして活用しています。そのくらい意識低めで崩れてるほうが友達同士、夫婦同士面白いとも思うのですが…どうでしょう?漫画を描いているときも、こういう変な表情のほうが正直描きがいがあります。
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生活に変な影響が出ない範囲で、いえ、多少なら変な影響が出たっていいんじゃないでしょうか。そういう範囲で生活に「崩れ」があるほうが幸せを感じられると思います。ドーパミンは幸せにも関わる脳内物質です。簡単に言えばたくさん出れば幸せを感じますし、あまり出なければ不幸せです。お金をたくさん持っているとか大きい家に住んでいる、社会的地位が高いとかは関係ないのです。前回&前々回の漫画はそういう話でした。
完璧じゃなくてもいい、優れていなくてもいいというのは大きな救いです。偏差値で測ったら半分の人は平均以下なのですから。むしろ偏差値トップの人だって無理してそこにいるパターンもあるはずです。日本はすごく清潔で治安が良くて穏やかな国です。偏差値高めです。でも無理してるんだと思います。だからこそ、ランダム性で生活にささやかなスリルを求めているのかもしれませんね。