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【ひとりごと】I like it とは
さて、「I like it」と言われたら皆さんはどう訳されるだろうか?
これは、私が留学をしたとき留学ってこういうことかと思ったお話である。
大学生のある春休み、私はロサンゼルスに1か月滞在をした。
一応ダンス留学という名目ではあったが、ダンサー寮に滞在し、毎日1つレッスンを受けるだけという、まぁ、半分勉強半分旅行といったものだった。
最終的なお話をすれば、語学的に一番学んだことは、拙い英語でも愛嬌があればなんとかなることであったのだが、それでもロサンゼルスで経験したことは大きかった。
日本を飛び出したのも、ダンサー寮にいた日本人も、スタジオにバスや電車を乗り継いで行くのも、買い物に行くのも、全部私一人だったから、精神的に少し強くなった気がする。
前述通り、やはり1か月という期間は英語を学ぶには短すぎたので英語術は身につかなかったが、それでも何度か今ちゃんと通じた!!と思うことがあった。
それを初めて感じた会話が「I like it」だったのだ。
全然英語に自信がなかった私は、基本的に会話の聞き役に徹していたときにこの言葉を聞いた。
どういう流れだったか覚えていないが、新しく買った服を褒めてもらった返答のときに「I like it」と答えていたのだ。
likeって気に入っているって意味合いにもなるのか、とその会話を聞いて私はひっそりと思っていた。
それからしばらくしてから、夜ごはんの時間のとき、たまたま隣に座っていた子にスマホケースが可愛いねと声をかけられた。
そのケースは日本出発前にサンキューマートで買った眠れる森の美女のデザインのものだった。
少しでも会話を広げようと、これは日本で買ったんだと伝えるととても驚いて、値段を聞いてきた。
サンキューマートだったしな、と大体5ドルぐらいだったかなと答えるとその子はますます驚いた。
それとっても素敵!と改めて言ってくれたので、私はこう答えてみた。
「I like it!」
すると、その子はこう答えてくれた。
「Me too!」
現地で感じた英語が通じたと、心が震えた瞬間だった。
あぁ、こういう積み重ねで生きている英語が喋れるようになるんだろうなと思った。
教科書に載っていない英語を間近に感じたのだった。
このロサンゼルス留学は、ダンサー寮がハリウッドの近くだったこともあり、有名どころにもたくさん足を運んだ。
丁度行った時期とアカデミー賞の開催時期が重なって、厳重なセキュリティを突破してレッドカーペットを見に行ったりもした。
(ちなみに有名人は誰も見れず、遠くから「きゃー!!」という黄色い声援だけが聞こえた)
毎日受けていたレッスンも、普段日本で受けないものも多く筋肉痛に苛まれながらもたくさんの刺激を受けた。
本当は、今年の3月ぐらいにうまくいけば2週間だけでもロサンゼルスに行きたいと思っていた。
4月からまた本格的に働く予定だったから、時間がある間にと思っていたのに、まさか感染症が全世界で猛威を振るうなんて思ってもいなかった。
また、生きた英語に触れますように。
早く収まってほしいものです。