初心者向けMTG ArenaCubeガイド 土地編
MTG Arenaのキューブドラフトでは通常のドラフト以上に、適切な巡目で土地をピックしてマナ基盤を整えることが重要になる。
キューブドラフトではカードプールにプレイアブルなカードしか存在しないため、スペルだけをピックしていると必要以上にカードをドラフトすることができるからだ。
また、色拘束の厳しいカードが多いため、通常のドラフトの2色デッキの色マナ運用(主色9枚、補色8枚)ではカラートラブルが生じやすい。
この記事では主にMTG Arenaのキューブドラフト初心者向けに土地のドラフトの基本指針を記載していく。
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土地の優先度
まずはざっと各土地の評価をしていく。評価にあたってドラフト時のRatingを次のように定義している。
2色デッキの土地の優先度
Arena Cubeドラフトでは2色または2色+タッチが推奨となることが多い。最も基本となる2色デッキの土地の指針を考えてみよう。
純正2色デッキでも多色土地は最低でも1枚、できれば3枚入るとデッキがきれいに回る。
タッチする色があるなら、3枚以上の多色土地を入れたい。
土地は色の定まらない1パック目ほど色の渡りを残すために優先度が上がり、色が定まってきた3巡目などは、デッキに入る多色土地の枚数に応じて優先度が上下する。
ピックできた色のあう多色土地はすべてデッキに入れてよい。ただしタップイン土地が3枚以上になりそうならDランクの土地を抜くことができないか考えよう。
単色土地(D&Dミシュラランドや神河ランド) は強力だが、1枚も多色土地が取れていないならを多色土地を優先したい。アグロデッキにおいてはD&D単色ミシュラランドは多色ミシュラランドよりも強力。
多色デッキの土地の優先度
均等3色以上のデッキでは2色デッキに比べて土地の優先度が1ランク上がり、特にフェッチランドの評価が高くなる。色が1色しかあわないフェッチランドでも積極的にピックしていこう。
一方で基本土地カウントが減ること、タップインが増えることから、チェックランドやミシュラランドの価値が低くなる。
フェッチランドが取れることを前提に基本土地タイプを持つ土地を早めに早めに確保したい。
土地をピックする目安として理想的には多色土地を6枚以上確保したい。
慣れてきたら多色土地が取れた枚数よりも各色マナを出すことができる土地が何枚あるか、に意識してデッキを構成しよう。多色デッキにおいては、土地基盤の強さがそのままデッキの強さに直結する。
また4色・5色のデッキではマナサポートに優れるキューブドラフトでも求めるマナを出すことは難しくなる。
マナ基盤を土地だけで整備するのではなく、ピックの段階でメインカラー(1or2色)とサブカラーを意識するようにしたり、できればマナサポートに優れる緑をメインカラーに据えたりしよう。
各土地の評価
各土地について、Arena Cube内での寸評を述べていく。長いわりに得られるものは少ないので読まなくてもよい。
フェッチランド
モダンホライゾン3の加入によってMTG Arenaキューブドラフトでは最大10枚のフェッチランドが採用されることになった。カードプールにフェッチランドがあるかどうかはキューブにおいては非常に重要である。
フェッチランドがプールにある場合、フェッチランドを経由して出せる基本土地タイプを持つ多色土地の価値が大きくなるほか、1色しかデッキの色と色のあわない多色土地にも価値が出てくる。
いくつかキューブで頻出の例を出していこう。
青白デッキにおいて沸騰する小湖(青赤フェッチ)と聖なる鋳造所(赤白ショック)をピックしていれば、青赤フェッチから島を持ってくるか聖なる鋳造所を持ってくるか選べるので、実質的に沸騰する小湖を青白2色土地とみなすことができる。
同様に「沸騰する小湖(青赤フェッチ)+ラウグリンのトライオーム(白青赤トライオーム)」の組み合わせをピックできていれば、青白デッキで青赤フェッチを島かラウグリンのトライオームとして運用できる。
ドラフトの段階で1色だけしか色のあわないフェッチランド、ショックランドや諜報ランドもとりあえず取っておくと、ドラフトするときの土地の受けが広がり、デッキ作成時の色マナ供給に貢献できることがある。
このようにキューブにおいて、フェッチランドは単なる二色土地の域を越え、他の多色土地の価値まで変えうる最強の色マナ基盤であることを認識しよう。
ただし例え強力な土地だからといっても、2色ともデッキの色とあわないフェッチランドを入れるのはやり過ぎなので注意。
例えば青白デッキで「血染めのぬかるみ(赤黒フェッチ)+ラウグリンのトライオーム(白青赤トライオーム)」を組み合わせてピックできればフェッチランドからトライオームを青白タップインランドとして運用できるが、トライオームを先引きした場合、フェッチ先がなくなってしまう。
フェッチランドをデッキに入れるときは、フェッチ先となる基本土地タイプを持つ土地を最低限2枚、理想的には3枚以上デッキに用意しておきたい。
フェッチランドは色事故防止以外にも、ライブラリーシャッフル手段や墓地を増やして脱出や探査のエサになったり、上陸の誘発を水増ししたりと相性の良いカードが多く存在する。
土地の中でも最重要カードなので、デッキ2色とあっていればほとんどのスペルよりも優先してピックして良い。デッキの色と1色でもあえば積極的にピックする。
ショックランド
基本土地タイプを持ち、タップインかアンタップインを選べる二色土地。
フェッチランドに次いでキューブのマナ基盤を支える強力な土地。二色ともデッキの色とあっていればドラフト1週目でも取りたい。
フェッチランドの項で書いた通り、フェッチランドと組み合わせることでお互いの色を擬似的に拡張することができるため、デッキの色と1色しかあっていなくてもとりあえずドラフトで取っておいて問題ない。
チェックランド(M10ランド)
参照する基本土地タイプをコントロールしていればアンタップインする二色土地。
諜報ランドの加入によって基本土地タイプを持つ土地のバリエーションが増えたことで、チェックランド(M10ランド)は2色タッチ1色までデッキであればかなり信頼性の高いアンタップインランドとして運用できるようになった。
目安としては2色+1色タッチデッキまでであればショックランドの次に優先度が高く、スロウランドやファストランドよりも評価は高い。しかし3色以上になると参照先の基本土地タイプがデッキ内で減少して、アンタップインの信頼性が下がるのでスロウランドやファストランドを優先してピックしたほうが良い。
デッキ構築の際の参考としては、参照する基本土地タイプの枚数によって
・10枚以上:信頼性高くアンタップインできる
・8~9枚:スロウランドやファストランドと同程度
・7枚:タップインしても文句は言えない
・6枚以外:タップイン前提
と思って運用している。
トライオーム
3つの色マナを供給するトライオームは多色デッキにおいてはショックランドと同等に優先度を高くピックしたい。特に3色ともにデッキの色に合うトライオームはフェッチランドと同じ程度の優先度でピックしてよい。
さらにトライオームは3つの基本土地タイプを持つためにフェッチランドとの相性がかなり良い。多色デッキを構築する場合、トライオームが入っているかによってデッキの色供給の安定性がかなり変わる。
ピック中には流れてきたトライオームが「自分のデッキと色が合うか」だけでなく「自分がピックしたフェッチランドから引っ張ってこれるか」も意識しよう。
デッキの色と2色しかあっていなくてもすでにドラフトしたフェッチランドとの組み合わせによってライブラリーから持ってこれるなら優先度をあげてピックしてよい。
また2色デッキでもアグロデッキでない限り、タップインランドがほかに入っていないなら、デッキの色と2色を共有するトライオームはタップイン2色ランドとしてデッキに入れたほうが良い。
ほとんどの場合、トライオームを入れたことによるタップインのラグよりも色マナ供給のラグ解消の効果のほうが大きくなる。
諜報ランド
タップイン確定だが、場に出たときに諜報ができる。構築ではモダンやレガシーでも採用される強力な土地だが、キューブでは中程度の強さ。
既にフェッチランドをピック出来ていれば、相手のターンエンドのタイミングで場に出せるためタップインのデメリットが解消されるため強力な土地となり、デッキの色の数にかかわらずショックランドの次にドラフトしたい土地となる。
フェッチランドがなければ二色デッキならファストランドやスロウランドと同等かやや下の評価。
特に多色デッキを組む際にはフェッチランドがないとタップイン確定となるため、アンタップインできるほかの二色ランドのほうが優先される。
初心者のうちは諜報で適切な判断ができず恩恵が小さい。そのためタップインランド程度に思って、ファストランドやスロウランドを優先した方が無難。
ファストランド・スロウランド
ファストランドは土地を置いたとき、それが3枚目までの土地であればアンタップインする2色土地。
スロウランドは逆に土地を置いたとき、それが3枚目以降の土地であればアンタップインする。
ファストランドとスロウランドはほとんど価値は同じ。
あえて優劣をつけるとすると序盤の動きを優先するアグロデッキではファストランドのほうが価値が高い。
逆にそれ以外のデッキでは1、2ターン目に他のタップインランドを処理できるスロウランドのほうが価値が高い。また単色ミシュラランドがデッキに入っている場合、ファストランドはアンタップイン条件が競合するため、スロウランドのほうが条件が良い。
スロウランド・ファストランドともに、フェッチランドやショックランドには劣るものの優秀な多色土地であり、どちらの土地も2色ともデッキの色とあえばデッキに入る。
2色デッキ、2色+1色デッキのマナ基盤を支えるカードなるので、自分のデッキの色が固まっているのなら、1周目の早い段階でピックしても問題ない。
2色ミシュラランド
2色ミシュラランドは強さにばらつきがあるので一概に評価できないが、どの色のミシュラ土地も2色デッキであればピックできればデッキに入る。
2色デッキではファストランドやスロウランドよりやや上の評価。
個人的に強力だと感じるのが眠らずの小屋(緑黒ミシュラ)、眠らずの蔓茎(青緑ミシュラ)、不穏な火道(赤黒ミシュラ)。特に眠らずの小屋(緑黒ミシュラ)は抜けて強いので、ショックランドと同等程度の評価。
多色デッキではメインカラーでない限り、タップイン二色土地としての価値しかなくなるので他の多色ランドと比べると一段評価が下がる。
ピックできれば基本的にはデッキに入るが、全体のタップインランドの枚数や基本土地タイプのカウントによっては真っ先に抜ける候補にもなりうる。
単色ミシュラ
D&Dの単色ミシュラはどれも強力。特にマナ基盤にゆとりのある単色デッキならぜひデッキに入れたい。
2色デッキでもピックできればデッキに必ず入る。ピックの指針としては単色デッキなら他のどの土地よりも評価は高く、二色デッキならファストランドやスロウランドと同程度に評価したい。
神河ランド
神河の伝説土地サイクルは色があっていれば必ずデッキに入る。キューブでは伝説のデメリットはない。特に耐え抜くもの、母聖樹は、土地と汎用性の高い除去を兼ねた強力な土地で、緑を含むデッキでエンチャントやアーティファクト対策のカードが取れていなければ、ほかの多色土地よりも優先してピックして良い。
その他の特殊土地
以下の土地はデッキ構成によって評価が変わることがあるので参考程度に見てほしい。
5色土地
虹色の眺望はちょっと弱いフェッチランド。墓地を肥やす、上陸の達成という複合的な目的込みでショックランドと同等程度の評価。
3色のデッキではフェッチランドにない3色選べる強みもあるため、フェッチランドと同等の評価。
寓話の小道は単体ではややパワー不足。上陸を誘発させたり、昂揚が必要といったデッキの要請があれば使いたいが、通常のデッキではそこまで必要ではない。ピックできれば通常の2色デッキならとりあえずは入る。
アリーナ専用の後攻の時だけアンタップインか占術1を選べる見捨てられた交差路は諜報ランドより強力。多色デッキならば価値が上がりショックランドの下程度。2色デッキでも諜報ランドと同程度の価値。
後攻のときだけ初めからアンタップインする魅惑的な交差路は寓話の小道の上位互換。こちらは見捨てられた交差路よりかは価値が下がる。多色デッキならスロウランドと同程度かやや下がる。2色デッキならほかの多色ランドを優先してよい。
無色土地
死者の原野はキューブの土地の中で唯一、デッキの核になりうる土地の中で、ダントツで一番強い土地カードである。ただしデッキ全体をこのカードのために最適化する必要があるため、1パック目の初手付近で取るカードになる。もし、これをピックできたなら、相方として不屈の巡礼者、ゴロスも是非ドラフトしたい。
変わり谷も特に単色アグロではぜひ欲しい土地である。2色デッキでも高速アグロデッキならほかの多色土地を差し置いてもドラフトしたい。
さいごに
ほかのキューブドラフトの記事も書いているのでもし時間があれば見てみてください。