留学したら英語は話せるようになった?友達①の場合。
「留学したら英語がペラペラになるって本当?!」—海外で気づいた『留学イリュージョン』のリアル話
「英語がペラペラになりたい!」と願って、憧れの留学に飛び出したけれど、現実はそう簡単ではなかった。
「英語なんて、海外で暮らせば自然と覚えるでしょ?」と無邪気に信じていた。なんて話もチラホラ耳にしますよね。
僕とは言うと、ものごころついた頃から英語が話せてしまっていたので今回は役立たずですが、高校時代のオーストラリア留学生活中で見た同じ留学生仲間の「英語習得のリアル」をシェアしつつ、友人たちのエピソードや、日常生活での奮闘、さらには恋愛や友情がいかに英語力に影響するかまで掘り下げたら何か掴めるかも。
今回の登場人物
中国からきたJames君。インターナショナルスクールに通っていたわけでもなく、英語の授業を受けてきた程度での単身留学チャレンジ。因みにJamesはイングリッシュネーム。中国語は発音がすこぶるムズイので、中国では、英語の先生が生徒に英語っぽい名前を付けたり、自分で選んだりするそう。親友だけど本名は知らん。
初めて会った時は緊張も相まって殆ど会話できないレベルの語学力からのスタート。
「留学すれば英語は話せる」イリュージョン
よくある幻想、「留学すれば自然に英語が話せるようになる」。なんだか、留学先の空気を吸い込むだけで英語力が身につくような気がしてしまいます。でも、留学に挑戦した誰もが一度は思うはず。
「あれぇ…こんなに話せないもんなのか?」と。オーストラリアに降り立ったその瞬間、「Excuse me?」と聞かれただけで動揺してしまうとか。空港のカフェで、何気なく頼んだコーヒーの名前すら、聞き取れないとか。
実際に留学生活を始めてみると、「英語が話せる環境にいる」だけでは英語はできるようにならないという事実に直面することが多いんです。頭でわかっていたはずの基本的な文法や単語が、いざ実践となるとフェードアウトしちゃうらしい。
英語学習に大事なのは「環境」だけじゃない
現地に行ったら、まずは学校での授業に期待してしまいますよね。でも、実はここで一番大切なのは、いかに自分が「英語を使う状況」を作るかです。僕が在籍していた高校は留学生の受け入れが盛んで、合計で100人程度の外国籍がいましたが、内90人弱は中国人でした。そんな環境で、James君は、留学初期は同じ中国人グループで固まっていたため、中国語ばかり使ってしまったそう。その結果、学校での半年があっという間に過ぎても、「授業でしか英語を使わなかった」とのこと。とはいっても隣の席に同じ中国人がいるのだから、授業中の小言の会話も中国語。
彼の体験を聞いて、「あ、英語環境は意識的に作らないと、向こうからはやってこないのか」と気づき。
確かに僕も、海外の幼稚園に日本人たった一人で放り込まれ、自発的ではないにせよ、完全なる英語環境に身をおけていたからこその結果なのでしょう。
面白いのは、現地の人たちが使う「カジュアルな表現」を始めから聞き慣れていたこと。たとえば、”What’s up?”(元気?)や、”I’m gonna go grab something to eat.”(ちょっと何か食べに行ってくる)などの口語的な表現は、教科書には載っていないからこそ、実際に触れる価値があると感じました。
恋愛は最強の英語力ブースター?
愛は世界を救うし、世界を変えることもできちゃう。
Jamesがなんの拍子にか、いつの間にか現地の子と付き合い始めてから、急に英語がペラペラに。いやマジで。
やはり恋愛には魔法の力があるのか!?とはいえ、話はそう単純でもなく、最初は「言いたいことが言えないフラストレーション」で悩んでいたとのこと。英語が母国語ではない分、ちょっとしたケンカや誤解が生じることも多かったそう。文化も価値観も全然違うんだし。でもその都度、その子に「この単語ってどう使うの?」と教えてもらったり、間違いを直してもらったりしているうちに、気がつけば英語力がどんどん向上していったのです!らしい。
英語力向上には「感情のスパイス」も効果抜群。好きな相手に気持ちを伝えたい、ケンカしてもちゃんと解決したい。その気持ちが、英語力を一気に引き上げるモチベーションになるのかもしれませんね。やっぱりモチベーション維持が一番の鍵なんでしょう。
いつの間にか成績上位の超インテリキャラに。
僕が遊び惚けていた間にも、Jamesは彼女パワーと中国本土の両親からのプレッシャーパワーでぐんぐん英語が上達。
高3の頃には、ハーバードだの、オックスフォードだのを口にしだして、あんなにもモゴモゴしてた子が世界トップの大学を視野に入れれるようになるなんて!とよく分からない親心でウルウルしつつも、本当に凄いなあと尊敬していました。第二言語で、数学とか物理とか、超専門的な用語使いながら話す様になっちゃって、バリバリ文系の僕が逆に単語を教えてもらうまでに。
まさに理想的な留学の効果ですよね。みんなこんなのをイメージしてるはず。
留学で得られるのは、英語だけじゃない!
結局のところ、留学で英語力を一気に上げるには、「ただ現地にいる」だけでは足りません。むしろ、自ら積極的に「英語を使う環境」に飛び込んでいくことで、その効果は何倍にも膨れ上がります。現地の友人と過ごす時間や、恋愛での感情表現、日常生活での奮闘。それらすべてが英語力向上のチャンスなのです。そして何より、英語力と同時に得られる「異文化理解」や「自己成長」も、留学の大きな魅力です。
だから、「英語を話せるようになりたい」と留学を考えている人には、ただの「英語習得」だけでなく、新しい人間関係や文化に触れることも含めた「人生体験」として挑戦してみることをお勧めしたいです。
結局、英語力アップに必要なものは?
もちろん、全員がJames君のような留学生活を送れた訳ではありません。最後まで中国グループで固まったまま、成績不振で途中帰国する生徒もいたし、引っ込み思案でライティングは満点なのにほぼ喋れないままの生徒もいたし。
つまり、留学で英語をできるようにするには、意外と「覚悟」が必要です。「英語を学ぶ」のではなく、「英語を使って生活する」ことの一環として、あらゆるシーンで一つひとつ自分に挑戦をさせ続ける覚悟です。そして、時には恋愛や友情を通して、さらなる一歩を踏み出す勇気も必要でしょう。
もちろん、日本人が英語を学ぶ上で留学は非常に大きなメリットがありますが、「一歩踏み込む覚悟」は、留学の決心止まりでは効果がありません。現地に行ってから、「もう二歩踏み込む覚悟」がもっと大事。
ただの旅行に終わってしまわないよう、次に留学を考えている皆さん、どうか「英語ペラペラになる」以外の期待も持って海外に飛び出してくださいね!