退職という選択
わたしが退職する理由には2つある。
1つ目がやりたいことがなくなったこと。
2つ目がやりたいことが見つかったこと。
今日は1つ目のことを書いてみようと思う。
公務員になって約10年。
その間に人事異動で3度異動し、4つの部署を経験した。
地元のお祭りを所管する部署、お金の管理をする部署、税に関する部署、観光に関わる部署。
振り返れば、すべてが貴重な経験で、無駄なことは何もなかったと思う。
初めの頃は、全てが新鮮で、異動も全く怖くはなかった。
知らないということは本当に強い。
公務員には、2~4年ごとに必ず異動がある。
人事異動の日は朝からみんながソワソワして落ち着かない。
仕事をしている間も頭の中は人事異動のことばかり考えている。
公務員は部署により天国と地獄ほどの差がある。
地獄の部署は、まさにブラック企業そのもので、世間で言われるような17時半あがりなど夢のまた夢で、100時間残業も当たり前。日付が変わって帰る日や休日出勤もあれば、パワハラ上司もいる。
そして、今はどんどん人が減らされているので、どこも人出不足で天国よりも地獄のような部署が圧倒的に多くなった。
公務員には、たくさんの部署がある。
たくさんの部署があるからこそ、突然全く想像もつかない部署に異動させられることがよくある。
それは、まさに浦島太郎のような状態が2~4年ごとに繰り返されるイメージだ。
今まで知りもしない、やったこともない業務に何もわからない状態で突然放り込まれる。
それは、今まで蓄積された知識が全てリセットされることを意味する。
これって本当にすごいことだと思う。
同じ会社の中で転職を何度も何度も繰り返しているようなイメージだ。
定年まで公務員を続ける方を本当にすごいと思う。
そんな経験を何度も繰り返し、耐えられる精神力はわたしにはなかった。
どんなに頑張ってもどんなに知識を得ても、浦島太郎のような状態が繰り返される。
それを何度も何度も繰り返すたびに、何も残らない虚しさを少しずつ感じるようになってしまった。
何も残らないってなんてさみしいことだろう。
何か残るようなことをしたい。
ただ生活するためだけの、
ただ息をしているだけの、
仕事を続けることに
これから意味を見出せるだろうかと。