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2011年まで四国のGDPはニュージーランドより大きかったが、今はどうなのか?

突然こんなタイトルで驚かれたかもしれないが、ちょうど東北で震災があった2011年頃、四国の経済規模を説明するため世界のGDPを調べたところ、ニュージーランドと四国ががほぼ同じだった。
そんな記憶も忘れかけていた先日(11/18)にとある会に出席した際に、サイボウズの社長青野さんより「先日行ったニュージランドは1人辺りのGDPは日本より大きい」という話を聞き、その当時の記憶がよみがえり気になったので調べてみた。

日本とニュージランドの比較

先ずは日本とニュージランドの比較を。

上記サイトのIMF(国際通貨基金)が発表した2024年の情報によると、GDPは以下である。
・日本 世界4位 4,286,187 百万USドル
・ニュージランド 世界53位 247,535 百万USドル

比較対象にならない程の差があるが、人口規模が違うため比較にはならないだろう。
次に話題になった、1人辺りのGDPを確認してみる。
・日本 世界37位 34,554 USドル
・ニュージランド 世界25位 47,222 USドル

なんと、1万ドルの大差をつけられているではないか!
あの、羊と草原と雪山でのんびりしたイメージのあるニュージーランドに!

四国とニュージランドの比較

続いて、本題の四国とニュージランドのGDPを比べてみよう。データは2011年から2021年までの間を収集した。

比較に用いた情報

2011年から2021年までのニュージランドのGDPと1人辺りのGDPはUSドルの情報を以下から入手した。

これを日本の円に置き換えるため、以下の為替相場の月額平均から年平均を算出して計算に用いた。

四国のGDPと人口は2011年から2021年までの各都道府県統計情報を以下から入手て、四国分を合算した。

四国とニュージランドの比較結果

先に説明した統計情報で比較グラフを作成したが、ドルから円への変換や、1人辺りのGDP計算は正式な統計計算とは少し異なるため、以下の結果は状況を大まかに掴むための参考程度で見て欲しい。

四国とニュージランドのGDP比較

グラフの通り、2012年に四国はニュージランドにGDPで負けている。
その後徐々に金額差は広がり、2021年には四国の倍近くになっている。
順調に伸びるニュージランドに対し、国同様に四国が横ばいを続けた結果、10年で倍近い差をつけられている。

四国とニュージランドの1人当たりのGDP比較

続いて、1人辺りのGDPを確認してみる。
こちらは2013年に四国はニュージランドに負けている。
その後10年近くで倍まではいかないが、徐々に差をつけられている。
GDP程の差がつかなかった原因は四国の人口減少と、ニュージランドの人口増加であろう。

四国とニュージランドの人口比較

上記は人口の比較だが、四国の人口減少率より、ニュージランドの人口増加率が高いことがわかる。
逆に、四国は人口が減少しつつもGDPを横ばいにキープ、1人辺りのGDPを若干アップしているは以外だった。

とはいえ、四国はマイナスになっていないだけで、現状はニュージランドの成長ペースからは1週遅れと表現すべきだろう。

結論

2011年頃は四国はニュージランドと同じ経済規模と説明していたが、2024年現在はニュージランドの半分程度の経済規模となり、もう同列としても扱えない。
とはいえ、四国も人口減少しつつも横ばいに経済を維持していたのは以外だった。
のんびりして工業やIT産業がイメージできないニュージランドがここまでGDPを伸ばしているのは、四国も何か学べる部分はあると推測する。

チャンスがあれば、現地で状況を確認してみたい!

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