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こんにちは。
わたしはパンを焼いたこともないのに、最近さらに新しくシンガポールのベーカリービジネスを引き継いだ日本猿。完全にexpectしていなかった案件だ。
この半年で3つの店舗を開けることになろうとは自分でも想像していなかった。
最近のブログ更新の滞りについては、
誠に勝手だがこの大型店の引き継ぎオープンと、息子の2ヶ月に渡るスクールホリデーのせいにさせていただきたい。
"猿のブログ楽しみにしてるんだから早くあげてよ"
というコンプレインから
"忙しいと思うけどまたブログ更新してくださいね"という優しいお言葉までDMにて友人や読者さまから沢山いただいた。
はっきり言って、
ありがたい限り。
気合いを入れ直してまたブログを更新していこうと思う。
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困ったやんちゃなティーンネイジャーのアルバイト、
マントヒヒ。
彼の言動に毎日ヤキモキしていたわたしだが、わたしのアシスタントで2店舗のスーパーバイザーであるギャルなバンビの加入がきっかけで仕事を真面目にするようになったような気がしていた。
特にバンビと同じ店舗でシフトに入る時のマントヒヒは、いろんな意味で気合が入っている。
いつもに増してヘアースタイルはパシって決めて、お気に入りのスニーカーを履き、若気のいたりのようなキツめのイカつい香りの香水をまとって自信満々に登場する。
まあ、可愛いやつと言えば可愛いやつなのだが。
バンビが仕事を振ると、
"は?まあお前の頼みならええけど"
とすきな人に意地悪する子供のような態度で掃除をしだす。
いいぞ、バンビ。
このままこの生意気なマントヒヒを調教し続けてくれ。
相変わらずこりないマントヒヒは、バンビをデートに誘ったり、バンビが別店舗に勤務の時はお願いもしていないのにお迎えに行ったりしているらしい。
バンビは異性からの誘いに慣れているので、全く動じない。お向かいのピザ屋の男の子も気さくに話しかけてくれる見た目も可愛いバンビのことが大好きになって、毎日お店にピザを持ってきた。
"猿、ちょw
またあの子ピザ持ってきたんだけどw
ウケる。そんな毎日ピザ食わんしw"
と言ってバンビはわたしにピザをホールで渡してくる。この子は本当に根っからのギャルだ。
お店を運営しているうちにモールのマネジメントや他店、モールの中に入っているオフィスのお客様などいろんな方がバンビに会いに来るようになった。
カリスマギャルだ。
みんなが彼女にお土産を持って会いに来る。
毎日一緒に長い時間を過ごすうちに姉妹のようになってきた私たちだから、こんなことがよくあるからと"Hey Bitch!!"(悪い女)とからかいあったりしていた。
とある日、マントヒヒが働いている店舗にオープン前に用事があり、何の気なしに店舗にある冷蔵庫をあけた。
そこでわたしは絶対に見たくないものを見つけてしまった。
ソジュ。
韓国焼酎のボトル。
確認させていただいたいのだが、うちのお店でお酒は今の所取り扱っていない。
嫌な予感がした。
よく見慣れたグリーンのボトルを手にとって見てみる。
はあ、やっぱり少し減っている。
誰かがお店で酒を飲んでいる。
誰がどう予想したってあいつしかいない。
そんなことをするやつはうちに他にいない。
腹立たしい気持ちを残したまま次のミーティングの為移動しなければならなかった私は、歩きながらバンビに電話をかける。
"あのさ、
誰かこっちの店舗でお酒飲んでるのよ。
ソジュが入っててさ、飲みかけの。
わたしめっちゃ怒ってて今すぐ解決したいんだけど次のミーティング行かなきゃいけないから、ちょっと誰か突き止めて本人とすぐに面談してくれるかな?"
するとバンビは
"え?猿?
マジで言ってる??
はあ、絶対アイツしかいないじゃん…
わかった、そっちに行って、全員のスタッフと話す。"
最後わたしはちょっとピリッとした空気で電話を切った。こういうことをなあなあにするつもりはない。
バンビもそれに気づいていたと思う。
わたしのお店は動物園だけど悪ガキの遊び場じゃない。
流石のわたしも怒っている。
Co-founderのライオンと馬にもすぐに報告した。
そこまでやばいやつだったか、とふたりとも呆れていた。
そしてバンビはスタッフ全員にヒアリングし、犯人を突き止めた。やはり、彼だった。
バンビはマントヒヒを連れ出し、事実確認をした。
"お店でお酒飲んだのかな?"
"開いているソジュはあなたが持ってきたものなのかな?"
"法律で何歳から飲酒ができるのか知っているよね?"
バンビはふう、と息を吐き、
自分はスーパーバイザーであると自分に言い聞かせ冷静に冷静に、
感情的にならずに丁寧に彼に問いただした。
完全に彼が犯人だとはわかっているが、自分から話させようと促した。
すると、ずっと下を向いて不貞腐れた態度で聞いていたマントヒヒは突然バンビを睨みつけ、
"It's not your business"
(おめえに関係ねえよ)
と捨て台詞を吐きその場を立ち去った。
バンビからその話の報告を受けたわたしは、もうこの先この子をこの動物園においておくことはできないと確信した。
つづく。