買い物でご縁を紡ぐ。
先日下見に行った、都内でお母さまとふたり暮らしのSさん。
Sさんは絵を描きます。
その日は、私のために玄関・廊下・階段に木の絵をたくさん飾ってくれて、襖にも素敵な絵が描かれていました。
部屋の壁は漆喰をご自身で塗っていて、自分で炒った豆でコーヒーを淹れてくれました。
前にも書きましたが、百年杉の丸太を伐る人がいなくて、生産者の手元には今まで伐った丸太の上等な部分の材だけが残っています。
予算が厳しいのを承知で、Sさんにそれを伝えて、床とは一生のつきあいだということを話したら、なんとすぐに合点してくれました。
なんだか、、
案ずるより産むが易し、でした。
質は落ちるけど安く買える杉があることも話しました。Sさんの質問に応えながら、私が感じていること、思ったことを素直に話しました。
それはもうイキイキと(笑)
自分に嘘がなければ、目の前の人、目の前の杉との対話で、おのずとよきように決まっていくのかもしれません。
Sさんが私を信頼してくれているのがありがたかったです。
それに、Sさんはすでに百年杉を体感していて、「あの感じ」を身体が知っているから、やっぱりそこは百年杉の説得力。
ご自身の恩恵になることはもちろん、産地の支援も含めて「よい買い物」だと判断されたのたと思います。
ご縁に感謝です。
支援という言葉は好きじゃなかったのですが、最近、買い物は本来すべて支援じゃないか、という気すらしています。
買い物で自分が得したい、損したくない。ついそういう意識が働きますが、
損得を超える。
お互いが豊かになる。
オトナの買い物はそうでなくちゃ。
つまり・・
買い物でご縁を紡ぐ。
調べてみたら、
「買い物は投票」とか「エシカル消費」という言葉がありました。
それぞれもっともな内容でした。ただ、私の肌感覚からすると、買う側が身を投げ出していない感じがします。
買い物は投票というより、マッチングではないでしょうか。買い手と売り手、あるいは買い手とモノとが互いに交流し、影響しあい、ストーリーが重なり合うことにも意義がある気がします。
だから、
買い物はご縁紡ぎ。
床敷きもご縁紡ぎ。
お金はその道具。
私はできるだけそうありたいです。
今回は床敷き代の替わりに、Sさんに絵を描いてもらうことになりそうです。
Sさんの絵が気に入ったし、損得を超えてここはお金じゃないな、と、感じました。
生産者にお金が入り、百年杉がやっと旅立って、Sさんといっしよに敷いて、百年杉がSさんと同期して豊かな部屋になる。
Sさんがうちを「逆下見」して、どこにどんな絵を飾るのか話しあって、わが家にSさんの絵が飾られたら、うちの子どもたちがそれを眺める・・
いろいろ楽しみ☺️