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休みかと思ったら休みじゃ無かった弔いの日記

昨晩、noteを書いた。

「さて、何時まで寝られるかな?」
と、布団に入るとLINEが入ってた。

先ほど、お家へ送り届けたばあちゃんからだ。

:(;゙゚'ω゚'):

あいちゃんとは、亡くなったばあちゃんの友人の忘形見の猫だ。

なかなか人嫌いで、なんとかばあちゃんには慣れているが、私などは話しかけただけで
「フーッ( *`ω´)みんじゃねえ!」
と怒られるおばあちゃん猫。

小さい頃から、犬、猫、鳥の類が家にいて、コレほど猫に嫌われたことがないので、あいちゃんにフーッと言われるたびに地味に傷ついた私は、行くとチュールを貢いだりしていた。

それが、ここ最近、少し心を開いて、声をかけると「にゃあ」と返事をするようになり、頭を撫でても怒らなくなった。

数年前、ばあちゃんに頼まれて病院に連れて行った時は、獣医さんも恐れるほどの剣幕で、洗濯ネットに入れて、タオルを巻いて診察してるのに、奇声と共に、洗濯ネットのまま飛び降り、小さな診察室がまさに阿鼻叫喚。

仕方なく麻酔で眠らされ、検査を済ませ、帰りの会計の高額さに、ばあちゃんが卒倒しそうになっていた。

決死の検査の結果、高齢の為、もう処置ができない内臓疾患があることがわかった。
しばらく薬を飲んでいたが,獣医さんの薬が合わず、飲むと吐く。
年齢も14歳を超えて、毎回の通院のストレスが目に余るので、もうホスピス状態で、静かに余生を…と、看取りの体制にした。

体は衰弱して、ボロボロな感じだが、体調は安定していた。

食欲魔人で、始終お腹が空いたと鳴いていたが、食べすぎると吐くので、少量を数回に分けてあげていた。

もしかしたら、認知症でごはんを食べたの忘れてしまっていたのかもしれない。

ここ最近は、盗み食いをするようになったとばあちゃんが報告して来るようになった。
煮物のにんじんを盗んだとか、油揚げを取られたとか。

ボロボロの毛皮で、台所のシンクに飛び乗るなんて、元気だよなあと思っていた。

昨夜、ばあちゃんを送って行った時も、おこたから「おかえり〜」と出て来て、頭を撫でると「にゃあ」と言っていた。

看取りの体制だから、いつか近いうちに別れの日が来るのはわかっていた。

寝ているうちに亡くなったと言う報に、実は安心した。

具合が悪いあいちゃんを、ばあちゃんが長く看病するのは大変だし、あいちゃんも痛いとか、苦しいとか思いをすることなく、眠ったまま逝けたのなら、大往生ではないか。

真夜中のLINEは、ばばあずのグループに送られて来た。
コレに返信すると、姉もおばも起きてしまう。
ばあちゃんのLINEにお悔やみと明日行く旨を伝えた。

明日も忙しくなりそうだ…。

朝、姉に連絡をして段取る。

姉、姪の胃ろう朝食セットして、私をピックアップしてばあちゃんちへ。
あいちゃんにお別れを言って帰宅。
娘が出先から姉宅へ、姉が戻ったらおばを連れて、ばあちゃんちへ。
おやじ天使があいちゃんを埋葬する。

私は、この機会にばあちゃんちのお片付けをする。
おばに手伝ってもらいながら、終日母と過ごす。

ばあちゃんちに着くと、あいちゃんは箱に入れられて、シクラメンの花に囲まれていた。

姉が買って来たお花で、あいちゃんを囲んだ。

ばあちゃんは、あいちゃんがお腹が空き過ぎて死んじゃったのじゃないか?とか、もう少し長く生きられたのではないか?とか、自分を責めるような口ぶりで、ポロリと涙している。

あいちゃんは、頑張っていい時を選んで逝ったのだとおもう。

今日でなかったら、みんながあいちゃんにお別れすることができなかった。

今日でなかったら、みんながばあちゃんに寄り添う時間を、これだけ取ることはできなかった。

あっぱれあいちゃんだ。

姉が帰り、おばが食材を持って、娘と来た。

混ぜご飯と、粕漬けの魚、牛肉をバターで焼いておろし醤油を添えた。
大根の味噌汁にたくあん。
昼食を囲みながら、あいちゃんを悼む。

ばあちゃん食欲あり

あいちゃんは、元々、
おばさんの家の庭先で生まれた。
そのうちの1頭を、猫を欲しがっていた母の友人に連れて来たのだ。

家族の誰にもなつかないあいちゃんも、不思議とおばには懐いていた。
三つ子の魂だろうか…。

おやじ天使が迎えに来るまで、おばとばあちゃんちを整理した。

ばあちゃんも、履けないヒールの靴をやっと手放す気になった。

でもまだまだ、処分しなければならないものがいっぱいだ。

15時過ぎにおやじ天使がやって来て、金木犀の根元にあいちゃんを埋葬した。

ばあちゃんは、昨晩は寝ていないと言う。

お茶を飲んで、おばを駅まで送って帰った。

呑気な休日を過ごすつもりが、親族中が駆り出される弔いの日になった。

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