繊維の種類15:リネン・ラミーのメリット
おはようございます。
今朝はまた晴れて街が朝焼けに染まって温かそうに見える朝。
さて、布の素材として靭皮繊維の代表とされる麻の中で衣服の素材となる以下の3つに関してみているところ。
亜麻(あま) Linen リネン 亜麻科
苧麻(ちょま)Ramie ラミー 葦麻科
大麻(たいま)Hemp ヘンプ 桑科
昨日一昨日とリネン・ラミーに関して、産地や歴史を見てきたので、今日は素材としてのメリットを見ていきたい。
リネンとラミーだけが日本の家庭用品品質表示法で麻と表示される様に、違う植物という扱いではあるもののその性質はよく似ている。
リネン・ラミーのメリット
丈夫で長持ち
麻の繊維は、天然繊維の中で最も強靭で水に濡れると更に強さを増す傾向がある。海外では100年以上にわたって使用されたリネン製品があるほどですから、その丈夫さが分かる。
水濡れに強くしっかりした丈夫な繊維を持つリネン生地は、カーテンやシーツのように日常生活で長く使用する製品の素材としても非常に適している。
汚れにくい
リネン生地には、繊維と繊維を繋ぐノリの役目をしているペクチンという多糖類が含まれている。このペクチンはリンゴなどにも含まれる天然のゲル化剤で、これによりリネン生地は汚れが染みにくく落ちやすいという性質に加え、抗菌性があり、清潔に使用することができる。
また、ペクチンには汚れにくくするだけでなく生地の毛羽立ちを抑える効果もありる。
静電気が起きにくい
ポリエステルのような化学繊維と比べて、リネンは静電気を溜め込みにくい性質のため圧倒的に静電気が発生しづらく、ほこりやごみが付着しにくいのも特徴。重ね着が多い冬にもうってつけ。
上記のようにリネン製カーテンのようなご家庭でのお洗濯に向かないものを日ごろお手入れする場合は、ほこりを払うだけでも充分。丈夫で汚れにくい特徴を持つリネンの製品は、丁寧にお手入れを行うことで長く使い続けられる。
シャリ感、張りがある
麻の繊維の特性から、製品にシャリ感、張り、通気性があり、接触冷感と併せてさわやかな着心地を与えてくれる。
リネンはやわらかくさらっとした肌触りが良い。繊維が細く短いため、毛羽立ちが少なく、衛生用品などにもよく使用されている。
一方で、ラミーの繊維は太く長く、リネンに比べると毛羽立ちが多い。しかし、天然繊維の中ではもっとも強くハリやコシがあり、よりシャリ感を強く感じることができる。
リネンもラミーも、さらっとした肌触りと使い込むほどに風合いが出てくるという特徴は共通しているので、こうした細かな特徴も把握して、ご自身の好みに合った素材を選ぶといいだろう。
上品な光沢
手触り・質感に加えて、リネンは生成り(亜麻色)や白、ラミーも白く絹の様な光沢があり、優雅な雰囲気を醸し出す。
吸熱、発散性に優れる
麻の繊維の特性から、水分の吸湿・発散が速く、実際リネンをはじめとした麻は、コットンの4倍ともいわれる非常に高い吸水率を誇る。吸水性だけでなく通気性や発散性にも優れているため、濡れてもすぐに乾くという特徴がある。このため、汗ばんでも肌にべとつかず、速く乾いてくれる。
インナーやバスタオル、ハンカチにもおすすめ。
通気性・保温性に優れている
麻の繊維は天中が空洞で然繊維の中で熱の伝導性が最も大きく、空洞部には空気が含まれている。その空気が余分な熱を逃がすことで夏は涼しく、冬でも中の空気が熱を保持するために、自然な暖かさでお肌を包み込んでくれるので温かく感じられる。このように、リネンは天然のサーモスタットのような性質を持ち、通気性、保温性に優れているのだ。
リネンは涼しげな見た目で夏の素材だと思われている方も多いかもしれないが、実は春夏秋冬一年を通して使用することができる素材なのだ。
着た時、扱う時のメリットに加えて、こんなメリットも。
混紡性に優れる
他の繊維との混紡、交織等を行っても麻の特性は失われず、むしろ相手繊維と融合して「新たな風合い」が生まれ、広い用途に使われている。コットンリネンなどはその好例としてよく知られているところ。
個人的には、ウールと混紡した生地をウールリネンがおすすめ。
実はこのウール(羊毛)との相性が非常に良く、ウール繊維の構造上熱を外に逃がさない抜群の保温性を誇っているのでより暖かみが増す。さらにウールが入ることにより、ふっくらと弾力感が出て程よい柔らかさに仕上がり、シワになりやすいリネンの性質を補ってくれるのだ。
リネンウール生地は、平織りや綾織りなど織り方も様々、且つ配合によって風合いが変わるのも特徴。
ウール素材の比率が多いとふんわりとしていて、シワになりにくく弾力感があるので厚みのある生地になりやすく、リネンが多いと程よいシャリ感とナチュラルさに加えて、素朴な暖かみがある。いずれも使い込むごとに、洗濯するごとに色味や風合いの変化を楽しめ、ジャケットやストール、パンツ、スカートなど幅広く使われている。
生分解性に優れる
植物性繊維のため生分解性にも優れている。土に育くまれ、土に還るエコロジー時代の繊維として今改めて注目されている。
完全に自分の好みが色濃く出て、推しポイントをプッシュし続けてしまった感じになってしまったけれど、ウソはないのでこれだけ優れた機能性天然繊維ということがわかってもらえたかと思う。
こちらの文章は以下のリンクを参考文献として使用しています。
https://handmade-wafu.com/essay/blog/2022/02/11/linenandramie/
僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。
皆様も、良い一日を。