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他人へ贈った言葉は私へのメッセージ
「私は忍耐強くて頑張り屋さんだったね」
「私のおかげで今がある」
「ユカが、教えてくれたように毎日朝これを唱えていたらね、お父さんといる時間が幸せになっちゃった。おかげさまだよ、ありがとう。」
いつのことだったか?私は覚えていないのだが、いくつになっても言い争いが絶えない両親と話をしたときに、母に向けて伝えた言葉を毎日唱えていた母からの感謝の言葉。
誰よりも忍耐強く酒の力に任せて暴れる父と共に生き続けた母……姉妹からは離婚も出来ない意気地なし!と罵られていたこともあった。
そんな母が今心からの安堵の笑みを浮かべて私に感謝の言葉を伝えてくれている。
ありがとう、ユカ。今本当にしあわせだよ。そう言いながら涙ぐむ母からは、緊張した表情が消えていた。
奇しくも、私は少し前からパートナーシップについてモヤモヤした思いを抱えていたので、母の姿を目の前に観ることで、重ねて自分の内側を観てみた。
「私は忍耐強くて素晴らしいね」って自分に言うようにしたら、色んなことが変わったんだよ、そして、その助言を伝えたのは私だと……。
すぐに気が付いた。
大切なことを。
私の内側に今響かせたい言葉に気が付いたのだ。
「私は誰よりも忍耐強い頑張り屋さんだったね」
「私のおかげで今がある」
「私は他人のために愛を注いできた優しい人だ」
「これからは同様に私が私に愛を送っていいんだよ」と……。
私が誰に教わるわけでもなく、母に元気に幸せに生きて欲しくて伝えていた言葉は、丸ごと私が言って欲しかった言葉だった。
私は、言葉を母に伝えているとき、同時に自分の口を通して私が必要としている言葉を私の耳、……そして私のハートに聞かせたかったのかもしれない。
もしかすると、今までずっとずっとそうだったのかも……
苦しむ母に寄り添いながらかけていた言葉たちは、私の内側(インナーチャイルドというのか?)が欲していた言葉だったのかもしれない。
内側=外側
母=私
私=世界
私=宇宙
私が誰かに向けて発信したい言葉は、私が一番受け取りたいと願っている言葉なのだ。
私の宇宙から降ってくる愛そのものなのだ。
そう、私は、ずっとずっと……
見えない聞こえないメッセージを受け取っていたのだ。
それを、誰かのために贈るとき、
私自身の耳と心に聞かせて受け取っていた。
宇宙って、面白い伝え方するよね。ダイレクトに見えたり聞こえたりしたら私へのメッセージだとわかりやすいのに、こんな風に伝えてくるの?
まぁ、もしも私が見えたり聞こえたりすることがあったら、
私はまず自分を疑うから最適な伝え方であり、一番信頼できる方法ではある。
《神の言葉は言葉や耳から聞こえると思っていない》私のためのメッセージらしい伝え方であると、思わず吹き出してしまった。
今回に限らず、私は見えない聞こえないメッセージを沢山受け取って今がある。
霊能力とか必要ないし、言葉が聞こえたりビジョンが見えたりも必要ない。
見えない聞こえないメッセージだから、私は信じて安心して受け取れる。
母からの感謝の言葉を通して、私が必要としている言葉を受け取れた私は、眠りにつく前に魔法の呪文を唱えた。
「私は誰よりも忍耐強い頑張り屋さんだったね」
「私のおかげで今がある」
「私は他人のために愛を注いできた優しい人だ」
「これからは同様に私が私に愛を送っていいんだよ」と……。
安心して眠れた。
母のような安堵の微笑みを浮かべる私がここにいる。