20代のわたしに捧ぐ。オペラ歌手のレパートリー選びについて。
あと数日で30代も後半に突入する、メゾソプラノ歌手の松崎 由香です。
16歳の時に歌に出逢ったので、歌い続けて20年。
少なからず、歌ったりレッスンしたりでお金をいただけるようになって約10年。
色々ありましたが、今が一番幸せであり充実しています。
自信をもってそう言えるのは、心身ともにゆとりがあり、現状を把握して学びアウトプットできているから。
何をするにも結局のところ、客観的な視点を持てるかどうか。本来の自分の姿を直視することができるかどうかだと思うのです。
さて、今日はタイトル通り、オペラ歌手のレパートリー・選曲について。
これは本当に、20代のわたし自身に伝えたいこと。
妥協の無いレパートリー選びがどれだけ大切なのかということを、この一年で本当に痛感したからです。
音大を卒業してもう14年になるというのに、今更感もありますが。。
大学を卒業すると多かれ少なかれ、様々なコンサートや舞台に出演するのが歌手の道のスタートとなります。
大半の歌手は駆け出しの頃はアルバイトや派遣などで、サイドワークと歌手業を掛け持ちするので、なかなか余裕が持てない場合が多い。
または、色んな本番が立て込んで腰を据えて勉強する時間が取れない。
様々な事情で目の前のことにとにかく必死。
例に漏れず、わたしもそうでした。
それと同時に焦りもあるので、色んな曲を歌いたいと思ったりもする。。
自分の声の個性を正確に把握していれば、もっと違う選択があったと感じる反省点も振り返るとチラホラ思い当たります。
または、苦労しなくて済んだことが沢山あるとと言えるのです。。
ここで言いたいのは、
自分が心からやりたい曲と自分の声の個性が一致した時に、正しい方向で最速の成長が望める。
ということ。
またレパートリーは、出版・流通の関係で日本人が知らない名曲って本当に多くあるという事です。
師匠だって、知らない曲たちが沢山ある。
誰もが感動する世界の名曲も大切です。それと同時に、次の世代に繋げたい隠れた名曲たちも発掘して歌っていくことも、歌手の役割だとわたしは感じています。
ここ最近は、イタリアの近代作曲家サントリクイードの曲がどれも素晴らしくて目下練習中。
とっても素敵なので、是非と多くの歌手にも歌って欲しいなぁと思うのです。