ミュージカル『イザボー』の感想

1ヶ月ほど前にYoutubeで本作のショート動画を見て気になったものの、既に公演は終わっているという現実に少し残念に思っていました。曲がめちゃめちゃカッコいい。
そして時は過ぎ先週(冒頭書いた当時の話…)のこと、WOWOWにログインするとまさかの配信されているという喜び。

≪1週目≫
話がよくわからないまま、あと、登場人物の判別がつかないまま、だれがどの役?となりながら見ていました。
最後まで見終わって、なるほどこんな話ねと理解。
気に入った曲とシーンだけをエンドレス再生。
最初のオルレアン公がお気に入りでした。
ちゃらちゃらした感じの裏に、秘めた思いを隠しているのが個人的ツボ。
イザボーを都合よく扱うために、打算的に手を組んでだはずなのに、だんだん取り込まれる側になってるのも良い。
あと、幼少期イザボーやジャンヌの役の方も、はっきりとした顔立ちで可愛らしくて小柄で、一発で印象に残りました。美人さん。

≪2週目≫
部分的に再生しているうちになんとなーく登場人物の判別がつくようになり、全体をもう一度再生。オルレアン公に注目しつつみるうちに、全体の流れとかキャラクターとかが分かるように。
ブルゴーニュ公のジャンはやっぱり真面目で、でも権力志向が高めで、フィリップのほうは典型的な貴族感を出しているのに、どことなく苦労人なところが出てて、推しにはならないけれどほほえましく見ていられた。
私の好きな人物はいつも最後まで生きられないんだ……。

≪3週目以降≫
ストーリーというよりは、曲ごとに好きな登場人物が何しているかみていく感じで何週か。気に入ってしまったので、DVDを即購入。発売まで二週間?とかだったので、もうわくわくが止まりませんでした。

でも、配信とDVDで微妙にちょっとした言葉が変わってたり、アングルが変わってたりして、私の好きな場面が映っていなかったりしていたのがとても残念でした。

以下は、自分用のメモもかねて好きな場面と曲の紹介。(思いた順に記載)

【イザボーの侍女の結婚式】
陽気な曲に、ブルゴーニュ公の真面目がゆえにちょっとぎこちない感じのダンスがギャップで可愛かったです。あとバンドの方もステージに出てきて演奏してきているのが良き。DVDではちょっとノリが良くなっていました。

【イザボーとオルレアン公が手を組む】
イザボーの態度が、軽薄な態度のオルレアン公に刺さって、これなら手を組んだら面白そうだと感じたのだと思われるシーン。これまでか弱き女性だったイザボーの第一歩が気に入りました。

【イザボーが王位を手に入れるシーン】
オルレアン公が王命を読み上げた後からの、イザボー登場がたまらない。そこからの、動揺する議員たちを前に、堂々とした立ち居振る舞い。DVDだとちょっとわかりにくいですが、最後の暗転前にオルレアン公がイザボーに対して、「では」って感じに声をかけて下がっていくのが個人的に一番好きなシーンでした。

【ヨランドとシャルル七世の掛け合い】
曲と曲の合間、もしくは場面転換の前後に二人が会話する様子が面白くて。
「あなたはいま門外漢」とか「つまらない男ではないでしょう?」とかのテンポが良すぎて笑っちゃいました。観客側とガイド役との組み合わせがばっちりでした。那須凜さん素敵。

【党派の鞍替え】
敵対していたところから、すっとジャンを説得して鞍替えする流れがダンスも良かったし、まっとうな感性を持っているジャンがまともなことを言っているのに、イザボーのほうが理論的に正しいことを言っていると錯覚するような振る舞いが面白かった。口ではそういいつつ、イザボーの魅力にひかれていたんだろうなぁと。

【ダンス】
・最悪の王妃…全員集合したあとのコーラスっぽいところのオルレアン公が、真面目な顔しているのがGood
・民衆が情勢を歌う…何曲かあって、どれも好き。歌詞に合わせて主要人物がお酒飲んだりパーティーしていたりしていて、次はどこにでてくるのかと楽しんでみていられた(歌詞は悲惨だけれど)
・ブルゴーニュ公親子…「あなたが王になるべきなんだ!」と過激な発言を繰り返すジャンをたしなめるフィリップという構図が良い。フィリップのことを本当に尊敬しているんだなぁと思う。
・生存戦略…オルレアン公がイザボーにぐいっ、ぽいっってされているのが、立場逆転している感じが出ていてクスリ。徐々にオルレアン公は闇落ちしていっていて、せつない気持ちになることもしばしば。
・オルレアン公がジャンをあおった瞬間、あ、やばい。なんということを……みたいな表情を浮かべたフィリップが好き。苦労してるなぁと。そのあとの歌で指を立ててあおり散らかしているオルレアン公。怒っていたんだろうなと思う。前の曲から続いて自分のふがいなさとかに。
・一幕終わり…イザボーが困難を乗り越えて王妃として君臨する様子が強い意志で生き抜いてきた女性という感じがあって、よかった。
・シャルル六世とオルレアン公の早駆け…いちゃいちゃしてー。って感じでこの後に訪れる闇深さを思うと、ここで明るい雰囲気にもっていくのはずるいと思う。
・鞍替えのダンスは、イザボーと関係を持った男たちが順番に出てきてダンスの相手を務めるのですが、イザボーのうっとりとした表情と、人物によってイザボーの扱いや、態度が違っていて、オールスター集合って感じで最高でした。色っぽいし、かわいいし、イザボーを取り合っている感じが夢がある。
・鳥かごの鳥…イザボーとシャルル六世の周囲で、男性と女性が同じように女性を虐げているところが胸が痛かった…。

絶対に全部は書ききれていない自信はあるけれど、ほかにも素敵なシーンが盛りだくさんの良い内容でした。曲も素敵!DVD購入しましたが、音源だけも欲しいくらい。どの役者さんもぴったりだし、振り一つ一つがどれも考えられてて、生で見たい作品でした。
あと、舞台を手で動かしていたスタッフさん、装置が自由自在に回っていたのが、後から人力だと知って驚きました(よく見ると映ってる)。お疲れさまです!

乱文過ぎたので気が向いたら、ちゃんと書き直そうと思います。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。

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