日本が金利が上がると困るワケ
<国債リスクは日本経済のリスク>
日銀が無制限に国債を買い入れることを決めました。
私たちにはあまり関係ないことのように思えるかもしれませんが、
これは日本経済や私たちの生活に暗雲が広がっていることを表しています。
米国が利上げを発表することで、日本の超低金利は魅力がなくなりました。
持っている国債などは売られてしまうわけですが、これにより国債の価値は下がってしまいます。
困るのは国債の暴落を懸念して、リスク回避のために国債の売却が連鎖してしまい、
さらに国債の価格が下がっていくことです。
国債の価格と長期金利は逆の動きをしますから、長期金利が急上昇していきます。
国債が暴落すると買い手はなくなってしまいますし、
国債を大量に発行している日本は国債の利払いだけでも大変ですから金利上昇は困ります。
(しかも新型コロナで国債発行は大幅に増えました。)
そこで、日銀が国債の無制限買い入れを決めて、金利上昇を抑えることを決めたわけです。
国債の価値を保つためには日銀の大量買い入れに頼らないといけない状況まで来ているわけです。
ですが、これにより日米の金利差はさらに広がりますから、円安がさらに進むことが予想されます。
また、日銀が買い入れをどこまで続けるかもわかりません。
(日銀の黒田総裁の任期は2023年4月です。)
今後も円安により物価は上昇しますし、
長期金利の上昇で、企業や家庭はローンの借り入れが厳しくなってきます。
企業は賃金など上げる余裕はなくなり、インフレで家計は厳しくなります。