「谷桃子バレエ団」のYouTubeで描かれているトライアンドエラーの方策が小劇場の制作的にもすごく参考になる〜バレエは好きだけど「選ばなかった」団体の公演を見に行くまで
バヤデールのキャスト発表になるまでに放置していた下書きを公開するよ!!!
6月、YouTubeで話題の谷桃子バレエ団のガラ公演を観に行って、バレエ団YouTubeでの取組は本当に示唆に満ちているなと!参考になるところ多し。バレエは見るけど谷は初。
前提
そもそも私、子どもの頃からバレエは観にいってる族。地元神戸のバレエ団も妹の発表会がらみも観にいっているし上京してからは新国立や松山、東バなど観にいっているし、海外旅行でも現地でパリオペでノイマイヤーの新作初演観に行くぐらいにはバレエ好きではある。
だがしかし今まで谷に関しては観に行ったことがない。名前は知っていたけど選択肢になかった。
逆になんで他のバレエ団は観に行ってたのかと考えた時に、
という、何かしらのフックがあったという風になる。谷についてももちろん名前は知っているが正直なところ決め手にかける故に見に行かなかった、というのが現実。
ここでやはり「値段」※学生に向けたダイナミックプライシングや知り合いがでてるないしは気になる出演者がいるというところが来場する第一条件になるなと今更ながら思うところ。
バレエは好きでもじゃあ全公演観に行く?というのではないのって、「野球は好きだけど軸になるのは阪神戦なので違うリーグは情報はチェックするけどまあ交流戦とクライマックスシリーズでどことあたるかとかしかチェックしないし海外までは別に」という感じかな?と私は解釈している。
となると、「野球の試合をなんかやってること自体は把握してるけど」「野球??」みたいな人たちを呼び込むどころか興味持ってもらうのって野球をバレエに置き換えると相当難しいわけですわ。実際プロスポーツ自体も集客施作は相当各カテゴリ工夫を凝らしてるのは有名なところ。カープ女子みたいに「男性ファンだけじゃなくて女性ファンも行きやすい環境づくり」やバスケットボールのBリーグのイベント巻き込み形など結構色々ある。
📱YouTube 去年の6月から観ていまして
正直!ああいうサムネは「え!?」とおもって最初は避けてた。1番最初に目立って私の目に入ってきたのは森岡恋さんのこれ。たぶん話の内容よりも部屋のすっからかんぶりと相まってバズったんだろうな、とは思うんだけど
まあ正味、似たようなジャンルの人たちだったら「知ってた」よね。
バイトしないと成立しないとか、ノルマあるとか、海外でも実際はこう言う条件であるとか。海外だったら〜と言うけれど、日本みたいに「美少女コンテストでタレント入り!」とかではなくて、海外の劇場付属の劇団やバレエ団は「専門の学校で学んできたことがわかる人」じゃないと基本採用しないし「演劇やバレエを専攻できる学校・大学が公立私立ともにある」という前提が違いすぎるんだな〜私は舞台美術の人間だけど2000年代に授業で「日本には表現・舞台芸術について学べる国立の大学がない。強いて言うなら藝大のオペラだけど」と言われてたし。まーそーですね、私も受験生の頃に志望校探しててドンピシャなのは私立だけでしたしね。
話を戻して、まあいわゆる「界隈の人たちは知ってるしそれを普通としてこれまでやってきてるし、まあアカンな?と思って善処しようとしてないわけではないんだけどまだまだ過渡期なんですよね」と主張してるけどそれを白日の元に晒されましたらバズるよねーそらそーだー。
いやでも谷のシステム、団費に対してディレクターさんはなんで取るの?みたいな体で言ってるけど、動画でも高部先生がお話しされてたけど「いやそれ取らないならバレエ団をタレント事務所的に有料紹介業にして、個人の外仕事は全部マネジメント料取ってガッチガチに縛らんと成り立たんわ。」ってなるけどね。旧ジャニーズがセクハラパワハラで燃えた時に、「タレントの取り分が25%とかひどい!」と言ってた人たちもいたけど「いやジャニーズを擁護するわけではないがタレントをこの値段でCM出せるようになるまでにかかってる育成費用!!普段の公演の実施のための費用!デビューしてない子達にもギャラ出てるから!!仮に法人としてガバナンスは最悪であろうと、販管費って必要ですから!!」「サラリーマンだと会社としての売り上げは1人あたり給与の3倍必要って聞いたことあるぞ!」って話になるんですわ。けどそういうガチガチなシステムだと成り立たないだろうからこそ今のところに落ち着いてるんだろうし、いやーシンプルに稼働形態に上手くハマるギャラ体制って難しすぎる。
まあそんなこんなで日本の舞台芸術業界はそもそも国が育成の土台を民間に依存してるし受け皿としての組織も少ないし。それだけで食べていけるのは宝塚か劇団四季って聞いたこともある。ていうか、団費取るけどノルマはなくて各公演の生活できる程度の出演ギャラは出ているんだったら「団費とるスタッフワークあるノルマはあるし買取あり、バイトしないと生活できないほどの些少なギャラしかもらえない」「バイトもできないぐらい劇団のスタッフワークさせまくり時間的に拘束してギャラは雀の涙で裁判沙汰」みたいな演劇界隈の方がよっぽどやばいと思う。ヤバさ勝負なんかしてもしゃーないが。
・・・・とまあここまで書いていて気がついたら放置すること4ヶ月w
10月24日アップの動画で「年間スポンサー」がついたとのお知らせがあり。
これ単純にすごいな、っていうのと。1年半の積み重ねが一つ結実してるな、という話だなとみていて思った。こう言うの、「助成金欲しい!」「協賛欲しい!!」「スポンサー欲しい!!」って言ってるけど公演の直前しか稼働していない小劇場の劇団やプロデュース団体は本当に参考にするべきだと思う。
なぜ年間スポンサーが取れたか、よく舞台の相談で公演のチケットが売れない、どうすればいいと思いますか?とよく聞かれるんだけど答えはすごく載ってると思うこのYouTube。
①「もともと年間で稼働していたけれど、それをYouTubeという媒体で目に見えてわかる形で出し続けた」
公演直前に「コメントムービー」だけ掲載、それで年に1回とか2回しか公演がないパターンだと単純に埋没しますよね。
プロが入ってるから質の高いちゃんとした見やすい動画というのもあるけれどこれに関しては物量の勝利な気がする。
実際、リニューアル前より更新頻度めちゃ上がってるし。過去動画「思いのほか少ないな!?!?」って思ったもん。別に毎日上げろ、と言うのはYouTubeのセオリーではなくても、定期的にちゃんと継続したってことが重要。継続しつつの公演の宣伝、がミソかと。
②団員という固定メンバーがいた
なので結構「固定メンバーのいる劇団」スタイルの団体だと参考にしやすいのでは?と思ってる。成長日記の定点観察やらベテランから若手まで違った属性のメンバーが揃ってるから単純にネタが尽きにくい。
「劇団員不在、プロデュース団体が実質のチームで、客演キャストの手売りに100%依存しているようでは『劇団』の集客ではなくて『推し』に対しての『ファン』が来ているだけであって『劇団』の知名度アップやチームとしての集客として続かないですよね?」というのは常々思っていて。プロデュース団体だったらまた別の戦い方はあると思うけれど。
③結局プロが真剣にやってる本家本丸の姿が一番効果ある
そこの継続しやすい要因に加えて、ノンフィクション・本気の全部晒している姿が刺さりまくりでしょ。確かに炎上と見えるような話題にはなったけど、結局は満席の上演につながっているわけで・・・。
それこそ高部先生が最初期に「綺麗に見せたい」って話していたのって演劇でも同じで「稽古場見学とか稽古場動画とか上げません?」って言ったら「途中過程なんか見せたくない!!」とPに蹴られたこともあった(遠い目)
でもその上澄みだけをいい感じにしてるだけじゃ集客が身内だけになって頭打ちになってるじゃん!!!今来ない人に来て欲しいんだったら「今来てない人が興味を持つような情報を提示する」でしか人の気持ちは動かないよー!!!!と思ってる。
よく携帯とかにも営業電話やら営業メールかかってくるけど、ああいうのって「私が私が」で「あなたが提案しているその内容、別にこっちが受ける必要性なくないですか??私になんのメリットがあります?」という内容ばかり。
動画からスポンサーなどに入ってきているってことは継続した「組織としての人となり」のようなものを見ているからこそ、メリットとか関係なく「支援したいな」と思ってもらえるんだなと思った。
毎度毎度私も制作としてどうやればいいかな、と頭は抱えているけれど、まあとりあえず言えることは「一撃必殺技はありません!!!継続あるのみ!」 以上!
私に課金していただいたぶんは私が別のエンターテイメントに課金してそれをまたネタにしますので華麗なるマネーロンダリングとなります。