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演劇制作とわたし #1『制作になったのはなりゆきです』
『なんで制作になったんですか?』
大体どの現場に行っても聞かれます。最初の面接とかでも聞かれます。正直なところ
『なりゆきです』
以上の回答はないのですが、身も蓋もない回答をしすぎることで関東人にはドン引きされることに定評のある私(関西出身)ですので、経緯はきちんとお話しいたします。
『役者経験は?』『ありません』
『役者になろうとは?』『思いません』
厳密に言うと、役者経験は中学校の時に部活で英語劇をやっていたのでないわけではないですし、演劇の役者はやってみたいなと思ったことがないわけではないですが、それ以上に裏方がやりたかっただけです。
中学生や小学生の学芸会や文化祭の公演レベルだと、まあわたしが通っていたのは私立の中高一貫の女子校だったためそりゃあまあ自己顕示欲の強いお嬢様がたばかりです。ええ、自分がいかにいい役を取るか、ぶっちゃけオーディションなんて人気投票、という環境。そんな中ですから舞台美術なんてないし、小道具大道具なんてないし、衣装だってコンセプトもへったくれもないのでそれがなぜかわたしにとっては子供ながらになんか異様にストレス溜まってたんですよ。理由不明ですけど。
ていうか、演劇を部活でやるところは演劇のいろははきちんと教えるべきだと思うの。顧問の先生向けセミナーとか需要あるんじゃないのこれ(脱線)
で、そんなイライラを抱えつつ高校生になり、演劇もやめもっぱら観る専門になってた高校時代、劇団四季のミュージカルを見て『これや!』と確信。
『劇団四季に入社して舞台部で働く!』
というえらく高校生にしては具体的な目標ができてしまったため、「劇団四季の採用情報ページを見る」→「採用大学を確認」→「そこから舞台美術を勉強できる大学を探す」→「武蔵野美術大学の空間演出デザイン学科、よしきたドンピシャ!」と進路が確定したのです。
そう、私は今でこそ制作ですが、もともと舞台美術の人間なのです。
なぜ舞台美術から制作になったかは次回。
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