今日の朝焼けは、別にきれいでも何でもないけど

バイト帰り、朝方、始発の電車。なんだか皆、今から帰るみたいな雰囲気。そうか、今日は日曜日だ。改札を出て、エスカレーターに乗る。最低限の照明、私以外誰もいない空間。エスカレーターが動き出す音がこだまする。なんだか、壁に吸い込まれてしまいそう。

外はもう明るい。白い空がほんのり橙に染まる。空に浮かんだ半月は、まだ光を帯びてる。今日は寒いなぁ。コートの襟をできる限り寄せて、肩を縮めて歩く。なんだか空気が澄んでいる。そういえば昨日も、夜景が綺麗だった。

まだ5分も経ってないのに、月は高く、空の色を透かす。空も雲も朝焼けも、境界があやふやな空。決して綺麗な部類ではないけど、淡い色が混ざりあって、なんだかミルクティーが飲みたい気分。

色褪せた建物も、今朝の空にはとっても似合う。燦々と晴れた日には、琴線に触れもしなかったのに。

こんなことを考えながら歩いたことも、日常の忙しさにかまけてきっと忘れてしまうんだろうな。そんなことを思いながら坂道を登る。

とかなんとか言いながら、忘れないように書き留めて、あたたかいミルクティーを啜る。