アウトリーチ活動
先日、初めてのアウトリーチ活動を行いました。
昨年の5月にオーディションが始まり、研修を経て実際に小学校で実践しました。
本番が苦手なピアニストが、音楽を伝えていくことに向き合った約1年間の振り返りをしてみたいと思います。
アウトリーチとは
中学生の頃に体育館で聴いたピアニスト。
今のようにストリートピアノの流行りもなかったので、音楽家はもっと遠い存在だったと思います。
現在は、コンサートホールでの演奏だけでなく、SNSで自ら発信していく音楽家も珍しくありません。
そこで音楽家から自ら出向くアウトリーチ活動も増えているようです。
私は普段、ピアノ講師として子供から大人まで年齢問わずピアノの魅力を伝えています。
近年、小学校では音楽専任の先生が授業をする流れになりつつも、義務教育過程では授業数の縮小も見られます。
それに拍車をかけたのはコロナ。
小学校の音楽会がきっかけの1つになった私は、音楽の授業が縮小されるのは心痛いのです。
そんな想いを持つようになった時に、佐世保市にあるアルカスSASEBOがアウトリーチを行うアーティストを募集していることを知りました。
教員免許を持つ私は「もう一度子供達の前に立てる!」と迷わず応募。
無事に合格となり3期生(研修生)になりました。
一番向き合う相手は“自分”だった
教員免許を取得してること、ピアノ講師として働いていること…
どうしても“伝える”のではなく、“教える”音楽になっていました。
また、学生時代はコンクールや試験のために演奏することが多かったのでレパートリーの少なさも痛感。
子供たちに音楽を伝えたい想いがありながらも、本番に対する苦手意識、自信のなさ、なぜ音楽を続けて来たのか…マインドマップで今までのことを書き出してみました。
クラシック音楽は昔から世界中の人が同じ曲を演奏しています。
そこで、気付いたのは“私”というフィルターを通してしか伝えられない音楽があるということ。
そう思うと本番が苦手な自分も愛せるようになりました。
苦手と思いながらも現在も人前に立つことを続けている、音楽が好きだとブランクを経て気付いたこと…
私より上手な演奏家はゴロゴロいるけど、想いは私だけのもの。
そして研修で学んだ、本当に楽しいと思って演奏をする、無理しないこと。
プログラム作りに行き詰まっていた私は“楽しいと思って演奏できるか”という基準で選曲するとスムーズにプログラムを組み立てられました。
(通常の演奏会プログラムは曲調や時代の流れなど色々と考えます)
「え〜こんなワガママで大丈夫!?」と思いながらプログラム案を提出すると、意外にもスッと実践まで進みました。
いざ実践
様々な葛藤や不安がありながらも、研修最後に行った小学校でのアウトリーチ。最後の研修期間は3日間詰めて取り組んでいた為、段取りの変更を頭に詰め込むことで必死でした。
アルカスSASEBOのアウトリーチ事業では小学校4年生を対象に音楽室で行います。
いざ、子供達の前に出ると緊張もありましたが、楽しい方が優っていました。
普段の演奏会だと無言の状態が続きますが、子供たちは素直な言動が見られました。演奏会より別の集中力が求められると学びました。
自分の演奏に悔しさがあったり、段取りすっ飛ばしたり、あの時こうすれば…という反省は多々ありますが、デビューとしては楽しく終了できました。
プログラムの最後に話したことがあります。
それは「1つのことを続ける難しさ」
研修とデビューを終えて
アウトリーチ活動は来年度より本格的にスタートします。
一旦、区切りはありますが、これからが本番。今回のデビューを振り返って、まだまだ改善して成長していきたいです。
音楽を届けたい想いで挑戦したアウトリーチ。
気付けば私自身と向き合うための活動になっていました。
どんな演奏家、人でありたいか今後も自分らしく追求していきたいです。
長崎で音楽を学ぶ環境について危機感を持っています。
大きな目標は一旦置き…
大好きな音楽を続けるためにも、少しでも音楽っていいな〜と思ってもらえると嬉しいです。
これからも地元へ音楽を伝えていきます♪
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