宮村山業(株)×6年生総合「トントン山再生プロジェクト⑥」×SDGs教育|出前授業
1. 60年前に植えられた木の行方…
トントン山再生プロジェクト第6弾です🐼!
今回も小笹小学校の総合学習をレポートしていきます!
トントン山の再生にあたり、私はある人物に相談したいことがありました。それはこのスポットティーチャー事業では何度もお世話になっている宮村山業株式会社の宮村啓社長です。
☟過去授業レポートはこちら☟
宮村さんはもともと林業の会社を経営されていて、その本業の木を伐採する作業の中で起こる廃材に心を痛めておられました。そこでBaumkuchen(バームクーヘン)というブランドを立ち上げられ、廃材から作った木の商品を販売されています。環境にも優しくとってもオシャレなブランドですよ🤩
小笹小学校のシンボルであるトントン山
このトントン山がもともと60年ほど前の地域の方々の手によって作られた山であることを考えた時に…
木をきれいさっぱり伐採して再生させることは果たして正解なのか…?
できることなら地域の方の思いを残すことはできないものか…?
そう考えていた時に小笹小学校の担任の先生方から、返礼品を考えていた時に子どもたちから切った木で返礼品を作れないか?という意見が出ていると相談を受けます。
「こっ、これは?!木の新たな活用ができるかもしれない🤩!!」
ということで宮村さんに小笹小学校の取り組みのお話をさせてもらいました。するとこちらも大変快く
「とってもいい取り組みですね。協力できるところはさせてください!」
とのありがた~~~いお返事が!!
そうなったら話は早いです!
早速小笹小学校に足を運んでもらい(熊本からです)木の状態を見ていただきました。わざわざ来られたのも宮村さん曰く、木の状態が弱りすぎていたり、木の種類によっては商品がつくれなかったりする場合があるので実際に現場を見ますよとのことでした。本当にありがたいです🙏✨
本業の宮村さんから見てもトントン山の状態は非常に危険な状態らしく、土が流れて根っこがむき出しになっている木や今にも倒れそうになっている木が何本もあって再生は必ず必要であるとのことでした。ただ全ての木を切る必要はなく、残せそうな木もあることや切った木でも返礼品として蘇りそうな木も何本もあると教えてくれました。
この日はたっぷり木の状態を見ていただいたり、この中から返礼品にできそうな木もあると教えていただいたりしました。
そこで改めて実感したのは宮村さんの木に対する知識量や、廃材にまで思いを寄せてあるお気持ちが本物だということです。そこで是非とも子どもたちにも授業をしてほしいということでSPOTTEACHERとして授業をしていただくことも決まりました✨
ということで今回は林業業界に携わっておられるプロの宮村さんより、林業の話&切った木を再生させるお話をしていただくべくお呼びしました👏✨
どのような授業をしていただいたのか今から紹介していきますので最後までお読みくださいね~♪
2. 林業家としての仕事と使命感
5月のある日、福岡市中央区小笹小学校にお邪魔させていただきました。
まずは宮村さんの自己紹介から始まり、その後は普段されている林業のお仕事について話をしてもらいました。5年生の社会科で林業を習っている子どもたちにとっては林業家に出会うのは大変貴重なことです。
「ぼくは普段林業というお仕事をしていて、山の中にこもっては木を切っています。チェンソーを持って木を切ったり、機械を使って木を運ぶ準備をし、その木を売ったり木を育てたりしています。みんなが使っている机やイス、床なども木でできていますよね。」
“チェンソー”という言葉で子どもたちが過剰に反応するのはいつものことで(笑)その後は貴重な木を切る動画を解説付きで見せてくださいました!
阿蘇のきれいな景色とともに林業家の方が伐採される様子がほんとにかっこいいです🤩!!
☟ 実際の動画 ☟
そしてこの映像の後、実はこの数日前にトントン山を見せてもらったんだということを子どもたちに紹介された後、どうして再生する必要があるのかを教えてくれました。
「トントン山の今の状態は大雨や台風などの影響で土がどんどん流されていました。木の根っこを土が支えているはずなんだけど、その土がなく根っこが剥き出しになっています。このままでは今後も強い雨や台風などで木がどんどん倒れる可能性が高く、大変危険です」
そして続けてみんなの大切なトントン山をこれからも長い間守っていくために危険な木は切っていく必要があるけれど、例えば切った木は別の形で再生できる方法があると教えてくれました。
3. トントン山の木を活用しよう
トントン山はやっぱり再生していく必要があることを子どもたちも十分に理解した後で、今度は宮村さんが林業の傍ら活動されているBaumkuchen(バームクーヘン)の紹介があり、今までの作品の数々を見せてくださいました。
「木ってくさらないんですか?」
とその後、子どもたちから素朴な疑問がでました。
「そうなんです。切った木はそのままだと商品にはできず乾燥して腐らない、割れないようにしないといけません。本来であればその乾燥には2年かかります。」
2年と聞いて驚く子どもたち。
「ただ、特別な機械を使えばたった4~5日間で乾燥することができます。だからぼくたちはこの機械を使って切った木を乾燥させ、新たな商品として活用します。」
子どもたちからも、すごーーーい!と感動の声が出ていました。
その後はここではあえて書きませんが、みんなが返礼品として作れそうなもので考えていたものの発表がありました。
そしてその後、
高度な技がいらずみんなが作れるもの
時間がかかりすぎると間に合わないので時間がかからないもの
大きすぎず、そして日常的に使えるもの
などの視点で考えるとよいとプロの目から教えていただきました✨
そして最後に、日本は国土面積に占める森林の割合が高く、そのことが今後どう影響していくかの話をトントン山とからめて絵をかきながら教えてくれました。
「今現在、日本の森林は大変多いのにも関わらず、林業の仕事は後継者不足もあり山の整備が進んでいないところも多くあります。だけど森林をそのままにしておくと、木はどんどん大きくなり続け、太陽が土にあたらず土が栄養を失い、大雨が降って流れてしまう。おそらく日本の森と同じようなことがトントン山にも起きています。」
「本来の元気な山に戻すために切るべき部分は切って、残せる部分は残して、光がちゃんと土にあたる状態にもっていかないといけない。そうやって山・川・海はずっと続いている。なので未来のことも考えながら今回のトントン山の再生にも向き合ってほしいです。」
真剣に宮村さんの話に聞き入る子どもたち。
今回の授業を受けてまた子どもたちは更に考え、返礼品を送る相手のことを考えながら計画を立てていくことでしょう。
4. 木は生きている
今回の授業の途中で、宮村さんはある物を見せてくださいました。
木でできたキーホルダーでした。そのキーホルダーについて
「これはぼくがずっと使っているキーホルダーです。何年も使っているんだけど買った時とすこし色が変化したりしています。木は生きているんだよね。木は人の体温や空気に触れて使っていくたびに変化していきます。そんなところも楽しんで使ってもらえたらなと思います。」
私も木でできた商品は温もりがあってとても好きなので、自分が持っている製品たちも大事に使っていきたいなと思いました。子どもたちにもきっと響いていたと思います。
大変貴重な授業をしてくださった宮村さん本当にありがとうございました!
今回授業を受けた子どもたちや先生の感想を少しですが紹介させていただきたいと思います。
5. これからのこと
宮村さんに授業をしていただくのは実はもう4回目なんですね。
私は初めてお会いした時、林業家でありながら自分でブランドショップ(しかも廃材を使った商品を扱うまさにSDGsなショップ)を作られている実業家ですごい方だなと思っていました。
今回の小笹小学校の伴走支援の相談を学校よりいただいた時にどこかで宮村さんを紹介できないかと思っていましたが、1番良い形でのご紹介となったのではないかと思います。
そしてまた、今までにも何回もお伝えしていますが宮村山業(株)は熊本の会社さんなので、普段は熊本にいらっしゃいます。福岡も仕事でよく来られるので熊本&福岡で授業が可能とのことです✨
宮村さんによる授業を希望される方は下記ホームページよりお問い合わせください。
☟ スポットティーチャーHPはこちら ☟
※宮村山業(株)宮村さんへの直接の連絡はご遠慮ください。
またこのプロジェクトは今後も追っていきますので、引き続きご覧になってくださいね🐼!
最後までお読みいただきありがとうございました~!!