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イシダファーム×6年生総合×キャリア教育×ゆめナビ授業|出前授業
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1. 学校にキッチンカー?!キャリア教育からの食育体験!🍦✨
このたび、スポットティーチャーは福岡市教育委員会より最優秀事業者に選定され、アントレプレナーシップ教育「ゆめナビ授業」に携わることになりました👏 記念すべき第1回目の授業をご紹介します!
急激に変化する社会で柔軟に対応する力と体力を育むため、子どもたちのチャレンジマインドを養い、質の高いキャリア教育を目指します。起業家や著名人が小学校に訪問し、講話や体験活動を通じて、児童が夢や希望をもつことを支援します。
3学期にかけて抽選で選ばれた10校にキャリア教育をお届けします!
(すべての学校に携わりたかった…!ご応募いただいた皆様、ありがとうございました!)
今回は先生方から授業スタイルやゲスト希望をヒアリングし、オーダーメイド型で実施しました。
さて、記念すべき第1回目の授業!先生方からの希望は…✨
1. キャリア教育の中盤での訪問
2. わかりやすく、でも調べても出てこない職業の方
3. 数名の起業家が来ることを希望(※本来は1人です。)
結果、2人の「アイスクリーム屋さん」を招待!
しかし、お二人の道のりや考え方は全く異なります。授業後には、子どもたちは「ただのアイスクリーム屋さん」ではなく、それぞれの起業家の個性と生き方に触れ、大きな刺激を受けていました。
__今回は、南区にある横手小学校に伺いました__
本日は通常の授業よりは早めに集合。なぜならば準備があったからです!
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今回授業をしていただいたのはこのお2人です。
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(※2人で映っている写真)
子どもたちにちょっと怖そうに見えたお兄さんたちも、授業後には笑顔の輪が広がる楽しい時間に!本来学校にはないキッチンカーが登場し、授業の後半ではサプライズも…!🤩
講話を2クラスそれぞれ30分交代で行います。
それではこちらのnoteではイシダファームの石田大輔さんによる授業の様子をレポートします。お楽しみに~😊
☟株式会社麹王子の阪田さんの授業はこちら☟
2. 勉強も運動も苦手だった自分が見つけた好きなものたち
授業は、石田大輔さんの自己紹介から始まりました。
「ぼくは直方市というところでいちご農家をしています。いちごやさんと、いちごを使ったソフトクリームを販売しているイシダファームの石田と言います。どうぞよろしくお願いします。」と、柔らかい口調で話し始めた石田さん。
石田さんの本職は農家だという発表に、子どもたちは「へえ~!」と驚きました。
「ぼくの家は元々いちご農家で、家にはいつも食卓にいちごが並んでいました」子どもたちからは「いいな~!」と声が上がりますが、石田さん自身は「贅沢だけど、当時はあまり食べたくなかった」と話しました。
「小さい頃はおとなしく、勉強も運動もできなくて、マンガやゲームが大好きでした」と続けます。マンガやゲームの話題に、子どもたちは大興奮。「知ってる!知ってる!」と、楽しそうに反応していました。
中学では野球部に所属していたものの、ずっと補欠で、勝てるとわかった試合にだけ出場できたと言います。その時、たまたまうまくボールを取ることができ、お客さんが喜んだ経験が後の自分の原体験に繋がったとのこと。
勉強もできなかった石田さんは、高校に行けないかもしれないと言われ、猛勉強して希望の高校に合格しました。しかし、合格後に衝撃の言葉が。
「高校に入ることが目的だったので、2週間で辞めてしまいました。燃え尽きてしまったんです」と告白。子どもたちは大変驚いていました!
高校を辞めた石田さんは、アルバイトを始め、当時同級生よりもお金を持っていたため、そのお金を音楽と洋服にだけたくさん使ったそうです。
「CDと洋服が好きで、今でも大好きです」と話す石田さん。
その後、音楽好きが高じて、自分が応援していたバンドに声をかけたところ、「ツアーに一緒に回らないか」と誘われ、運転手をすることに。これが今の仕事に繋がるきっかけとなります。
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その後、そのバンドが解散してしまい福岡に戻ることになりました。福岡に戻り、何をするか考えた石田さん。本来なら農業を継ぐことが予想されましたが、「農業だけはやりたくなかった」と語ります。
でも、何をやりたいか考えた結果、「社長の椅子に座りたい!社長になりたい!」という結論に至ったそうで、社長になりたければ実家の農業を継ぐことが近道だと感じ、農業を始めることに決めました。
子どもたちは「社長の椅子?そこ笑?」と反応し、石田さんが農業に辿り着いた経緯を面白く聞いていました。
3. 好きだったものたちがどんどん仕事につながっていった
次に、写真を見ながら農業のお仕事の話が始まりました。
「これはビニルハウスと言います。いちごの収穫時期は春から夏なんだけど、これがあることで冬もできます。」
その後も真夏の作業の暑さや、ぬかをまいて栄養を畑に混ぜて美味しいいちごを作っていること、苗から植えていることなどを教えてくれました。
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また、農家さんならではの大雨や台風による被害の話、病気や虫にやられてしまうこと、そしてねずみがいちごの種だけ食べてしまう話など、教科書だけではわからない農家さんから直接聞くことによってはじめて知る話もたくさん出てきました。
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そうやって天気や虫の被害なども含めて「収穫したいちごが売れない時、どうするか?」と考えた石田さんはソフトクリームを作ることを思いつきます。そして当時、配達用に買った車を大好きな洋服屋さんにデザインをお願いして改造してもらったことをきかっけに「キッチンカーで運ぶいちごのソフトクリーム屋さん」として活動を始めました。これは、好きな洋服が農業に繋がる瞬間だったそうです。
さらに、石田さんはいちごを入れる箱にもこだわりました。同じいちごでも、少しだけかっこいいパッケージにすることで、顧客に喜んでもらえると考えたからです。この考えは、かつて野球で失敗しながらも「かっこよくボールをつかんだ時」に喜んでくれたお客さんのエピソードに影響されたと語っていました。
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そして、今年はこのキッチンカーで大阪、名古屋、長崎に行き、次は東京にもツアーで行く予定だと言っていました。その時、「これ、何かに繋がってるよね?」と子どもたちに問いかけると、「あっ!バンドのツアー!」と気付いていました。バンドの運転手をしていた経験があるからこそ、キッチンカーでツアーを行うアイデアが浮かんだそうです。
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「みんなもさ、好きなものがいろいろあると思うけど、例えば家に帰ったらYouTubeやTikTokを観るよね?観るのは全然いいんだけど、ただ黙って見るだけじゃなくて、どんなユーチューバーが好きで、どんな企画が好きなのか覚えておくと、後で困った時に役立つんだよ。人が助けてくれるんじゃなくて、昔の自分が今の自分を助けてくれるんだ。」と、教えてくれました。
「それに普通は、いちご農家をしていたらキッチンカーはやらないよね。でも、農業している人は農業だけ、っていう考え方をしなくていいんだよ。そうしたら1つの仕事にこだわらなくて別に何かしたいことがあったら諦めずにやった方がいいよ!絶対にそっちの方が楽しいよ!」と、仕事に対する考え方についても教えてくれました。
「カレーにたくさんの具を入れて美味しくなるみたいに、最初は好きじゃないことでも、好きなことをたくさん混ぜていったら、いつか好きになるんだ。だから心配しないで、いろいろな好きなことを見つけて、混ぜていけばいいよ!」と、次々と子どもたちに向けて、ポジティブで勇気をくれる言葉を贈ってくれました。
そして、最後に石田さんはこれからの夢を語ってくれました。
「浅草に『いちごのアイスだけのアイスクリーム屋さん』を作ろうと思ってるんだ。店名も決めていて、『Sorry Only Strawberry』だよ!」と語り、その意味を理解した子どもたちは「お~!」と驚き、感動していました。
音楽好きの石田さんがCDのオムニバスから思いついたそうです。
石田さんの物語は「好きなことを大切にし、それを人の喜びに繋げること」の大切さを教え、どんな道にも可能性があることを子どもたちに深く伝えるものとなりました。これからの夢を語りながらも、どこまでも柔軟に、そして楽しむ心を忘れない石田さんの姿は、子どもたちにとって特別な記憶となったことでしょう。
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4. 実際に子どもたちがこだわりの味を体験!
通常なら授業はここで終わりですが、今日は特別です✨
なんと、こだわり抜いて作ったアイスクリームを実際に子どもたちが試食できるのです!
ワクワクしながらピロティに集まる子どもたちは、列を作り、石田さんと阪田さんから順番にアイスクリームを受け取ります。アイスを手にした子どもたちの表情は、期待に満ち溢れていました。
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2人の起業家からの原体験に基づく深いお話、そして実際の食育体験まで、学びが詰まった2時間はあっという間に過ぎました。たくさんの準備をしてくださった石田さんと阪田さんに心から感謝いたします。本当にありがとうございました😊
今回授業を受けた子どもたちや先生の感想を紹介させていただきたいと思います。
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5. 今回のゆめナビ授業のまとめ
今回の授業では、二人の起業家にお話をしていただきました。それだけでなく、お二人が人生をかけてこだわり抜いたアイスクリームの食育体験までさせていただき、大変ありがたい機会となりました。
「きっと子どもたちが喜ぶよね!」という子どもファーストの考えで、アレルギー対応を含め、事前に提出した成分表をもとに保護者の皆様への確認を行い、理解を示してくださった担任の先生方や管理職の先生方の協力があったからこそ、今回の授業が実現しました。
こちらの想像以上に喜んでいる子どもたちの姿を見て、本当に開催できてよかったと心から思います。どうもありがとうございました✨
どこかで商品を買うのと、その商品に込められた思いを知って買うのとでは、同じ「買う」という行動でも満足度は大きく異なると感じました。
授業の後、子どもたちが「どこで買えますか?」と無邪気に聞いている様子から、これから物にあふれる時代を生きていく彼らにとって、“何を買うか”を“自分で納得して選ぶ”という消費行動が、とても大切だと改めて実感しました。
そして、そうした学びを提供するために、私はこれからも企業や団体、世の中のユニークな大人たちを子どもたちに出会わせたいと、原点に立ち返って思いました。
【学校にキッチンカーが登場?!】など、なかなか体験できない貴重な時間を、ゆめナビ授業という形で行えたことを心からうれしく思います。
今回ご協力いただいた イシダファーム、株式会社麹王子 の情報は下記に記載しておりますので、ぜひご覧ください✨
☟イシダファーム☟
イシダファーム(農家とキッチンカーの両刀使い)(@isd.farm) • Instagram写真と動画
☟株式会社麹王子☟
阪田 真臣/株式会社麹王子(@kouji_ouji) • Instagram写真と動画
また、同様の授業を希望される方は、下記ホームページからお問い合わせください。(※石田さんや阪田さんへの直接のご連絡はご遠慮ください。)
☟ スポットティーチャーHP ☟
【おまけ】
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中:担任の先生たちのにこにこ笑顔もいただきました~✨
右:こんな写真が学校の授業空間で撮れるなんて!!
ゆめナビ授業、記念すべき第1校目は横手小学校でした!
横手小学校の皆様、本当にありがとうございました~🐱