自分の愛犬(保護犬)を災害救助犬にしたい。
こんばんは、横山です。
今回は、一般的な家庭犬のしつけのお話ではなく、
エネルギーを持て余しているタイプの犬を飼ってしまった人間が
どのようにしてその犬に喜びを与えることができるのか。
奮闘記というか、試行錯誤の記録のようなものです。
私自身、ドッグトレーナーという職業を仕事にし、活動していましたが、保護犬だった今のパートナー犬を迎えてから、自分の学んできたことだけでは通用しない次元があることを知り、一時休業していました。
犬、猫、自転車、バイク、トラック、電車、子供、すれ違う人の持っている荷物まで・・・。
5歳で我が家にやってきたその犬は、あらゆる刺激に過度に反応し、突進し、吼えたてました。
横浜の市街地で暮らすには不向きな、いわゆる完全な社会化不足の犬。
それなのにエネルギーが漏れ出ているのが見ていてわかるほどの犬。
自信が全くなくなりました。
そして、目の前の自分の愛犬として迎えた犬1頭すらまともにトレーニングできない。
そんな自分が人様に指導できる立場ではない。
そう思いました。
それから3年。
未だ課題は残るものの、現在愛犬は災害救助犬の中でもやや特殊で新しい仕事である【遺体捜索犬】の訓練を開始しました。
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スミレに出会ったのは、まだ彼女が2歳の時でした。
当時まだ犬のトレーニングの勉強中だった私は、専門学校に通いながら知り合いの犬を夏の間祖母の別荘で預かって、トレーニングの練習に付き合ってもらおうと考えていました。
祖母の別荘のある長野は涼しく、周りは別荘地で人も少ない場所です。都会で暮らしにくい性格の犬(見知らぬ人や、犬、騒々しい大通りが苦手な犬)にものびのびと過ごしてもらえるだろう。
早速SNSで呼びかけました。
「夏休みの1ヶ月間、無料で預かりトレーニングを行います。
私の勉強に協力してくださる方がいらっしゃいましたら、ご連絡ください。
犬たちの滞在先は、長野県の静かな別荘地です。
真夏でも涼しく過ごしやすいと思います。」
するとその直後に、メッセージが届きました。
「ゆかりさん、スーちゃんでよかったら、連れてってみない?」
同じ学校に通う友人のレミさんからでした。
スーちゃんというのは、彼女の友人が保護した犬で、ピットブルミックスの力強い中型犬。私もレミさんを通して話は聞いていて、引っ張りが強いとか、他の犬と一緒にできないとか、いろんなものに吠えてるとかなんとか。
そして、その保護したご友人がとても一生懸命に里親探しをしていて、トレーニングなども勉強されてなんとかスーちゃんを新しい家族に渡せるような犬にしたいと取り組んでいるということも聞いていました。
難しい犬。
やってみたい。
そう思ってすぐに返信しました。
「私でよければ!」
そして、初めてスーちゃんと会うことになりました。
まずはお預かり前に、どんな犬か確認してほしいとのこと。
私がマッチョなタイプではないので力の強いスーちゃんを預けていいか心配したご友人が面会のためにわざわざ車でスーちゃんを連れてきてくれました。