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「バスで南寧からハノイへ。リリーと出合う」青年海外協力隊になる前、2か月間1人旅した話⑧

↓前回(ベトナム行きチケットゲット!グルメストリートをうろちょろ)

4月27日8時20分、南寧国際バスターミナル発、ベトナム・ハノイ行きのバスに乗った。

寝坊しなかった。良かった。


ちなみに、バスといっても10人くらいが乗れる小さなものだった。

シートがフカフカで、乗り心地は思ったよりも快適だった。

車窓から見える不思議な形をした石灰岩の山々(中国の桂林からベトナムのニンビンにかけては、広大な石灰質の台地が広がっている)をのんびり眺めながら国境へ向かった。

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国境に近づくほど、民家が横幅は狭く背は高い(3~4階はある)、カラフルなものに変わってきた。ベトナムでよく見る家の形だ。着実にベトナムに近づいていることを実感した。


バスは2時間くらい走ったところで、小さなバスターミナルに着いた。

前もって調べていた情報によると、ここからまた別のバスに乗り換え中国の出国検査を受ける場所に行かなくてはならないらしい。

で、その出国検査場行きのバスが見当たらないのだけど、どこにあるのだろうか・・・?


バスターミナルのカウンターの女性に、「出国検査場行きのバスはどこですか?」と英語で聞いてみる。

「*****(中国語)」

彼女は口以外の顔のパーツを一切動かさず、冷たい口調で応えた。

こ、怖い・・・。そして中国語だったから、何言ってるか全然分からない・・・。

どうしよう・・・。

何回か英語で聞いてみるも、やっぱり中国語で返されてしまったので、とりあえず周りをキョロキョロ見まわしてみる。


待合スペースのベンチに座っている、ひときわ目立つ大きなバックパックを持った女の子と目が合った。


バックパッカーで1人旅をしていて気づいたことがある。

自分と同じように1人でバックパッカーをしている人と目が合うと、たとえ初対面でも通じ合える何かがある。

「あなたも1人でバックパッカーしてるのね!私も!」みたいな謎の仲間意識が芽生える。


私と彼女もそうだった。

彼女は立ち上がり、私の方に歩いてきて「あなた、どこに行くの?」と尋ねた。

「ベトナムのハノイに行く。でも、出国検査場行きのバス乗り場が分からない」と私は答えた。

「私も今からハノイに行くところ!一緒に行こう」

「えっありがとう!!」


助かったー!!!

彼女はバスターミナルの従業員に中国語で出国検査場行きのバスがどこにあるのか聞いてまわり、無事バスに乗れて、出国検査場まで行くことができた。


ベトナムの入国手続きも済ませ、今度はベトナム国境からハノイまで行くバスにまた乗り換える。


私は彼女の隣の席に座った。

バスの中で、私は彼女とたくさん話をした。

「私はゆかり、日本人」

「私はリリー。中国人だよ」

「リリーは何歳?」

「23歳、1995年生まれ」

「えー!!私も23歳!!」


リリーと私は同じ年だった。それもあって、話が弾んだ。

しかも彼女はハノイのあと陸路でホーチミン(ベトナム南部にある都市)まで行き、それからカンボジア、タイに行くそうだ。

私が計画しているルートとほぼ同じだった。

ちなみに、彼女と撮った写真を日本にいる両親に送ったら「顔も似てる」と言われた。笑



リリーと話したり、うたた寝したりすることバスで5時間半。

辺りを見渡すと、店の看板はすべてベトナム語で書かれてあり、さっきまで見ていた中国語が一切視界に入らない。いたる所にベトナム国旗が掲げられ、密集して建つ建物はフランスの植民地時代の面影を残している。

ハノイに着いた。

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初めての陸路での国境越えはリリーのおかげもあって無事成功した。

彼女とは連絡先を交換して、またどこかで会おうと約束した。


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ゆかり🌱
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