12年間の場面緘黙症
まず場面緘黙症とは、家庭などでは話すことが出来るのに社会不安のためにある特定の場面、状況、場所(幼稚園、学校、病院など)では話すことが出来なくなる疾患。
500人に一人の割合で幼児期に発症することが多い。
原因は緊張や恐怖感、環境の変化、人間関係などのストレス、幼児期のトラウマや小児期逆境体験が原因となることもある。不安や恐怖感から自分を守るために発症することも。
認知度が低く人見知りと間違えられ放置されがち。
私は幼稚園から小学校、中学校までの12年間、先生やクラスメイトと口がきけなかった。
私の推測では、
始めてのバス通園でママも一緒に乗ると思っていたバスに一人で乗り込み、バスが発車した途端大泣きしたらしい。(ママに聞いた話によると。)
ママと離れる不安、ママに置いていかれたという恐怖、どこに連れていかれるかわからない。
おそらくそのショックで発症したのかなと思いました。
重症の子の場合、身体が上手く動かせなくなったりみんなの前で給食が食べられなかったりするそう。
そういう子に比べると私は比較的軽めの方だったと思う。
出席確認の返事や授業での音読、みんなの前で発表など必要最低限の発言は辛うじて声を出せていた。
ただその声は地声だったためとても低く、よく男みたいな声だとヒソヒソされてた。
それ以外はほとんど口を開かなかった。
本当はみんなとお喋りしたかったけど
喋れなかった。
いきなり喋ったらみんながビックリする。
引かれるのが嫌。
みんなが私に注目してくるのが怖い。
喋っているところを見られたくない。
当時はこんな気持ちでした。
喋らないのが気に入らなかったのか、都合が良かったのか理由はわからないが、いじめの対象にされ、煙たがられ、嫌われていた。
クラスメイトとペアを組む、同じグループになる、隣の席になるのが露骨に嫌そうにしている同級生を見て申し訳ない気持ちになり心が痛かった。
それでも我慢して学校に行ってたのは親に心配かけたくなかったから。弱ってるところを見られたくなくてずっと隠してた。
(結局泣き寝入りしてるのを見られてバレたけど)
ずっとこのままではいけないと思い、新しい環境でやり直すためにクラスメイトをリセットする必要があった。
なので隣町の高校に入学。(いわゆる高校デビュー)
意気込んでいたものの、他人から話しかけられてやっと返事が返せる程度にしかならなかった。
高校では号令係が嫌でも週番で回ってきた。
声が小さくて何度もやり直しをくらいみんなの前で号泣した。
あ、学校生活終わったと思った。笑
学校という環境でクラスメイトと会話をしてこなかった12年のブランクで普通の人よりもコミュニケーション能力が欠けていた。
当時はこれが障害だなんて知らなかった。
場面緘黙症を知ったきっかけは
『ザ!世界仰天ニュース』というテレビ番組で
自分と似た症状というか全く一緒でこれだ!と確信した。病院で診察や診断は受けていないが絶対これだと思った。
(「静かな少女の秘密」という題名でミス・イングランドにも輝いたカースティ・ヘィズルウッドさんの少女時代をドラマ化したもの)
高校、専門学校、そして現在の職場でも
健常者のフリをして常に周りの様子や機嫌を伺い、周りに意見を合わせ空気を読み、自分は障害者、おかしい人じゃないんだと必死に隠してきた。
バレたらまた一人ぼっち、仲間外れになるのが怖くて、普通の人・一般人・健常者を演じてきた。
現状、普通の人のようなフリをしながら社会に出て働いていることに疲れてる。一般人に混ざって一緒に仕事をするのが結構しんどい。
もういっそのこと障害者として扱ってほしい。接してほしい。障害者のレッテルがほしい。
SNSなどでADHDや境界性人格障害、鬱など、障害を堂々とオープンにしてレッテルを貼ってる人が正直羨ましく思ってた。
未だに人前で話すのが苦手なのは、普通の人とは違う自分を隠そうとすればするほど挙動不審(目が泳いだり、言葉をつっかえてしまったり)になり、それを大勢の人に見られて恥ずかしい思いをするのが嫌だから。
BLAの共有資料の中でたまたま見たグルコンアーカイブでミカさんと生徒さんのやりとりの中で思いがけない答えを得てしまった。
その生徒さんは人前で話すとき顔が赤くなってしまうのが恥ずかしくて嫌なのだと話していてそれに対してミカさんが、
「私めっちゃ顔赤くなりやすいんですけど、すみません~♡」
と先に言っちゃえば良い❗
という答えを出していました。
確かに人から指摘される前に自分から公表してしまえばなんだか不安から解き放たれるし、相手側もそれを踏まえた上で聞いてもらえて安心感に包まれるから話しやすい環境になってすごく良いなと思いました。
今までは人前で話すとき普通の人みたく喋らなきゃ!大きい声で喋らなきゃ!そして早くこの状況から逃れるために早く喋り終わらせたい!
と自分のことに必死になりすぎて周りが見えていなかった。
相手に分かりやすく自分のことを理解してもらえるように話す意識が全くなかった。
だからまず、自分で話しやすくするための土台を用意する!みんなに自分の未発達さを理解してもらってから話し始めればきっと大丈夫。怖くない。
次の自己紹介では呼んでほしいあだ名、好きなことも入れられるくらい余裕をもって話せるように頑張ろう!💪