疲れに使う漢方薬 陽虚の場合
梅雨も明けましたが気温も湿度も高く、じめじめと
うっとうしく過ごしにくい季節になっています。
そんな時期でも、手足が冷えるなど
冷えの症状に悩まされていませんか?
冷えの原因にも色々とありますが
今回は温める力が不足している
陽虚(ようきよ)と呼ばれる状態の時に使われている
代表的な漢方薬をご紹介します。
陽虚と呼ばれる状態とは?
陽虚と呼ばれる状態とは
気虚症状に冷えの症状がプラスされた状態の事を
言います。
一つ前の投稿記事の気虚の症状について
紹介しましたが、もう一度おさらいしておきます。
下記が主な気虚の症状です。
元気がない
疲れやすい
息切れ
声が小さい
頭痛
眩暈
食欲がない
食べてもすぐ胃もたれ
食後眠い
胃下垂
お腹が弱い
朝なかなか起きられないなど
これらの症状プラス下記の冷え症状が加わったものが
陽虚と呼ばれる状態と言えます。
手足が冷える
全身が寒い
クーラーに弱い
冷たいものが苦手など、
いわゆる世間で冷え性と呼ばれている
症状ですね。
気の働きの一つに体を温める作用があり
この温める機能が低下している事が陽虚の状態を
引き起こします。
陽虚の疲れに使用する代表的な漢方薬
呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
胃の冷え、食べると吐き気、つばやよだれが多い時、主に胃を温めます。
冷えていると、胃腸の消化能力も悪くなり栄養の吸収も悪くなり、元気が出ません。
スーパーの鮮魚売り場で吐き気が襲ってきた事はありませんか?元々冷え性の人はさらに冷えてこのような症状が現れたりすることもあります。この場合は寒邪(かんじゃ)と言って寒さの邪気が胃に悪さをしているのです。
邪気の話はまた別の機会にお話ししますね
小健中湯(しょうけんちゅうとう)
胃の冷えの次は、お腹の冷えです。この漢方薬はお腹を温めます。
腹痛、生理痛などにも使われます。
余談ですが、小健中湯を煎じ薬で処方されると、生薬と飴がセットで処方されます。飴の事を中医学では、膠飴(こうい)と呼んでいます。膠飴は煎じの最後にいれて溶かします。飴には緩ます作用があるのです。ぎゅっと握ってる手をふわっと緩めるそんなイメージです。じゃんけんの、ぐーから、ぱーです!冷えて固まった痛みを膠飴でほぐすのです。独特の考え方ですよね。
八味地黄丸(はちみじおうがん)
ふりがなは必要ないほど
有名な漢方薬です。
どこのドラックストアなどでも取り扱いが
あると思います。
ない場合は、商品名が違ってるだけで中身の処方が八味地黄丸と
言う場合がありますよ。
老化や、疲労消耗があり、足腰が冷える、頻尿などに
使われます。胃腸の不調がない方にお勧めします。
上記3品の漢方薬は、ドラッグストアなどでも購入できますが医薬品の為
持病のある方、通院中の方は医師に相談の上ご使用ください。また、漢方薬に詳しい薬剤師、登録販売者などに相談される事をお勧めします。
陽虚の疲れには漢方薬!:まとめ
今回は、胃腸の冷えからくる不調に焦点を充てた
漢方薬の紹介でした。胃腸が冷えると消化吸収の機能が低下して
栄養が蓄えられない
その為に疲れやすい、疲れがなかなか取れないなど不調が起こります。
お腹は体の真ん中でとても大事な部分です。
夏こそ冷えます。クーラーや、冷たい食べ物で
冷やしすぎないように気をつけましょう。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。