映画007一挙放送 番外&14〜16作目 - 感想(ネバーセイ・美しき・リビング・消された)
はじめに/番組詳細
日程・時刻・バージョン・ラインナップ(簡易版)
◯2023年5月より、BS日テレにて毎週木曜夜9時頃から、映画007シリーズ24作品の一挙放送がスタートしました。
・「ドクター・ノオ」から「スペクター」までの24作品、字幕版での放送。最新作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」(2021年公開)は無し。
・CMアリ恐らく全作品ノーカット
・夜9〜11時半、または8〜11時頃まで。
・エンドクレジットも最後まで
・レストア・スタッフ・クレジットも有り
・一部を除いたほぼ全ての作品がレストア盤
・同年10月、全ての字幕版の放送が終わった翌週から、今度は吹替版でイチからスタート。
「またやるんかーい!」と軽くショックを受けたら吹替で嬉しかったです、BS日テレさん。
◯いつかシリーズ全てを見たいと思っていたので、この一挙放送はとてもありがたかったです。せっかくなので定点観測的に、感想を日記のように、書き残しておきます。
とはいえ本腰入れて見た訳じゃないので、ぼんやりしています。
日記です。
感想です。
▽シリーズ全体のあらすじ
◯スパイ映画の金字塔、世界的な映画シリーズ。
イアン・フレミングのスパイ小説を元に、イギリスの諜報機関MI6に所属する主人公の活躍を描く。コードネーム="007"(ダブルオーセブン)を有するジェームズ・ボンドが、世界を脅かす犯罪組織と戦うスパイ・アクション映画。
◯シリーズといっても一部を除くほとんどの作品が独立したものでありつつ、お決まりの要素やお馴染みのキャラクター等やんわりと繋がりもあったり、有名であると同時に稀有なシリーズでもあります。
全作品ほとんど同じあらすじで、その点では寅さんみたいなシリーズであり、数年毎に主演俳優が変わる点は、「今度は誰があの役をやるのか?」という歌舞伎のような面白味もあります。
ちなみに映画の007シリーズは全てカラー作品。
▽ネバーセイ・ネバーアゲイン(番外編)
監督:アーヴィン・カーシュナー
製作:ジャック・シュワルツマン
主演:ショーン・コネリー
共演:キム・ベイシンガー、マックス・フォン・シドー、エドワード・フォックスほか。
初公開は英米日ともに1983年。
(あらすじ)スペクターの殺し屋をたまたま目撃したボンドが事件の謎を追う。
まとめ
まさかのネバーセイ・ネバーアゲイン。
「サンダーボール作戦」の共同執筆者が同じ原作を基にした、これまでのイーオン・プロダクションとは別の製作会社による、”別世界のボンド”的作品。同じ原作でも脚本は書き直されているし、コネリー以外はキャストもスタッフも違うので、本シリーズに対しての番外編=スピンオフと言うより、別作品としての色が強いです。コネリーがボンドを演じた本当に最後の作品。
ある意味"公式"。番外編だから一挙放送には含まれないかなと最初は思ってて、でもやっぱり放送するかもな〜と期待していたら本当にやってくれて嬉しい。
感想
序盤のホテルかどこかで、従業員の振りをして女性にマッサージを施すボンド。途中で本物の従業員と入れ替わり、さっきまで話していた男が偽物だと気付く女性。微笑んでいたけど、いやいや普通は怖いって。
アクション文法が、馴染みのある最近のハリウッド的アクションシーンになっている。トンネルに追い詰められたシーンや、その直前の、街中でのバイクチェイスとか。テンポの良いカット割りで気持ち良い感じ。
チェイスシーンでの、バイクを滑らせてトラックと地面の隙間を抜けるボンドが格好良かったし、あの避け方はいつ見ても良い。
ボンドとライバルがゲームで戦うシーン。自分だけが何時間もプレイしているゲームでイキる敵。(ながら見だったからホントは初見だったのかもしれないけど)。
ペン型のミサイル銃で女性の敵スパイを撃つボンド。彼女は撃たれても死なず、勝ち誇った様に笑いながらボンドに照準を合わすが、体に入ったままの小型ミサイルが爆発。木っ端微塵とはこの事かってぐらい派手に散って爆死する女性。ヤバかった。流石ボンド、容赦が無い。
▽007/美しき獲物たち(14)
監督:ジョン・グレン
製作:アルバート・R・ブロッコリ、マイケル・G・ウィルソン
主演:ロジャー・ムーア
共演:タニア・ロバーツ、クリストファー・ウォーケン、グレース・ジョーンズ、ロバート・ブラウン、ロイス・マクスウェル、デスモンド・リュウェリンほか。
初公開は英米日ともに1985年。
(あらすじ)市場独占を企てる実業家を調べる内に、大災害の危機に直面するボンド。
まとめ
ロジャー・ムーアのボンド引退作。
80年代アクション娯楽作で、馴染みがあって見やすい。気軽に見られる良作で、初見が吹替版だったのも良かったのかも。
アクションシーンは多めだけど、敵の目的がシリコンバレー水没であり、シリーズでよく見る世界規模の攻撃に比べたら、少し地味に感じるかもしれません。
敵のボスがシリーズ屈指のサイコパスキャラです。
感想
夜の都市でのアクションも80'sっぽく、消防車カーチェイスもしっかり見所になっていました。
85年の作品ですが、ちょっと90年代のアクション映画っぽいかもしれません。
水没は怖いし、作業員や仲間が残っているのに工事現場を爆破するボスも、極悪非道で最悪(故に映画としては最高)。水流で慌てふためく作業員たちに向かって、笑いながら乱射するボス=ズリンがヤバい。
▽007/リビング・デイライツ(15)
監督:ジョン・グレン
製作:マイケル・G・ウィルソン、アルバート・R・ブロッコリ
主演:ティモシー・ダルトン
共演:マリアム・ダボ、ジョー・ドン・ベイカー、ロバート・ブラウン、デスモンド・リュウェリン、キャロライン・ブリスほか。
初公開は英米日ともに1987年。
(あらすじ)スパイを狙う暗殺者を制し、国際的武器商人を追うボンド。
まとめ
4代目ボンド、ティモシー・ダルトン初登場作品。
シリアスな作風ではありますが、シリーズ屈指のアクションシーンやスタントもあるし、下手したらバカっぽい絵面になりそうな派手な演出も多く、ボンドらしいセリフやサントラも良くてとても見応えのある映画だと思います。
ティモシーボンドは二作とも好き。
感想
ダルトンボンド、見た目がちょっとスーパーマンっぽさある。
ちょっと見ない間に街の景色が馴染みのある感じに。年代がちょっとずつ近づいている。生まれてないから馴染みというより、映画でよく見る感じだけども。’87年公開なら同年代の他の作品もいくつか見たことがあるから、それで少し見慣れてきたというか。
ヒロインのファッションやメイクの感覚もわかる。
楽器ケースの中身がチェロではなく実はライフルである事を、トイレで確認するシーン。掃除のおっちゃんが個室のボンドをやたら気にしているから、何かあるのかと思っていたけど、『デカいケースを個室に持ち込むボンドをやたらと訝しむ』というだけの演出だった。笑
パトカーをレーザーで壊すボンド。
「何があったの?」
「腐食だろ」
ミサイルの準備。
「軽車両の標準オプションだよ」
ここら辺のセリフ回しはボンドイズム。(うろ覚え要約)
戦車が出てくるのもボンドっぽいな〜と思っていたら、小屋に突っ込むだけではなく、壊れた小屋を乗せた状態のまま走る。その上、走っているのが凍った湖。「ムーンレイカー」の荒唐無稽さがツッコまれがちだけど、このシーンもカートゥーン調でかなりヤバいと思う(笑)
オーストリアへの国境越えでのチェイスシーン。ここで流れるテーマ曲のアレンジが80's感あった。テレビだからちゃんと聴こえた訳じゃないけど、マイケルの『Bad』みたいな音色のドラムだなと思った。でも映画の方が先、でも80年代は”80'sリズム関ヶ原”で、ほとんど皆んなあの感じだからきっと潮流を反映しているのでしょう。
クライマックス直前。輸送機のタラップが開き、網で包んだ荷物が放り出されて宙吊りになる。争っていたボンドと敵の殺し屋も投げ出され、宙吊りの荷物に必死でしがみつく。パラシュート無し。
「ミッション・インポッシブル:フォールアウト」のクライマックスはこれのオマージュもあるのかな。
輸送機からパラシュートを付けた車で飛び降りる。
これも順番は逆だけど、「ワイルド・スピード スカイ・ミッション」思い出した。
ラスト、ボスとの戦い。実弾を撃つ人形(?)を駆使して戦う相手を見て、実写版ジョジョを思い出した。バッド・カンパニー。
▽007/消されたライセンス(16)
監督:ジョン・グレン
製作:マイケル・G・ウィルソン、アルバート・R・ブロッコリ
主演:ティモシー・ダルトン
共演:キャリー・ローウェル、ロバート・デヴィ、ベニチオ・デル・トロ、ロバート・ブラウン、デスモンド・リュウェリン、キャロライン・ブリスほか。
初公開は英米日ともに1989年。
(あらすじ)友人とその妻の復讐のために麻薬王を追うボンド。
まとめ
見所もありつつ、スパイ映画らしい大仰な雰囲気もあって良い作品ですが、決着の付け方が最高で、とても良い復讐シーンだったのでめちゃ好きな作品になりました。
ティモシー・ダルトンが演じたボンド映画2作目にして彼が演じた最後の作品。ちなみにQ以外のキャストやスタッフも次回作より大きく変更されます。
感想
ベニチオ・デル・トロが出てる!若ぇ!
やっと主演以外で知ってる人が出てくるぐらい最近の映画になってきた。単に自分が知らな過ぎるのもあるけど。
サンチェスの仲間の船に、海底から潜入するシーン。マントみたいな布?で覆ってエイになりすますけど、絵面がやばい。「その発想は無かったwwwこれは見た事無いwww」って感じだった。
ボンドが水上スキーっぽい事をやってて、ウエスギ専務を思い出した。同じぐらい上手い。
指紋認証ならぬ手相認証は意外と見たこと無いかも。Qの新兵器を迂闊に触って危うく事故を起こしかける定番もあった。最後に、ベッドがふかふかかどうかを確認するQが可愛い。
クライマックスのサンチェスの城、凄いロケーション。どこだろう。
ヘラーの最期を見て「ここで串焼きだな」という、お馴染みの、死んだ奴への捨て台詞もここで。
トラックの片輪走行は凄い!ワイスピでも見た事無い。いや、あったかも?
決着の付け方が最高!
サンチェスに銃口を向けられ、ボンドもこれで終わりかという所で、復讐の理由を「教えてやる」と言い、ライター夫婦にもらったライターを見せて点火させる。オイル塗れになっていたサンチェスは火だるまになってリタイア。
リメイク版「十三人の刺客」的な、最高の復讐シーン。これだけでも好きな作品になったかも。
シリーズの感想記事リンク
コチラ。
1(ドクター・ノオ)
https://note.com/yukanoyu2157/n/ncb7c33ead211?sub_rt=share_pw
2(ロシアより)
https://note.com/yukanoyu2157/n/n2d0ba2afbd8d?sub_rt=share_pw
3(ゴールドフィンガー)
https://note.com/yukanoyu2157/n/n0d585ef2d5b8?sub_rt=share_pw
4~8(サンダー・二度死・女王・ダイヤ・死ぬやつ)
https://note.com/yukanoyu2157/n/n3c95c5e09be8?sub_rt=share_pw
9~13(黄金銃・私愛した・ムーン・ユアアイズ・オクトパ)
https://note.com/yukanoyu2157/n/nbfd2d41f1768?sub_rt=share_pw
17~21(ゴールデン・トゥモロー・ワールドイズ・ダイアナザ・カジロワ)
https://note.com/yukanoyu2157/n/n716da3c017ae?sub_rt=share_pw
22~24+25(慰めの・スカイ・スペクタ・ノータイム)
https://note.com/yukanoyu2157/n/n2c6c663508a7?sub_rt=share_pw