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monacooc
過眠症の寧子
かばんに入れる本を迷って、本棚の前をうろうろし、本谷由希子さんの『生きてるだけで、愛。』を手に取った。
堕ちているときは堕ちる物語、と決めている。マイナス×マイナス=プラスという数学のルールは感情にも適用されると思っていて、下手にほっこりする話を選んでしまうと余計に気持ちがささくれたりするのだった。
幾度めかの再読であることもあって、本編は電車の中で1時間足らずで読めてしまった。
25歳無職、自称過眠症と鬱の寧子。社畜の彼氏の家に居候しながら1日の大半を寝て過ごし、眠りすぎによる頭痛を和らげるために鎮痛剤をペプシで飲み下す寧子。感情のコントロールが効かなくなり、始めたばかりのアルバイト先の便器を叩き割る寧子。哀れでたまらないのにどうしようもなくわかってしまう。
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