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【番外編】空港泊はもう卒業?


学生時代はお金がないなりに“貧乏旅”をした。 

貧乏旅をする上で、ご飯にお金を掛けるのは選択肢になかったので、どこまで節約できるかは宿代にかかっていた。

ゲストハウスのドミトリーに泊まるのは基本。
宿代を一泊でも浮かせるために飛行機をわざと深夜便や早朝便にして空港のベンチに泊まったり(チケット代も安くなることが多いので一石二鳥)、時にはバス停で野宿してみたり、地下鉄代の数ドルを節約するために1日2万歩以上歩いてみたり…。

そんな感じで、これまでいろんな空港で夜を明かしてきた。

そんな癖がなかなか抜けないまま、新婚旅行で訪れたトルコで合計3泊を夜行バスで過ごすプランに(幸い、夫もそういうタイプ)、当時の同僚からは「新婚旅行やろ!なんでやねん!」と全力でツッコミを受けたことを思い出す。


これは私がニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港で一泊した時の話。

深夜でもまあまあ人が多く、ベンチで横になれそうになかったため、窓辺で横になれそうな場所を見つけて仮眠することにした。

奇跡的に撮っていた当時の写真

枕はもちろんリュック。さらに、枕元には現地の友人が別れ際にくれたお菓子が入ったビニール袋を置いた。

問題なく仮眠をしていたのだが、夜中に「ガサッ」と音がしたような気がして一瞬目を覚ました。
しかし、寝ぼけながらあたりを見渡しても異常はなさそう。「まぁいいか」と再び眠りについた。

翌日、もらったお菓子を食べようとビニール袋からチョコを一粒出してみると、なんと、チョコが半分欠けている!?!?
しかも、よく断面を見てみると、縦にシャッシャッシャと削られたような跡が……。

その時、私は昨晩の「ガサッ」という音が気のせいではなかったこと、そして、それがネズミだったこと、そしてネズミにチョコを齧られていたことを悟った。
(あの時、頭の横にネズミがいたのか、、、ネズミが入った袋に手を突っ込んでいたのか、、、友達がせっかくくれたお菓子、、、)
いろんな思いが駆け巡って呆然とした。

(ネズミが苦手な方、ごめんなさい。私も1番ぐらいに苦手です、、、)


そんなエピソードがありながらも、その後も懲りずに機会があれば空港泊を続けていた私だが、先日、ついに「今回で最後かな」と思う時がきた。

それは友人の結婚式のために国内で飛行機を利用した時のこと。

友人の結婚式は私の誕生日の前日。
時間を気にせずに大好きな友人をお祝いしたいと思い、結婚式の翌日(つまり私の誕生日当日)に帰ることにしたが、誕生日は用事があったため早朝便の飛行機を予約していた。

披露宴のデザートに粋な計らい。めちゃうれしかった

いくら社会人になったとはいえ、これまで貧乏旅をしてきた身分。早朝までの数時間のために宿をとって、早起きをして、空港に間に合うよう動くよりは、空港に泊まる方が楽だなぁと思ってしまう。
しかも、前日まで泊まっていた宿でシャワーを浴びることができる。それで空港に行けるなんて楽勝!ぐらいに思ってた。
(もちろん、結婚式に出席した友人たちからは「誕生日を空港で越すの!?」「空港に泊まるって、近くのホテルのことかと思った」「相変わらずだね」などと総ツッコミを受けた。)

いざ空港に着いてみると、さすがインバウンドが急増しているJAPAN。私のように空港で夜を越そうとしている人がたくさんいるではないか。

上の写真はインバウンド客が増える前に同じ空港で撮った写真だが(どこの空港か一目で分かる人も多いはず)、ここに映る窓の下のベンチはほぼ満員。
かろうじて空いていたスペースでしばらく過ごしてみたが、人が多いし乾燥にやられて咳が止まらない。落ち着かないのでウロウロしてみたが、他の階も含めて横になれそうな“特等席”に人がいないはずがなかった。
結局その日は、空いていたテーブル席で朝まで時間を過ごした。


思い返せば、かつては当たり前のようにバックパックで身軽に移動していた私も、腰の痛みが気になるからと、最近はキャリーケースが主流になった(悔しい)。
乾燥や人の多さが気になるとかも、以前はなかったはずなのに、、、いつまでも同じようにはいかない現実。
体は確実にエイジングしているんだということを痛感した、誕生日だけに。

「これならお金を出して、ゆっくりできるところで過ごすのもいいのかも…」「空港泊は今回で最後かな」。(といいつつも、きっとまたするのだろうが)そんなことを思いながら28歳を迎えたのだった。

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