わたしの子どもの頃
子どもの頃。6歳くらいの頃。
思い出すにはあまりに遠い日々…。
時間をかけて思い出してみました。
むにゅむにゅ、という、お風呂でお湯に浸けると色が変わるネコのぬいぐるみがありました。(他にもイルカとか、イヌとか、色々あった)
ある日、突然にむにゅむにゅが消えました。
お風呂の脱衣所に置いてあったのに。
忽然と姿を消しました。
わたしは祖父に詰めよりました。
「わたしのむにゅむにゅ、どこやったのーー⁈」
父が捨てたか、母が捨てたか?
父には怖くて聞けず。祖父が1番優しかったので、祖父に聞きました。
祖父は知らないといいました。
わたしの心の中は疑心暗鬼というやつで、いっぱいでした。
きっと、ぬいぐるみに依存していたから、親が捨てたんだと思いました。今でも親が捨てたと思っています。
一時が万事その調子でした。
従姉妹のいえに入り浸るわたしを。
父は、鍵をかって締め出しました。
「うちに帰ってこんで、お前はうちの子じゃない」
なんかどこかで感化されたんだなこの人?と思いました。その次に「せいせいすらア」ってなもんで、どこか歩き出そうとしたとき、
車で町内一周して戻ってきて、
「分かったか。反省したなら、乗れ」
と言われました。
反省してないけど車に乗りました。
父が嫌いでした。そういう、子どもを思い通りにするために、言葉や態度でするのって。暴力だし八つ当たりだと思いました。
でも子どもなので言語化できなくて。
やだなぁ、きらい、しか思えませんでした。
わたしはそんな調子で小学生のころからはやく20歳になりたかったし。
中学生のころから、家を出たかったし。
わたしの10代は家をどのようにして、出るか?
に全てが置かれていました。
勉強も運動も、なにもかものちに役立つと信じて頑張りました。
(たぶんほんとに必要だったのは自分のことは、自分でするとか、自分をたいせつにすることだったのですが)
親はわたしのことを理解していないという悲しみの中で生きていました。
本当のことを話せる人なんていませんでした。
友だちも、ほんとの気持ちは話せませんでしたし、
高校なんてただの通過点だと言い聞かせて生きていました。
そんな風にして10代を過ごしました。
ひねくれて、自分を省みたりすることも少なくて、家族から逃げたくて…
その頃、高校にスクールカウンセラーが来ました。
自分の地元では初の試みだったみたいです。
進学校で、みな勉強のことで悩んでいたのかな。
わたしは人に話すことはなにもなかった。
運動部で、身体を動かして消耗して、回復をこころみて、学校へ行ってーーー、の繰り返しの中で。
果たして人にこころを開いたことは、なかった気がします。