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装具ユーザーと義肢装具会社を繋げるには


Twitterで反応があったものを月に一回noteで深掘りしてみようと思い立ちました。
今回は「つなぐ」を作ろうと思うというツイートが反応が大きくあったので、それについて。

結論から言います。
「つなぐ」を作ることをやめました 笑
順を追って説明します。

「つなぐ」を作ろうとしたきっかけ

装具難民や、高度なデザインを求めるユーザーさんが、自分に合った義肢装具会社とマッチングできたらいいのに。
ユーザーさんには、自分の装具を投稿してもらって、他のユーザーさんと繋がれたらいいのに。

そんな思いから、「つなぐ」というWebサイト作ったら面白いかなぁと思いました。

イメージは、ホットペッパービューティーでした。髪切りたいなと思ってポチポチ検索たら、お店のPRとかが見れて、自分の欲しい商品(何がしたいか)をチェック入れることでソートしてくれる。

例えば、オーダーの車椅子と装具を一緒にメンテナンスしたいから、車椅子も手広くやってるところが良いとか。出張料かかっても自宅に来て欲しいとか、土曜日営業してる所がいいとか。
希望に合わせてソートして、選べたらいいのにって。
もしくは、ユーザーさんが投稿したデザイン性の高い装具をみて、私もここに頼みたい!!みたいな事ができたら素敵と思いました。

義肢装具会社は、装具処方した病院と提携してる会社しか選べないんでしょ?と言われそうなので、そこに言及しとくと、治療用はそうですが、更生用装具(手帳で作る装具)は希望会社を選べます。
更生相談所では「希望の義肢装具会社はありますか?」と、聞いてもらえるはずです。
※地域格差があったらすいません。

つなぐの目的

Twitterで「つなぐ」というWebサイトの案を投稿した所、たくさんのいいねをいただけました。
しかし、実は昔から検索システムあるよというツイートをみて、調べてみたら、同じような検索サイトがたくさん出てきました。

残念ながら、どれも浸透していません。

確かに、検索サイトがなくても、時間はかかるが、ある程度は調べられる。
それでも装具難民やデザイン性のある装具が普及しないのにはマッチングだけが問題ではないという結論に至りました。

装具難民救済ツールについて

装具難民へは、既存のシステムが普及しつつあります。
例えば装具ノート。
私の会社では、将来的に作り替えを必要とするであろう患者さんには、装具カードを渡しています。耐用年数(いつ作り替えられるか)と納品日、装具の種類が書かれています。修理が必要な場合の例や、制度の説明、Q&Aが書かれた冊子も一緒にお渡ししています。

その取り組みが学会などの発表を経て、大きく取り上げられ、病院と義肢装具会社の協力体制のもと、たくさんの地域に広がっていきました。

いろいろな所で「装具難民」がトピックとして扱われて、私はずいぶん維持期の装具に目が向いてきたなぁと感じています。

しかし、それでも装具難民はゼロにはならない。肌感ですが、さらに普及さすためには、もう一歩踏み込んだ政策が必要なのかなぁと、感じています。

装具ノートの弱点は、善意であること。

装具ノートは、義肢装具会社もしくは病院の経費でまかなわれています。いわば、サービス。
そのため、お薬手帳のように全会社、病院が統一して行える政策ではないし、強制は出来ない。
逆に言えば、強制ではないのに、本当にたくさんの人達が動いていること、また今よりも良くしようという働きがあることは、すごい事だなぁと常々思います。

そして、Twitterでは
「患者さんが直接的に必要じゃない情報を患者さんが持たされている」というような投稿があり、なるほどなぁーと何度も読み返した。

患者さんには、必要な情報なんだけど、その情報の重要度がいまいち理解していただけないというのがニュアンス的には近い気がします。
リハノメの放送で勝谷先生がおっしゃっていたことばを借りると「患者教育」というものですね。

どれぐらいの人が、装具ノートやカードを持って作り替えるのかデータを取らないといけないですが、残念ながらできていません。
一定数は、ここに1年半って書いてあるから見てほしいと電話をいただけています。しかし、まだまだ少ないように感じます。

上記の問題から「つなぐ」にログインしたら作った病院と耐用年数くらいは見れるようにしたいと思ってました。マイページで、そろそろ作り替え時期だけど大丈夫?ってポップアップでたら素敵と思っていました。
でも、よく考えるとWebにログインという工程は高齢者にはハードルが高いし、美容院みたいに頻回に行かないから数年に一回使うサイトのログインIDとパスって絶対忘れますよね笑

装具のデザインについて

デザイン性の高い装具については、本当に私が知らなかっただけで、カッコいい装具増えたなぁと思います。Twitterで見てて、わくわくします。個人的に靴型装具の可能性にもトキメキを感じます。
ですが、デザイン 性を追求した装具も、まだまだ少ない。

デザイン性を求める上で1番障壁なのが、ユーザーさんとの擦り合わせだと思っています。
例えば、可愛い装具が良いですと伝えられても可愛いは、人により違います。ピンクのリボンがついたものが可愛いと感じる人もいれば、子供っぽいと感じる人もいます。

ニュアンスを伝えるのが1番難しい。

可愛い装具が欲しいと言われ、ベルトの色選べますよと案内した場合、嬉しいと納得される場合もあれば、そういうことじゃないと言われる方もいる。見た目だけで装具の選択はできれないけれど、せめて、写真でこんな装具はできますか?と聞ければ話がスムーズではないか。
「つなぐ」でそれができないかなぁと思っていました。ホットペッパービューティーみたいに、好きな髪型を検索し、お店でみせるように、好きなデザインの装具を見せれたら話がスムーズかと考えました。製作会社もできる、できないが判別できるのでお互い時間もとられません。

義肢装具会社全部に、デザイン性を高めろ!というのは少々乱暴で、規模も、仕入れている商品も展開しているお客さんの層も違う。小児専門の所とかは、特に可愛い工夫がみられるけれど、大人の場合は、結構色なんてどうでもいいと一蹴されてしまうことも多いので、在庫をたくさん抱えられないという問題があります。オルトップも昔はペールグリーンとかピンクとかあったけど、今は白黒のみの展開になったことも、やはり受注数がロットに合わなかったんだろうなぁと思います。

それでも、会社勤めであったり、おしゃれを楽しみたい方がいるのも事実。

せめて、デザインが得意だよといっている会社様に繋げれないものか。考えた結果、つなぐでデザインが好きなデザインを幅広く選べ、得意な会社が検索できたらいいのでは?!にたどり着いたわけですが、おしゃれを楽しむ層は、ITリテラシー高めなので、TwitterやInstagram通じて既に情報をたくさん持ってるよねというのも、「つなぐ」を辞めた理由です。

つなぐの問題点

冒頭でも話したように、まったく同じではなくともシステムとしては存在した。
しかし、普及してなかった。

たくさん理由は、考えられるけど、そもそも義肢装具自体の認知が私が思ってるより低いという問題がある。

で、あれば、義肢装具ってまず、検索すらされないよね?って話です。

検索数実際に調べてみたら


義肢装具と調べる人は月間で、600回もありません。少ない。。。
ちなみに装具だけだと月間3200回、それでもボリューム的にはかなり少ないし、関連ワードを見ると義肢装具会社を探していたり、作り替えや修理を検討しているわけでは無さそうなので、やはり「つなぐ」をリリースしても意味はなさそうです。

どんな良いシステムも使う人がいなければ意味がない。

そもそも脳卒中の人って高齢者が多いのにネットでシステム組んでも意味ないのでは?といわれそうです。私は装具難民に対しては本人はネット使えなくても、周りのキーパーソンや、それこそケアマネさんや介護士さんが困った時に使えるシステムになればと思っていました。

だが、しかし、です。

その周りの人が、「装具」というワードを知らないということなんです。

結論

ここで、なんて、私はおバカなの?!ってなりました 笑

で、1つの結論に至りました。

「結局、近道なんてない」

私は、装具難民と呼ばれている人や自分らしいデザインのものを身につけたいという人に少しでも何かできる事があればと思いました。

でも、イメージしていたのは、魔法のツールでした。これが、あれば全て解決!!みたいなものを想像していました。

そんな簡単なことではない。

結局は、義肢装具の認知を上げることが根本的な解決であると結論つけました。

必要なのは「広報活動」なのではないか

誰もが思いつく、単純明快な答え 笑
でも、手間と時間と時にはお金がかかり、とても難しい。

システムが稼働するとすれば、使う人が出来てから。そして、同時進行で義肢装具士のリソースの確保も視野に入れておいた方が良い。
自宅、施設のフォローが増えれば、義肢装具会社の持つキャパ(特に人材確保)とお金の問題は付き纏うと思われます。なので、作業効率化や経営方針は、深く関わってきそうと感じました。

結果、義肢装具業界、みんなが悩んでいる問題「義肢装具士の認知度の低さと、常に人手不足に悩まされるよね」に集約されました。

しょーもない結論で申し訳ないです。
ここまで読んでいただき、本当に、ほんとーに、ありがとうございました!!

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