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原田マハさんのおすすめぶりが上手すぎて「ジャパネット・マハさん」と呼びたくなった件
先日、NHKの朝番組「あさイチ」に出演した小説家の原田マハさんがあまりにチャーミングだったので記事にしたのだが、番組中でマハさんがおすすめした本について書けていなかったので、今日はそのことについて書いてみる。
先日の記事はこちら
元美術館のキュレーターだったマハさんは、40代に小説家に転向。最近わたしがアンテナを張っている、「人生の後半で新しい生き方にシフトした魅力的な女性」枠の人。
わたしがこれからの人生を考えたときに、もっともっと自分の好きなことをして、自分の能力を使い切って、誰かの役に立てればいいなぁと思っているので、わたしがこんな風に生きたいなぁと思う人は、すごく印象に残る。マハさんもその一人。
美術好きが高じて猛勉強して大学に入り直しちゃうパワフルなマハさんが、番組内でオススメ本を紹介していた。
その中で、マハさんのおすすめぶりがすごすぎて、ネットで瞬殺で売り切れになった本がある。
それが「美術の物語」という本。
マハさんが大学受験の時に読み込んだという本書。
どうやら業界では売れに売れている美術史の本らしく、分厚くて難しそうな本なのだけど、読んでみると、小難しそうな美術へのハードルをグンと下げてくれる内容なのだそうだ。
美術なんてわからなくても、好きと思えばそれが好き。それでいいんだ、的なことが前書きで書かれているらしい。
もうそれを聞いただけでこの本が読みたくなってしまった。
わたしは絵画を見るのが好きだが、あれこれ評論するのは好きではない。ああ、いい絵だなぁ。とか、この色はキレイだなぁとか、幻想的だなぁとか、ものすごい迫力だなぁとか、絵からそれを感じるのが好きなだけ。学術的なことやテクニックは「遠近法」くらいしか分からない。
現在高額で取引されている評価の高い絵画が「えらい」わけではない。当時は全然売れなくて、画家の没後にいきなり高値が付いた作品なんてザラだ。
美術というのは正解がなくて、だから楽しいのだと思っているので、高名な教授が、そんな美術の門を開いてくれていることに感動し、ぜひこの前書きを読んでみたくなったのだ。
もうひとつ、この本のすごそうなところは、洞窟壁画から現代アートまで網羅していて「一冊が歴史そのもの」だということだ。
昨年訪れた「大塚国際美術館」がまさにそれで、マジの本気で洞窟をリアルサイズ再現してみたり、すべての絵画を「原寸大」で展示しているので、その迫力たるやすごい。紀元前からはじまって、現代までとんでもない量の絵画を見ることになるが、ほんとうに人類の歴史を歩いているような気になる。
そんな「大塚国際美術館」での歴史散歩を、本で楽しめるなら絶対ほしい。
分厚い専門書で高いけれど、逆に絵画の歴史がこれ一冊でわかるのだから、逆にオトクじゃないですか?というマハさんの一言に背中を押され、テレビを見ながら本のタイトルを検索してみた。
だが、わたしはこの番組を録画して観たので、わたしが検索したときにはとっくに売り切れ。amazonで中古に高額がついていたので、もう廃版なのかなぁと思っていた。でも欲しい、すごく欲しい。
そう思いながら、その後ツイッターで見た情報で、このマハさんの番組放送後に、「美術の物語」が売り切れてしまったと知った。すごい。
そりゃあ、あれだけ激押しされたら、みんな欲しくなってしまうだろう。
マハさんのおすすめぶりが上手すぎて、どうしても手に入れたくなってしまい、出版社のサイトを見たらさっそく重版が決まったらしい。
紀伊国屋が予約を受け付けていたので、思わず予約してしまった。
他にも、太宰治の「東北」や、東山魁夷の本など、私があまり読まない本をお勧めしていて、その体験が今のマハさんを作っていると思うと、ぜひ読んでみたくなった。太宰治の本はKindle 0円だったので早速ダウンロード。
何の気なく見ていたのに、気が付いたら欲しくてたまらなくなる。「ジャパネットたかた」ならぬ、「ジャパネット・マハさん」だ。いやほんとに面白そうに話すのだもの。
マハさんの小説は、アートミステリーしか読んだことがないが、画家や作品への愛が溢れていて、わたしまでそれを好きになってしまう。
ゴッホを題材にした「たゆたえども沈まず」を読んで、さほどゴッホに興味がなかったわたしがすっかり虜になり、コロナ禍があけた暁には絶対にゴッホ巡礼をしようと決めちゃったくらい、おすすめパワーがとんでもない。
面白いものを伝える力がすごくて、本当に心からそれが面白いと思っているのだなぁというのが伝わってくる。
誰でも、好きなことを話しているときはとってもいい顔をする。マハさんもテレビの中で、本当に楽しそうに話していて、それを見ているだけで幸せになる。好きなことをするというのは、幸せをみんなに配る作業だと思う。
わたしも、好きなことの魅力を伝えることが大好き。
マハさんほどパワフルではないけれど、それでも自分なりに好きなことをして、いい顔をして、生きていきたいと思う。
今日もお読みくださりありがとうございました!