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インナーチャイルドの記憶を取り戻す旅4(アヤワスカ体験11)
わたしはもう沢山泣いたし、事情も理解できた。後は自分で次に進まなければならない。
わたしはマットレスから立ち上がり、焚き火の前の小さな椅子に腰を下ろした。焚き火の反対側には何人かのインディオが座っていたけど、みんなすっかり目覚めているようだった。
わたしは自分が執着し手放せないでいる思いを断ち切ると決めて、近くにいたインディオの1人にタバコのパイプをお願いした。
タバコは執着や中毒を切り離し浄化してくれる。タバコのふかし方が下手ですぐに火が消えてしまったけれど、2回ほどその灰の香りを口に吸い込んで深呼吸をした。
かなり落ち着いた。でもまだしばらくわたしはそのエネルギーの余韻に浸っていた。わたしにはもう少し時間が必要だった。
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何回か録音の音楽が通り過ぎ、充分にそのエネルギーを感じた後、急にアヤワスカの力から解放されたらしい。わたしはかなりスッキリしたことに気が付いた。
そして膝に置いていた手拭いがないことに気付き「あ!」と思ったけどすぐに、「もう物質的な守りがなくても大丈夫だ」と胸を張れる自分に気が付いた。
歌は録音から誰かの歌声に変わっていた。ギターの繰り返しのリズムに女性の繰り返しの歌とそれに反復する他の人たちの歌声…そしてマラカスと足踏みの音。
わたしは少し覚めてはいたけど、まだアヤワスカと繋がっていた。周りを見渡すとほとんど全ての人がアヤワスカから覚めているように見えた。
わたしのためにみんなが待っていてくれてると思った。その時、隅っこで誰かの嘔吐する音がで聞こえた。あ、もう1人いる…
それからしばらく歌が続いた。半分覚めかけながらも、わたしはそれがこの部落のインディオ全体のエネルギーで、自分を包み込んでくれているのが分かった。
これだけの愛に包まれる感覚は初めてかもしれない。それはとても心地良く自分が充分に満たされていくのが分かった。
わたしは1人じゃない。大人のわたしはゆかちゃんを護ってあげられるし、大人のわたしも1人じゃない。沢山の愛に護られ助けられて来た。そして今も…
わたしがそれを受け取るのを拒否していただけだ。自分にはその価値はないと思っていたし、自分にそれを許すことが出来なかった。
今まで感じていたそんな気持ちを思い出していた。同時に優しく愛を差し出してくれていた色んな人の存在も思い出していた。
わたしは嬉しかった。ただそうだったのだとやっと受け入れることが出来た。わたしはそんな感情に満たされながら、これでもかというほど長い時間、インディオの歌声とリズムに包まれていた。歌が終わった時、本当にもう充分過ぎるほど満たされていた。
そしてもう1つ思い出した。初めてのアヤワスカ体験で思い出した記憶…胸に抱いた赤ん坊ごと剣で心臓を突き刺された。そして10回目のアヤワスカ体験で思い出したアマゾネスの記憶…あの時ハートを隠す約束をしたけど…
あの時は思い出さなかったけと、そういえば弓使いの姉に突然心臓を射抜かれた様な気がする。そして今生のインナーチャイルドの記憶…突然心臓に何かが突き刺さったイメージ。
この3つは共通している。もしかしたら過去生の記憶の傷を癒すために、また同じ体験をする必要があったのかもしれない。
わたしは「もういいのだ」と胸に手を当てた。そしてハートに空いた傷口を閉じて、ツルツルピカピカのハートになるイメージをし、しばらくそれを感じていた。アヤワスカから完全に抜けた頃、わたしはとても落ち着いていた。
まだ焚き火の前に座っていた。シマホン(お茶)を入れてもらい、それをゆっくり飲んだ。炎を見つめ音楽に身体を委ね、またゆっくりとシマホンを飲んだ。
インディオの歌はまだ続いていた。人数は減ったけど、何人かのインディオがまだマラカスと足踏みでリズムを取っていた。焚き木も何度も継ぎ足され、途絶えることなく燃え続けた。
わたしは焚き火の前で小さな椅子に座っていたけど、そのうちウトウト眠りかけた。それに気付いたインディオの女性に促され、わたしはマットレスに戻った。隣には旦那が寝ていた。サキちゃんもかなり前に横になっていた。
わたしはインディオがまだ歌ってるのを薄目で見ながらいつの間にか眠りについていた。目が覚めた時焚き火は灰になり、みんな寝静まっていた。
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多分儀式が終わったのは夜中の3時過ぎだったと思う。焚き火の消えた小屋の中はすごく寒くて、目覚めた後はなかなか寝付けなかった。
トイレに行きたくなり外に出たけど、外はまだ真っ暗だった。小屋に戻ると5時半だった。
旦那も起きた。彼の仕事の都合で6時にここを出発して、家に戻らなけれならない。
小屋の中で横になっていたチアゴに声をかけ、わたしたちはインディオ部落を後にした。
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いつもそうだけど、儀式の後は全てが別世界に見える。景色は変わってないはずなのに。
今回のプロセスはいつもに比べとてもシンプルで短かった。それでもちゃんと1つのプロセスをやり切った感があり、わたしは心から満足していた。
9月にリトリート行くつもりだったけど…もう
行かなくていいかな😅なんて考えながら、心身ともに軽くスッキリした状態で、サンパウロに戻った。(多分行くけど😅)
その日は父の日で、昨日までの食事制限とはうって変わってシュハスコだった🤣アヤワスカの儀式と父の日のお家シュハスコ🍖
サキちゃんは楽しんでくれた。
わたしも楽しかった。
出会えて本当に良かった✨
おしまい