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ブラジルで黒魔術4
息子にかけられた「赤い糸の呪い」
気付いてからそれを解くまでの家族の物語。
自分用にメモしていたものを編集してます。
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続き
旦那が息子と話してる間、
わたしはどうしたらいいのか、
その他色々娘に聞いていた。
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黒魔術(呪い)がかけられてる今、わたしたちを護ってくれる存在はいるのだろうか?
娘の答え:
旦那はマリア様がかなり強力に護ってくれてるし、娘は白い龍さんとスパイキー(日本からついてきた龍さん)がいるし、わたしにはゴボウリンさん(3頭いるうちの1頭)がついていて、残りの2頭は息子を捕らえてるモノと闘っている。
肝心の息子は…
以前はかなり強い龍さん(娘についてる白龍より強い)がついてたけど(だから彼のエネルギーはかなり強かった)、悪いモノと闘って死んでしまった。
龍は自分の代わりに卵を残して行き、今はその卵が彼を護ってくれているけど卵だから弱い。
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じゃあ、囚われている息子を助けるためにどうしたらいい?
この問いは娘にはわからないと言うので、
スパイキーに聞いてもらった。
「スパイキーは部屋にあるボチカリの箱に入ってるモノだと言ってる。ボチカリは何か知らないけど…多分手紙かな。特にキスマークのついてるやつ。」
ボチなんとか…はわたしも娘もよく分からなかったけど、そーいえば!そんな名前の化粧品や石鹸を売ってるお店があることを思い出し、それらしき箱の裏を見たら「boti」と書いてあった。これだ!
「手紙を燃やして大地に埋めること。なるべく深くに。自然が浄化して還してくれる。」
なるほど!
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旦那はまだ息子と話していた。
娘の話を旦那に伝えて、
わたしたちはリビングで待つことにした。
しばらくして、手紙やその他諸々思い出の品が入った箱と彼女のスマホを手に、二人がリビングに入ってきた。
旦那がシュハスコ用のコンロの蓋を取り出して来て、その中で手紙を燃やすことにした。娘に確認すると、これは本人がやらないと意味がないという。
息子はもちろん嫌がった。
長い時間彼は拒んだが、じゃあ先に…と旦那が彼女のスマホを火にかざそうとしたら、息子は渋々彼女からの手紙を1枚燃やし始めた。
息子は1枚1枚を思い出すように確認しながら、ゆっくりゆっくりと燃やしていった。
涙を流していた彼のその悲しみと、
苦しみと辛さが痛いほど伝わってきたけど、
こちらも負ける訳には行かない。
中には彼女のキスマークがつけられてる手紙も沢山あった。
彼を見守り励ましながら、
それでも背中を強く押して、
結局全てを燃やし終えるのに3時間位かかった。その中には二人の手形の記念のボードもあった。
ボードは燃やせるだけ燃やして、最後にはいくつかの思い出の品と指輪だけが残った。
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今度はその灰を箱に入れて、
どこかに埋めなければいけない。
当然息子はそれを拒否した。
旦那もわたしもとても疲れていた。
わたしはその後眠ってしまい、夕方17時半頃に目が覚めた時、例の灰はまだシュハスコの蓋の中にあった。
暗くなる前にと、息子を促して灰を全て箱に戻させた。もちろんそこに指輪も入れて、それからどこに埋めたらいいかみんなで話し合った。
それとは別に、部屋に残っていた彼女のモノは全て袋に入れて、返しに行くよう準備させた。
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息子が渋ってる間に外は暗くなった。いつ降ってもおかしくない天気の下、やっとのことで3人自転車に乗って、よく行く近所の公園へ向かった。
持参したスコップで適当な所に穴を掘ったみたけど、木の根が邪魔をして深くは掘れなかった。
何とか箱が入るサイズの穴を開け、箱をその中に入れた。最後のお別れをする息子を見守った後、箱の上に土をかけ枯れ葉で覆い、わたしたちは自転車の所まで戻った。
突然雨が降ってきた。どんどん激しくなる雨に足止めされ、わたしたちは木の下で雨宿りをして雨が弱まるのを待つことにした。
実は箱を埋めてその場を離れるとき、ふと「ここだと息子が後日掘り起こして指輪を取り戻すかも…」とわたしの頭をよぎった。
雨宿りしながら「もっと遠い所の山中に埋めた方が良かったかも…」と旦那に言ったら、
「じゃあ15秒数えて、その間に雷が鳴ったら、場所を変えよう!」と彼は冗談ぽく言って、
それを聞いていた息子が頷いて、心の中で15秒数え始めた。
わたしたちは夜空を見上げ、静かにその時を待っていた。かなりの時が経った。もう雷はならないかな…と思いかけたその時、ピカッと大きく雷が光った。息子に確認したら14秒だった。
みな驚いて顔を見合わせた後、息子と旦那は箱を掘り起こしに戻った。そして翌日改めて山の方へ埋めに行くことにした。
まとめておいた彼女のモノも、その日が終わらないうちに、彼女のアパートの管理人に預けに行った。全て返した(とわたしは思っていた)。
後は明日例の箱を埋めるだけ…
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息子の部屋にはポータルがあって、部屋の中で息子の魂は泣いていると娘が教えてくれた。
娘にさらに詳しく聞いてみると、
「朝は2体のモノが息子の両手を押えていたけど、手紙を燃やした後は1体になった。まだ傷だらけでずっと泣いているけど。」と。
部屋のドアの前に撒いておいた塩は液体になるほど溶けていた。それを一度全部取り除いて、その夜もう一度塩を撒いておいた。
息子は部屋には入らない方がいいと娘が言うので、その日からしばらく彼をリビングのソファで寝かせることにした。
続く