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時空を超えた旅20 - 満月の夜に… (2021.3.29)

《 満月の夜に… 》

昨日は光輝くフルムーンの下、
いつもの様に焚き火の準備をしていた。

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すると、
どこからともなく聞こえて来る歌声が。

音を辿っていくと、

インディアンの太鼓を叩きながら、
インディアンの歌を月に捧げている、

鳥の羽を髪に刺したジェシカと、
その隣にフェリッピが座っていた。

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私はそこで足を止め、
一緒に月を見つめながら歌に聞き入った。

それはまるで、
時空を飛び越えた異次元のようだった。

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しばらくして焚き火に戻り、
いつものようにミーティングが始まった。

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短いミーティングが終わると、

ポツリぽつりと人が去り、
子供たちもあっという間にテントへ消えた。

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そしていつもの様に、
残った人たちだけで話が進む。



これはまだ薄暗くなったばかりの、
ミーティング前だったと記憶しているのだけど、

(記憶が曖昧で、時間が前後してしまいました。)


パウロが話していた「人の4段階」について、

彼に聞きたいことがあった私は、
勇気を出してこっそり近づいて聞いた。

-

「こないだの話だけど、
4段階目は何をすればいいの?」


自分でもよく分からないけど、

自分の意思とは関係なく、
突然こみ上げる感情と共に涙が溢れたことには、

少なくとも何か意味があるのだろう・・・

そう思った私は、
おもむろにそう質問を投げかけた。

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するとパウロはためらうことなく、
優しい目でしっかりと私を見ながら言った。

「学ぶことだよ。」

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学ぶってどうやって???

全く予想外の答えに、
私はちょっと拍子抜けしてしまったけど、

何をどうやって学べばいいのか聞いてみた。


「今はインターネットで様々なコースを受講することが出来る。僕ももう8年も学んでいるよ。とてもいいのがある。良かったら後で教えるよ。」

ポルトガル語なので、
詳しくは分からなかったけれど、


彼はヒンドゥ-教を信仰していて、

その教えを、
もう8年もオンラインで勉強しながら、

時にはチベットやインド、
韓国などにも実際に足を運んだと言っていた・・・
と思う。

「僕は6年ほど学んだ頃、全ての人への愛は平等だと理解して、妻だけ特別に愛することに矛盾を感じて離婚したんだ。もちろんお互いにいい関係のまま。これも真理の道を進むには、必ず通らざるを得ない道なのだ。仕方がない。」

なるほど❗でも驚いた。

パウロのいう、
全ての対象に平等な愛情というのは、

パウロの立場で、
想像することは出来そうだった。

でも❗

真理の道を行くために、

家族やパートナーを手放して、
一人で生きていかなくてはいけないというのは、

時代と共に、
形を変えてもいいんじゃないか、

と思ってしまった私は、

ヒンドゥー教の教えを学ぶパウロに対し、

私と旦那のこと、
夫婦関係の学びのこと、
自分の思う役割と、
これからのビジョンについて話し始めた。  


その場には、
アリアニやヒカルドもいたと思う。


「 私たち夫婦はブラジル移住後、

沢山の苦難を乗り越えてここまでやって来た。

私たちは考え方も生きる領域も大きく違うのだけど、

私がブラジルに来たのは運命だと思っていて。

今までずっと、

何かある毎に真っ正面から真剣勝負で向き合ってきた。

沢山喧嘩もしたし対立もしたけど、

自分に正直にまっすぐに向き合ってきたことで、

旦那は大きく変わったと思う。

そして今、

彼は私たちをここに連れてきてくれて、

二週間後に迎えに来てくれる。

彼は自分も自由な人生を生きながら、

私の事も理解し助けてくれる。」


「 ブラジルには旦那と子供しかいない。

別れたら子供を連れて日本に帰る❓

その選択肢はなくて。

もし別れたら私がここに残る理由は、

現時点ではなくなってしまうので、

旦那と別れて日本に帰る訳にはいかない。

今はっきりと自分は、

日本とブラジルの真ん中にいると自覚していて、

私はここでやるべきことがあると感じている。

私は日本とブラジルを繋ぎたい。

日本とブラジルは位置も人も文化もエネルギーも正反対で、

それぞれに良し悪しがある。

ずっと二つを合わせて2で割ったら、

バランスが取れていいのにと思っていた。」


パウロは何も言わずに聞いていたけど、
話が終わるとスッとどこかへ消えてしまった。

その後、

話を聞いていた、
アリアニやヒカルドが、

日本とブラジルを繋ぐ、
夢や構想について賛同してくれた。



そうしてその夜から、
物語がゆっくりと動き始めた。

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