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ブラジルで黒魔術21(アヤワスカ体験談)
息子にかけられた「赤い糸の呪い」
気付いてからそれを解くまでの家族の物語。
自分用にメモしていたものを編集してます。
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続き
わたしはまだ泣いていた。
そのうちに儀式は第3章に移っていった。
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インディオのシャーマンの右隣には、ブラジル人のシャーマンマテウスとその助手のヒカルドが、
そして左隣には奥さん、奥さんの弟、さらにマテウスの彼女(奥さん?)ヘベッカが並んでいた。
ギターを弾きながら、奥さんの弟とマテウスが代わる代わる歌った。
それに合わせていくつか太鼓のリズムが加わり、いくつもの声と音が重なり合ってハーモニーが生まれた。
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泣きながらわたしは言った。「みんながわたしたちのために歌ってくれてる。」
その音楽は愛そのものだった。わたしたちをぐるっと取り囲むように音が響き、そしてわたしたちはその声と音のエネルギーに包まれていた。
わたしは泣きながらも、
その愛を感じずにはいられなかった。
そのうち…悲しみの涙は嬉し涙に変わり、
わたしは思わず「ありがとう」と口に出して繰り返していた。
それからしばらく、
悲しみの涙と感謝の涙を繰り返し、
そしてまだわたしは泣いていた。
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泣きながらわたしは、
子供たちの?感情を感じていた。
辛かった。怖かった。悲しかった。
誰も助けてくれなかった…
特に恐怖が一番だった。
幼い子供が恐ろしい目に合っていても、
自分ではどうすることも出来なければ、
状況すら理解できない。
いくら泣いても誰も助けには来てくれない。もしくは大人は平気で嘘をつき、
自分のことを見捨てた。
涙はやがて絶望へと変わり、
泣くのをやめた。
感情を殺した。
諦めるしかなかった。
それでも尚、生きなければならなかった子供たちは、全てが悪意、敵意に満ちたこの世の中で、自分の身を護るために身も心も硬く引き締めた。
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そんなことを感じていたら、
また彼女のお母さんが戻ってきた。
彼女はそんな子供の一人だったのかもしれない…
全てが悪意だと思い込んだ彼女は、
自分を護るために黒魔術に頼った。
そして嘘に嘘を重ね、
黒に黒を重ね、
どんどん深みにはまっていった。
本当は心のどこかで、
気付いていたのかもしれない。
本当は抜け出したかったのかもしれない。
それでもとうとう、
彼女は抜け出せないところまて来ていた。
深くはまり過ぎて、
自分の力ではどうにも、
そこから抜け出せないようだった。
そしてそんなお母さんのために、
自分をお母さんに捧げなから、
娘である彼女も苦しんでいた。
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そんな風に、幼い犠牲者たちと彼女とお母さんが交互に出て来ては、入れ替わった。
そしてわたしはまだ泣いていた。
込み上げてくる悲しみと感謝の気持ちが、
交互に出て来ては入れ替わり続けた。
続く