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インナーチャイルドの記憶を取り戻す旅3(アヤワスカ体験11)

インディオの人たちはそろそろと席を立ち動き始めた。これで終わりなのだろうか?
わたしの物語はまだ始まったばかり。
ここで終わる訳にはいかない…

音はなかったけど、内側から溢れる涙は止まらず、わたしは声を殺しながら泣き続けた。

しばらくすると音楽が流れ始めた。それはあきらかに録音されたモノだったけど、それに合わせてマスカラを鳴らしたり足踏みをしたりする音が混じって、わたしは物語の続きを進める事が出来た。

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突然の出来事にショックを受けパニックになったわたしは、冷静に対処出来ないでいた。

そしてわたしの両親も同様にショックでパニックになったのだけど、2人は未熟さ故にわたしを心配するよりも先に、自分のせいではないと目を背けた。

本当はそれはアクシデントで誰のせいでもなかったのだけど、そんな両親を見てわたしは全てを自分のせいにして心を閉ざしてしまった。そして全部忘れて自分を責め続けたのだった。

そして多分そこの繋がりで「自分はそれに値しない、価値がない」と思い込んでいた。
(とわたしは理解した。)

両親もそれを心の奥底にしまい込んで忘れてしまった様だった。でも無意識のうちに自分を責めていたんだと思う。だから母親はどんどん閉塞的になり、自分を閉じ込めてしまったんじゃないだろうか…

元々母はとても綺麗な人で、若い頃はみんなで飲んで陽気におしゃべりするのが好きだった。写真のイメージなのか?そんな母の明るい笑顔を思い出していた。

そして父はそんな母が好きだった。それだけで幸せだったんだと思う。でもあの出来事と向き合うことを避けた結果、今現在の母親はネガティブに閉じ籠もってしまった。

そして父はそんな母親をどうしようもないと蔑みながらも、自分の責任だと最後まで寄り添うつもりらしい。もしあの出来事がなかったら…2人の関係は若い頃のまま続いていたのかもしれない。

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 充分泣いてからわたしは自分で自分を許すことにした。わたしは小さな子供で何が起こったのか分かるはずはなかったし、上手く対処出来るはずもなかった。そして全部閉じ込めて自分のせいにしてしまったのだけど…

あれは単なるアクシデントで誰のせいでもなかった。両親も未熟であんな反応をしてしまったけど、それも仕方のないことだったのだと思った。

今わたしは大人で、今ならわたしがゆかちゃんを護ってあげることが出来る。1人じゃない。もう大丈夫だから。

そしてわたしは両親の若い頃の写真を思い出していた。当時の2人もショックでパニックになったんだと思う。あれはアクシデントで2人のせいではなかった。あの出来事がないまま42年経っていたら、2人はもっと自分らしく生き生きと生きていたかもしれない。

わたしは当時の2人を理解し許すことにした。そして2人が笑顔のまま42年後に繋げてみた。きっとこれで2人も少しは変わるだろう…

続く

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