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ブラジルで黒魔術2

息子にかけられた「赤い糸の呪い」
気付いてからそれを解くまでの家族の物語。
自分用にメモしていたものを編集してます。

-

続き

彼女のお母さんの電話もメールも、ひどい言葉が満載だったけど、ポルトガル語を知らなかったためにわたしは全然気にしていなかった。

それで見逃していたのだけど…

ある一言に気がついた娘が言った。
「彼女たちは黒魔術を使うって言ってるけど…」

そーいえば…あれ?とは思ったけど、ピンと来なくてスルーしていた。確かに「悪は自分に戻ってくる。わたしたちは黒魔術使いの家族だから」みたいな脅し文句がメールの一番最初に書いてあった。

心当たりがあった。

うちは無宗教だけど、宗教大国ブラジルの様々な宗教の人と関わることがあり、黒魔術は日常的にあちこちでその痕跡を見ていたから、子供たちにも小さい頃から話してきた。

そして気付いたのは、息子が彼女とカトリックの教会に行くと言って2回ほど出掛けていたけど、黒魔術を使う家族がキリスト教を信仰してる訳がないこと…

彼女のお母さんは怒って、この関係はおしまいだと言った。二人の付き合いと学校のこと(いじめと転校)も全てわたしが願った通りになったと。わたしは常に二人を理解しようと寄り添って来たのだけど、彼女と同じでその母親もかなり独りよがりでネガティブな考え方をするのだとこの時初めて気がついた。

そして今、彼女のお母さんはきっとわたしたち家族に対して黒魔術をかけるだろう…

さて、どうしよう?

旦那と話したけど、どうしようもなく…
とりあえず息子は彼女に会わせないようにして、何か新しいこと(アルバイトとか)を始めて頭を切り替えるといいねと話していた。

翌日と翌々日はスマホは取り上げた状態で学校と家のみ。息子が彼女に会うことはなかった。彼は何もせずマットを頭の上に乗せてただ突っ伏していた。

その月曜日、いつも車で配達に出ている旦那が帰ってきて言った。「黒魔術が働いてるよ」と。そして車の後ろのバンパーが潰れているのを見せて、これがなかったら自分が轢かれていたと…

その日の午前中、わたしにも不思議なことが起こっていた。いつものようにビデオ通話で日本語の授業をしていたのだけど、ふと見ると画面の中に👎マークが現れて落ちながら消えていった。一瞬のことで何か分からなかったけど、わたしも生徒さんも何もしてないことは確かだった。

そしてその夜、隣で寝ていた旦那の変な音で目が覚めた。彼の口から溺れているような何かが詰まっているのかそれとも出ようとしているのか?とにかくおかしな呼吸だったので、あわてて揺すって起こした。その後普通に戻ったので寝てしまったけど。

そんなこんなで、大抵黒魔術はかけられてるだろうなと予想出来た。だからと言ってどうすることも出来なかったけど。とりあえず恐れたり不安になることはなかった。

続く…

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