時空を超えた旅19 - ヒンドゥー教の教え (2021.3.28)
《 ヒンドゥ-教の教え 》
サンパウロの山奥で、
16人の仲間とインディアン生活中の、
愉快米こと「ゆか」です。
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あっとゆう間に、
滞在予定2週間の半分が過ぎて、
今日は日曜日。
作業はお休みだった。
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週の前半は、
畑を整え苗を植えた。
後半から、
椅子作りを始めて今も継続中…
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1週間経つとさすがに、
仲間にも作業にも生活にも慣れてきた。
この日、
昼食後のテーブルについたまま、
チベット僧みたいなパウロを囲んで、
何人かが話していた。
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正確には、
誰かが投げかけた疑問質問に、
パウロが答えるのをみなじっと聞き入っている。
・・・そんな様子だった。
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別のテーブルで昼食を終えた私は、
なんとなくそこへ行き、
パウロのすぐ目の前に椅子を置いて座った。
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話の途中だったので、
何の話題について
話しているのかすぐには分からなかったけど、
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しばらくすると、
彼がヒンドゥー教の「ヨギの教え」
みたいなものを語っていることに気付いた。
それは人の成長段階は4つあるというもの。
何となく、
理解しながら聞いていたけど、
そのうちにしっかりと、
その4段階を知りたくなった私は、
パウロにもう一度、
1段階目から、
順に説明して欲しいと頼んだ。
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彼は快く聞き入れてくれ、
1段階目から順を追って、
私が理解しやすい言葉で説明し始めた。
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まずは1段階目。
人々は、お金、地位、肩書き、いい仕事、大きな家、いい車、ブランドのバッグ、高級時計などを追い求めて生きている。要は物質に縛られている。
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そして2段階目になると、
人々は何かをすることに「幸せ」を追い求め始める。旅行に行ったり、趣味に没頭したり、遊びに行ったり、美味しいものを沢山食べたり・・・。でも、幸せは外にはない、自分の中にあるんだよ。
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それに気付いた人は人生の意味を知りたくなる。
それが3段階目。
彼らは「なぜ生きるのか?」「生きる目的は?」をはじめとする様々な事柄について疑問を持ち、学び始める。人間関係、仕事、恋愛、結婚、教育、子育て、健康、生死、使命、役割・・・あらゆることについての学びだ。これはとても時間がかかる。
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この学びを終えると次は4段階目。
神に魂を捧げ、世のため人のために奉仕するようになる。
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その時なぜか分からないけど、
私は「第4段階目は何?」と聞き返した。
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もう一度ゆっくりと、
同じことを説明するパウロ。
その言葉を最後まで聞かないうちに、
私の目から勝手に涙が溢れ出し、
それは止まらずいつしか号泣へと変わった。
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テーブルには、
何人か一緒に話を聞いていた人がいて、
それ以外にも、
昼食を終えてあちこち移動する人の影が沢山見えた。
誰も何も言わず、
私の側を優しく通り過ぎていった。
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私は両手で顔を隠し、
自分では抑えられない、
この湧き出てくる感情をしばらく、
隠しもせず味わっていた。
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しばらくして、
落ち着いた頃顔を上げると、
優しい表情で、
私を見守ってくれている、
パウロの顔が見えた。
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この夜だったか、
翌日の夜だったか忘れたけど、
焚き火の前に座るパウロに近づき、
私は彼に質問を投げかけた。
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「例の4段階目の話だけど・・・
それをするにはどうしたらいいの?」
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すると彼は優しくこう言った。
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続く・・・