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ブラジルで黒魔術3

息子にかけられた「赤い糸の呪い」
気付いてからそれを解くまでの家族の物語。
自分用にメモしていたものを編集してます。

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続き

水曜日わたしは1日仕事で家にいなかった。
学校が休みだったので、
子供たちはずっと家にいた。

実は前日の夜息子に、
彼女ものを全て出してまとめるように言って、かなり息子を責めてしまった。

それで彼は部屋の鍵をかけてしまったので、
翌朝わたしは鍵を外して隠しておいた。

その日わたしは夜中まで仕事して家に帰った。息子の部屋を覗くと、
灯りがつきっぱなしだったので、
消そうと部屋に入った。

そして床に置いてあるスマホに気づいた。

彼のスマホは取り上げて、
隠してあったはずだった。

不審に思いながらも、
それを違うところに置いて、
わたしはいつものように床についた。

翌朝実はそのスマホは彼女のモノで、
息子が隠れて、
彼女と連絡を取っていたことが分かった。

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その件で旦那が、
朝から息子と話していた。

息子はずっと嘘をついていたのだ。
先週の木曜日の一件からずっと、
二人は嘘に嘘を塗り固めていた。

息子はわたしが嘘が一番嫌いだと知っている。そして今まで嘘をついたことはなかった。

見え透いた嘘を重ねる息子の目は、
死んだ魚のように濁っていて、
わたしはものすごいショックだった。

わたしはつい息子を責めたり、
余計なことを言ってしまうので、
旦那に任せて見守ることにした。

旦那はマリア様に護られていて、
彼自身とても強い信仰を持っている。

15-6歳から持っているというマリア様の絵と、小さい偶像を手に持ち、
旦那は息子ではなく彼の中に入ってる何者かに話しかけていた。

その様子を見ながらやっと、わたしは今まで起こっていたことの全てを理解した。

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ブラジルには至るところで「feitiço de amor」という張り紙をみかける。要は赤い糸を結ぶ黒魔術なのだけど、まさかの息子にそれがかけられていたのだった。

その出会いは黒魔術から始まっていたのだ。

息子のことを好きになった彼女、
もしくはお母さんが、
毎週通っている黒魔術の宗教の集まりで、
赤い糸の魔術を頼むのは、
そんなに難しいことではなかっただろう。

二人の出会いは本当に突然で、
その翌日から息子は、
彼女の家に入り浸りになった。

わたしたちは彼のことを信頼してかなり自由にしていたので、
おかしいと思うことはあっても、まさか黒魔術とは微塵も疑うことはなかった。

今思えばそれは、
「黒魔術」で全てが説明出来るのだけど。

娘は色々なエネルギーが視覚化出来る。
娘に頼んで二人それぞれに憑いてる、
悪いモノの絵を描いてもらった。

息子のそれは目がハートマークで、
身体中傷だらけ頭にナイフが刺さっていた。
彼女の方は長い体が2体、手にはナイフを持っていた。

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旦那と息子は彼の部屋で話し続けていた。

娘に部屋の様子を見てもらった。
部屋には彼女のところに続くポータルがあり、息子の魂は2体の大きな存在に手を繋がれ囚われているという。

彼は傷だらけで泣いていた。

エネルギーはとても悪く、
部屋には入らない方がいいと言った。

わたしは旦那が心配になった。
娘に彼は大丈夫なのかと聞いてみると、
自分の父親を見た娘が驚いて言った。

あんな光輝いてるパパ初めて見た。
部屋の半分がパパの光で明るくなってる。
まるで神様そのもの…

あ、なるほど。
じゃあ大丈夫でしょうということで、
わたしは旦那に任せることにして、
その場を離れた。
続く

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