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アマゾネスの約束を果たす旅-女性性の解放-4 (アヤワスカ体験9.10)

アヤワスカ2日目

儀式が始まる直前、わたしはヘナタに昨日の話をした。わたしは今日その続きを完遂しなければならない。そして彼女にサポートして欲しいと頼んだ。

ヘナタは一通り、
わたしの話を聞いてから言った。

「女性性は優しく全てを包み込むもの。悲しみも喜びもあなたの一部であり、あなたはそれ以上に大きな存在なのよ。」 

儀式が始まる前、わたしはもう一度その言葉をしっかりと胸に刻んだ。

今日はアヤワスカの量を減らさなかった。
覚悟は決まった。
わたしは今日封印を解く。

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わたしは小さなコップに半分以上入ったアヤワスカを額に当て「わたしは封印を解き、女性性を解放します。サポートお願いします。」

そうアヤワスカの精霊に伝えると、
一気に飲み干してから自分の席に戻った。

今日は昨日に比べてみんな始まりが早いようだった。それでも体が痺れ始めてからしばらく歌は始まらなかった。

昨日より量が多かったせいか、
今回はかなり強く効いた…

だんだん寒くなって来た。
わたしはお腹と背中にホッカイロそして毛布2枚と寝袋、上着とズボン2枚履きしていたにもかかわらず、どんどん体が冷たくなり凍え始めた。

ヘナタを呼んで毛布をかけてもらったけど、体の温度が0℃なんじゃないかと思う位冷たくて、とても耐えられず…長い間凍えていた。

そのうちアヤワスカがかなり強く効いてきて、わたしは気を失いそうになった。ドラッグ中毒の人はこんな感じで廃人になるのかな…そんなことを考えながら、必死で自分を保っていた。

瞼が重く目もほとんど開けられないまま、わたしはアヤワスカに呑み込まれそうになるのと必死で戦っていた。

「わたしは封印を解放するんだ。」
女人部族の戦士と封印の解放を思い出した。

封印の鍵は…わたしの心だ。
女人部族の戦士の記憶が蘇った。
わたしは罠にハマって、
騙されハートを盗られたんだ。

わたしはハートを
取り戻さなければならない。

-

ほとんど自分が保てないほどドロドロになりながら、それでも目を開き自分を保ち続けようと必死だった。

わたしは家族の元に帰らなければならない。わたしは絶対に帰るんだ。

そう自分に言い聞かせながら耐えていたけれど、本当にしんどくて、わたしは何度かヘナタに助けを求めた。

しばらくして彼女はわたしの横にやって来た。そして「深呼吸してリラックスして。アヤワスカの力に身を委ねなさい」と言った。

わたしは仕方なく横になり、深呼吸した。
身を委ねたら自分を失ってしまいそうで、
委ねることは出来なかった…

そのうち…自分の胸にハートがあることに気がついた。わたしは、赤ちゃんを抱くようにそれを胸の所で大事に抱えていた。

「あ、ある…」

このまま見つからないように隠していよう。そんなことを思いながらまだ必死で自分を保っていた。

しばらくして実は…それが自分が探していた鍵だと気付いた。でも…何の反応もない。

わたしは今朝の朝食でヒカルドが言っていた「種を活性化する」話を思い出した。
「そうだ!活性化すればいいんだ…
そのためには火で温めるんだった。」

ハートを取り戻したけれど凍結しているので、活性化させて感情を取り戻さないといけない。わたしは赤い光をイメージしながら胸に手を当て続けた。

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思いだしたのは、女人部族の約束…
そうだった!心は奪われたんじゃない。
隠したんだ。

女性性の時代から男性性の時代へ。

生き延びるためにはどうしても、
女性性を捨てざるをえない状況だった。

仕方なく心を隠して「再び女性性の時代が来るまで大切に隠しておく。でもその時が来たら、必ずわたしがその剣を引き継ぎに来る。」

そんな約束をしていた。

女人部族の戦士は男の子が生まれたら殺してしまったらしい。

弓矢部隊だった彼女は左乳房を切り落とし、今もその跡が体に残っていると教えてくれた。

心を外し完全に冷血にならなければとてもやってられなかったのだ…

そんな状況の中ここまで、心を守り続けて来てくれたことを思ったら、急に感情がこみ上げてきた。

そして奥に秘めていた、甘えたかった、寂しかった、一人だった、辛かったなどの感情が出て来て泣き始めた…

-

わたしはまだ、
かなり強いアヤワスカの力の中にいた。

まだ自分を保つのに必死だった。
止まらない喉の渇きと喘ぎ…どうすることも出来ず、ただ必死だった。

しばらくしてからヘナタが来て、わたしをマエストロの前に連れて行ってくれた。わたしはマエストロの前に正座して向き合った。

「まだかなり強いアヤワスカの力の中にいる」そう確認した後、「あなたが楽になるように助けましょう。」マエストロはそう言うとマエストラのエリーザと共にわたしのためにイカロを歌ってくれた。

それでもしばらくは私の心は動かず…
無感情のままだった。

歌が始まって随分経った頃やっと…
ここでハートを守り続けてくれたことを思って(多分それもわたしかも)感謝の気持ちが湧いてきた。それから様々な辛かった感情も出て来て、わたしは声を上げて泣き始めた。

沢山泣いた頃イカロが止んだ。そして、マエストロがわたしの頭頂に向かって植物の水を3回吹きかけた。

少し落ち着きを取り戻した頃、隣にリカちゃんがいたことに初めて気が付いて驚いた。

自分の席に戻ってからもまだアヤワスカの力は続いていて、わたしはハートをちゃんと受け取ったことをもう一度確認した。

その時、自分の心臓の辺りに何か痛みのような存在感を感じ、また腕の血管?などで感情も感じた。
今度こそ本当に自分に感情が戻ったという実感があった。わたしはしばらく自分の胸に戻ったハートを感じていた。

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今までの涙は種となって大地に広がる。
それはわたしだけじゃなくみんなも一緒にやってくれてる。一人じゃない。

それが芽吹き緑が広がっていくのだ。わたしはディズニー映画「モアナ」のラストシーンを思い出していた。

そうあんな感じに。
今までは心を凍らせ男性性の時代を生き延びてきたけど、再び女性性の時代が来た今役割を変え今度は愛を広げながら世の中を守っていくのだ。

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足元がふらつかなくなった頃、急にトイレに行きたくなった。

「あ!種に水をあげるんだ。」

そう思いトイレには行かず、草原の端っこにしゃがむことにした。

終わって戻ろうとした時、後ろからヘナトが現れた。??何かと思ったら、彼はわたしの手に精油を垂らしてくれた。

彼の言葉はよく分からなかったけど「よくやった。頑張ったね。」と祝福されたような感じで嬉しかった。

その後大きい方に行こうと思い、
今度は水なしトイレに行った。
(ティピからそう遠くない所にあり、
ロウソクの炎が灯されている。)

あまり出なかったけど…
「これは大地の肥料なんだ」と思った。

そしてティピに戻ると、
丁度ヒカルドが歌い始めたところだった。

わたしはヒカルドの声が大好きでやったー!と思いながら自分の席に戻り、その歌声に聴き入った。

彼は心を込めて2曲歌った。そうだ!マテウスは男性性でヒカルドは女性性なんだ。

大地にとってこの歌は、
「エネルギー的な栄養」だなぁと思った。

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翌朝、儀式の後にオイルを手に垂らしてくれたヘナトに会った。昨日祝福を感じたことを伝えると、彼はぎゅっと強くハグしてくれた。

そしてその後、彼は自分のハートとわたしのハートを合わせた。わたしは心臓の鼓動を感じた。やっぱり…ハートがある。

そして彼はわたしの両手のひらを取り息を吹きかけ、それをわたしのハートに戻した。白い光がハートからわたし全体に染み込んで行くのを感じた。

続く

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