VDSLマンションで回線速度を4.6xした話
VDSLマンションということで速度面などはもともと諦めていたものの、打ち手がないわけではないことを知り、実際に大幅に改善できましたという回顧録です。
なお、ネットワークの話に特別詳しいとかではなく、あくまで自分が意思決定をするにあたって調べたことをまとめたものになります。あしからず。
最初にサマリです。あとは日記みたいなものなのでかいつまんでどうぞ。
ことのはじまり
「中古を買ってリノベーション」ということに興味があったこともあり、今は実際にリノベーションを行った中古マンションに住んでいる。
住環境については自分の好みに合わせて作っているので満足しているのだが、リノベーションでは変えられないネット環境については課題が残る。
やはり、数十年とたった物件から選択していくにあたっては、どうやっても光回線が導入されているという条件で縛ることは現実的ではない。
このような背景と、基本的には出社する働き方を好んでいたこともあり、結果としてVDSLマンションを受け入れる決断をした。
Google Meetが安定しない
当然ではあるが、会社のネット環境はすこぶるよい。ZoomだろうとMeetだろうと何ら問題はない。だが、自宅からだとこれが安定しない。
数分おきに通信の瞬断が発生してしまう。
調べたところ、Google Meetは4Mbpsあれば問題なく利用ができそうだ。
VDSL方式は100Mbpsが理論値であるが、
計測してみると、この理論値に肉薄する結果となった。
(そういう意味では、優秀なVDSL環境だったのかもしれない。)
そうなるとレイテンシのほうが課題か?ということで計測。
なお、Google MeetはHD動画の場合は50msを要件としている。
_人人人人人人人人人人人人人人人人人_
> 明らかにおかしいスパイクがいる <
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手元で適当にpingを打ちつつtcpdumpで中身をみてみても、やはり自宅のネットワークが悪いことは明らかであった。
VDSLという後ろめたさが日に日に大きくなる
本来的なトラブルシューティングとしては、Wi-Fiルーターから見直していくべきではあるのだが、考えれば考えるほどVDSLであることの後ろめたさが募っていく。
もちろん、日常生活を送る分には十分な品質であることは間違いないのだが、やはりオンラインの世界で生きるには忍びない。
そんなこんなで、VDSLの世界から脱却する手段は本当にないのか?と真剣に調べてみることにした。
ホームルーターを検討する
光回線が導入できるならそもそも困っていないわけで、そうなると共用部の工事を伴わないホームルーター案が自ずと浮上する。
ホームルーターの通信方式としては大きく2つ。
「モバイル回線」を用いたインターネット通信
「ローカル5G」を用いたインターネット通信
一般的に有名なのは前者の「モバイル回線」を用いた方式だろう。
これについては通信各社が強みのある領域であり、例えばhome 5Gの場合5Gエリアであれば最大速度としては4.2Gbpsと表記されている。
現状の速度から見れば非常に魅力的な選択肢であるが、弱点として「安定性」「ピークタイムの速度劣化」「上りの遅さ」がよく挙げられている。
特に「安定性」は現状課題にあげていたものであり、同様の悩みを抱える可能性があるとなるとどうしても二の足を踏んでしまう。
一方で、これらの課題を解消したものが後者の「ローカル5G」を用いた方式となる。
なお、ローカル5Gってそもそもなに?みたいな話は以下の記事に詳しい。
そんな夢のような仕組みではあるが、この方式を採用しているNURO Wireless 5Gはまだまだサービス展開を始めたばかりであり、対応エリア/マンションは極端に少ない。
たとえ提供可能エリアであっても、サービスエリア化されるにはマンション内やその近辺に基地局が設置されている必要がある。問い合わせても計画の有無含めて予定は一切教えてもらえないため、仮に対応されていたらラッキーくらいな位置づけであるのが現状だろう。
G.fastとの出会い
あぁやっぱりVDSLマンションをこのリモート全盛の時代に甘く見ていたなぁと後悔をしていた矢先に、1枚のチラシを発見する。
普段であればまたいつもの営業かくらいにしか思わないのだが、そこには「本マンションはG.fast導入済みです」という見慣れない言葉と共に、VDSLでありながらも下り100Mbpsを大きく超え664Mbps出ると書いてある。
またまたそんな夢みたいな話がありますかいなと思いつつ、困っていたのは事実なので「G.fast」について調べてみることにした。
なるほど?謎技術にしか見えないが、どうやら夢ではなさそうです。
auひかりに入信 救われる
乗り換えた際の目立ったデメリットは何一つなく、G.fastに対応しているマンションであることもわかっていたため、すぐに乗り換え手続きに。
では、実際乗り換えてどうだったのか。結果は以下。
91Mbps → 420Mbpsに…!!! (4.6x)
正直、計測するまでは半信半疑でしかなかったのですが、ちょっと切り替えるだけでここまで速度があがるのはかなり嬉しい…!!!
また、今まではIPv6を利用するには光BBユニットを別途レンタルする必要があり利用していなかったのだが、auひかりだとIPv6は標準装備となる。
ということでIPv6という新たな力を測るため、IPv4と比較してみることに。
(このタイミングでGoogle Public DNSに向き先も変えました。)
「安定性」「通信速度」どちらも良いスコアではあるが、IPv6の方は文句なしのスコアが出ている。スゴイ。
(正直IPv6を使うとこんなにも違うって知ってたら光BBユニット借りてた。)
レイテンシを時系列で計測しても、昔のようなスパイクは見られない。
Google Meetの50msの要件も問題なく満たしていそうだ。
なお、IPv4だとたまにスパイクしてしまうこともあったが、MeetもZoomもIPv6に対応しているので問題はない。
実際、今のところは過去発生していたような事象は発生しなくなった。
まとめ
VDSLマンションにお住まいの場合、「G.fast」もしくは「ローカル5G」に対応しているかを調べることで救われるかもしれません。
また、「IPv6」は標準/オプションの差はあれど、大抵のプロバイダはこれに対応しているので、仮にIPv4を利用している場合はこれが一番手っ取り早い対応策になりそうです。
今回はちょっと出来すぎた話かもしれませんが、それでもちょっと契約を変えるだけで大幅に改善される可能性があるというのは、面白いケースではないでしょうか。
VDSLマンション同志に届きましたら幸いです。