中国とアメリカの仮想通貨代理戦争
こんにちは、yuka.です。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
香港は秋が深まり、こちらではおなじみのくにゃくにゃと伸びるタワーマンション層ごしに見える島々の紅葉が美しい季節になりました。
こちらの女性はおしゃれでブーツが大好きなので、先月ぐらいから急にブーツの人が増えましたね。
私もお気に入りのロングブーツを履いてちょっとしたドライブなどを楽しんでいます。
さて今日は、ちょっとした書き物を用意したので、教養がてら読んでみてください。
題して、中国とアメリカの仮想通貨代理戦争です。この2国が仮想通貨とどのように付き合っていったか、ちょっとだけ紐解いていきましょう。
<第1章 仮想通貨代理戦争>
・中国はかつて世界最大の仮想通貨の採掘国だった
「仮想通貨の採掘」というのは、まぁマイニングのことを指すのですが、簡単にいうとパソコンですっごい複雑な計算をして新しい仮想通貨を"発行"してしまうことです。
これは大量の電力が必要で、安価で入手できる国や地域が有利となります。
そして、かつては電力のとてつもなく安い中国が仮想通貨の採掘において世界一の勢力でした。
ものの研究によれば、中国がBTCを生み出す能力は世界全体の75%以上を占めるとも言われていました。
yuka.は中国史にちょっと詳しいのでちょっとドヤってしまいますが、中国の採掘業者は、石炭の採れる内モンゴルやウイグル、水力発電が盛んな四川・雲南あたりの地域に集中していたそうです(えっへん)。
大学で第二中国語を先行して無駄に気合いを入れて研究発表などした甲斐がありましたね・・・笑。
・アメリカは対テロ組織という意味ではアンチ仮想通貨
一方でアメリカは完全なアンチ仮想通貨です。
この理由は明らかで、仮想通貨が詐欺やテロ組織の資金プールの役割を果たしているからですね。
いまやサイバーテロにおける"入金先"が仮想通貨のアドレスだったりしますから。
この辺の中国/アメリカの対立はまるで物語のように理路整然とした軸があるように感じられるのですが、中国が仮想通貨を締め出す方針を打ち出したことで混乱を招きます。
ちなみにyuka.はアメリカが仮想通貨取引の規制を議論し始めたあたりにショートを仕掛けたら投機的にはちょうどよいのでは、と考えていました・・・が、のちにそれが誤りであったことが分かります笑。
やはり仮想通貨はショートだロングだと長期的な視座を持つよりは、1ヶ月とかの短いサイクルで読み切った方が楽ですね。
私は現在もこの手法を応用して稼いでいます。原理的にはサイキョー(自称)です。笑
<第2章 誰も予想しなかった対仮想通貨政策>
・潮目が変わったのは中国による「採掘所・取引業者締め出し」
この辺は一斉の流れでしたね。共産主義国家はこういうのが怖いです。
一応流れとしては段階的で、2017年のICO禁止、2019年のマイニングの有害リスト入り、2021年の仮想通貨取引の全面規制、といった感じでしたが、一番の打撃は2021年の取引停止でしたね。
ちなみにこれらの規制の背景には、デジタル人民元(CBDC)導入・浸透があったと読まれています。
さらにちなみにですが、この付近で私は香港への移住を始めた時だったので、「あれコレまずいんじゃ・・・」みたいな焦りに駆られたことが思い出されます。
・逆にアメリカへの採掘業者の流入が起こった
中国がそういう締め出しをしたと思ったら、今度はアメリカのテキサス州で採掘所の誘致があり、続々と中国の採掘業者の流入がありました。
※ 一部はカザフスタンなどにも流れています。
この辺は本当に意味が分かりませんでした。
ただ電力料金を考えたらこの判断はあながち間違いではなさそうだなとは思いました。
余談ですがテキサス州は税金も安いし再生可能エネルギーの推進が盛んで、かつ州知事が採掘所の誘致に積極的な姿勢を見せたりと色々ムチャクチャで、今でもアメリカの採掘シェアの半分以上を占めています。
こうして、仮想通貨における中国の存在感はドラスティックに薄まることとなります。
現在のアメリカの採掘所は世界シェアの30%以上とされており、分散化したとはいえ文句なしでNo.1のシェアといえます。
反テロ組織の親玉なのに、なんだか不思議な話ですよね。
※ 非公式ですが、中国では水面下の採掘が復活しており、その世界シェアは10%とも20%とも言われています
・現在はアメリカでも反仮想通貨の流れは活発
とはいえ、アメリカには対テロ組織の親玉という誇りがあります。テキサス州に蝟集する採掘業者についてもも内心快くは思っていないはずなのです。
このため、仮想通貨絡みの(特に中国出身の)組織にはチクチクと攻撃を仕掛けている感じです。
大きめのものだと、FTXを詐欺&違法な政治献金で起訴したり、もうちょっと前だとCoinbaseを詐欺罪で起訴したり、やることは結構派手なんですよね。
最近だとBinanceのこれですね。
これまでの金額から合算して、気前よく1兆円を支払いできるBinanceもどうかしてますが、それにしても恐ろしい規模です。
こんな感じで、中国もアメリカも仮想通貨を締め出す方針に変わりはなく、逆に新興国がその担い手となりつつあるのが現状です(ロシアは置いておいて・・)。
いまだとカザフスタンが電力需要に答えるべく、原子力発電所を建設しようとしてたり、カオティックな仮想通貨が更に新しいフェーズに突入しようとしています。
<終わりに>
いかがでしたでしょうか。
ちょっと趣向を変えた読み物を、自分の頭の中の整理がてら用意してみました。
好評なら今後も書いていこうと思っています^^
それではまた!