同じクラスのヤンキー男子から尊敬された時の話
お久しぶりです。
結婚式準備やお仕事でバタバタとしておりました。
入籍から約1年、先日にようやく結婚式を挙げたのですがそれとは全然関係ない中学生の時の思い出話をします。noteはどこまでも自由だ。何故なら趣味だから。
あれは中学2年生の時のことです。
同じクラスにすげー性格の悪い男子がいました。
「すごい」とかじゃなく「すげー」が合ってると思う。
もう今だからこそ悪ガキ。とも思えますが
とにかく対象が誰であれ何であれ
辛辣な悪口を言ってくるタイプの男子で、一度彼にロックオンされたらひたすら高圧的な悪口を受け、怖いしへこむ。
ヤンキー系男子グループにいて、女子はギャル以外大体怖がっている、とにかく「あいつは性格が悪い」「やばい」と言われているような悪ガキでした。
私も例に漏れず彼のことがとても怖かったし いつかロックオンされるんじゃないか。どうか視界に映さないでくれ と 同じクラスになったことを恨みビクビクしながら毎日を過ごしていたのです。
しかし、ある日の事。
私は思いがけず彼に尊敬されることになったのです。
…とは言っても、別に「尊敬してます!」とか直接言われたわけじゃないけれど。 でもあれは尊敬されていたと思う。
そのキッカケとなったのは、図書室で資料探しをする授業中のことです。
私の近くで本を探していた彼が突然話しかけてきました。
「なあなあ、お前ってエロいの?www」
なんて言うことだ、ついにロックオンされてしまった!と思いました。
因みにこの質問に意図や流れなど全くなく完全に単なる煽り
決して私が図書室でエロ本を探していたわけではない
中学生男子ってそういうものです。いや知らんけど
突然のことに「え?」と聞き返す私
にやにやしながら、返答によってどんな悪口を言おうか考えているであろう彼
私は怯えながらもお得意のポーカーフェイスでその様子は外に出さず
そして、一瞬で思考を巡らせました。
…ー取り立ててエロい訳ではない。
けれどもここで、ただ「エロくない」と答えるのは違う気がする。
「エロい」と答えたらそれはそれで問題になる気がする。
私は見た目も素行も地味だし、相手の欲しがっている以外の返答をしないとしばらくネチネチいじめられそうだ…。
そうして私の出した答えは
「まあまあかな?」
でした。
「…え?エロいの?」
「まあまあだよ。エロくないとは言わないよ。」
「…」
絶対に「エロくない」と答えると予測していたであろうクラスの地味女が出した予想外の答えは彼にこちらの期待以上の動揺を与えたらしく 普段なら悪口大炸裂のターンで彼はまごついて何も言わなくなってしまっていました。
私も内心はビクついていたもののそんな様子はおくびにも出さず、その場を颯爽と去りました。回想の中ではかっこいい。
その次の日からです。
彼はいつも通りあらゆるクラスメイトの悪口を言います。口を開けば悪態しか出てこない。そんな彼が。
「おはよう!チョフさん!」
…実際当時はそんなあだ名では無かったですが。要はあだ名で呼ばれるようになりました。その前までは苗字呼び捨てだったのに。
しかも何だか声色に悪意がない。
なんか突然友好的になってないかこいつ
よく分からないけれど、取り敢えず友好的なのは良いことなので、挨拶を返しました。
そうしてその日の体育の時間。体育祭前でリレーの練習がありました。
彼は足が遅いクラスメイトの走る様子を見て
「足遅え キモ」
「走り方ダッセ」
「まじねえわアイツありえない」
といつもの悪口を連発します。
私も足が遅い。キモいとか言われるんだろうな、と重い気持ちになりながら走り、戻ってくると彼が私に近づき、言いました。
「いや、チョフさんは足速くないけど、走り方すげーかっこいいよね!!!」
…
…
こいつ、私のこと尊敬してるぞ!!!!
確信しました。
なんというか、恋心からの媚売り的な褒め方と、何か違うのです。
純粋に私を「かっこいい人」として扱ってくれているというか。
それからもいうもの。
私がテストで良い点をとれば
「さすがチョフさん!」
気が効くリアクションをとれば
「チョフさんいいね!」
何は無くとも
「チョフさん面白いから!」
因みにこの間、彼の悪口グセは全く治っていません。
もう完全に尊敬されてんじゃん。
中学2年生の頃は突如仲が良かった子からいじめられるなどし、かなり辛い歳ではあったのですが
少なくとも「ヤンキー男子の悪口が怖い」という悩みは解消されました。
それから3年生となりクラスも離れた彼とは自然と疎遠になり、特に接点もないまま卒業しました。
そうして時を経て、成人式を迎えます。
成人式は、お決まりの中学時のメンバーでの飲み会に参加したのですが
何故かうちの中学の人は男はエ○ザイル風、女はギャルばかりになっており
さらに先ほど述べた中2の時のいじめのせいですっかり人間不信MAXだった地味な私は全く楽しくなかったです。早々に帰ることにしました。
ろくに別れを告げることもなくそそくさと帰り支度をしていると。
「あれ?チョフさんじゃん!」
元悪ガキの彼が話しかけてきたのです。
「久しぶり!もう帰っちゃうの?」
「久しぶり、うん、もう帰るよ」
「そっかあ、残念だけどそしたらまたね!!」
それだけの短い会話でしたが
1人先に帰った私に気付き、声をかけてきてくれたのは彼だけでした。
それで好きになるとかは全然全くありませんでしたが、少なくとも成人式の日の唯一の良い思い出になりました。
やっぱり私のこと尊敬してたんだな
と思った。
そんな思い出です。
それ以来会っていないけれど、元気にしているでしょうか
風の噂で悪口癖はすっかり治って誰にでも優しくなっていると聞きました
私の人間不信もだいぶ治りました
今日はここまでです。
さようなら