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繋ぎ役のこぼれ話~助成金の精算払い~(29/100)
こんにちは、まえゆかです。
最近はもっぱらパラスポーツではなく野球の仕事をしているまえゆかですが、今日は「渋谷の体育会」の収録がありました。
この100話シリーズの中でも「渋谷の体育会」のことは今後書いていきたいなと思っていますが、2021年に実施したパラスポーツすごろくのその後のことをお話して、新しい取り組みなりそうな楽しい予感をしているところです。
毎週日曜日の21時から渋谷のラジオ専用アプリまたは公式noteでバックナンバーの視聴ができますのでぜひぜひお聴きください!
前回は
助成金の話がひと段落し、私が競技団体支援の担当者として行っていた企業と競技団体の繋ぎ役のお話をしました。
今日はその時のこぼれ話の一つを。
”精算払い”の苦しみ
パラサポの助成金制度を作る時に競技団体へヒアリングを実施した中で、びっくりしたのが「精算払い」のこと。
当たり前と言えば当たり前なのですが、助成金というのは多くの場合、採択は決まってもお金が振り込まれるのは事業の実施後になります。
「このくらいの金額をこういった目的に使っていいよ」という許諾は事前にいただいた上で事業を実施し、所定のフォーマットに合わせて報告書を提出すると、助成金として認められた額が振り込まれる仕組みです。
助成金の制度によって、対象になるものやならないものなど細かく要綱に記載されています。
そのため、実際に事業をやってみたら予定よりも総額が少なくなったり、予定よりも多くなったけれど、助成金で対象にできない項目になってしまったりということも発生します。
数十万円や100万円程度の話だったら、大きな問題ではないかもしれませんが、強化費となると1年分の日本代表活動の費用なのでそれなりの金額です。
最小でも300万円とか400万円とか。
2015年頃は、強化費の処理を担当する人の人件費なども支給されるようになっていたので、総額として助成される金額は最低でも500万円以上になっていたと思います。
日本代表としての人数の多い競技や、競技力の高い競技になると1億円に近しい金額の助成を受けているケースもあります。
これらがすべて「精算払い」で行われているので、競技団体はその年の強化活動を行うためにこの資金を「立て替える」必要があったのです。
でも、専従のスタッフもいない団体の銀行口座に、500万円も自由に使えるお金があると思いますか?
あるわけないんです。。。
多くのスタッフの方が、個人の定期預金を解約して一時的に立て替えて、強化費が振り込まれたら戻してもらうという自転車操業状態。
雇用関係もないのに、競技団体のために身を削っているスタッフの方々に頭が上がりません。。。。
2020年に向けて、強化活動の予算は増額傾向にあり、団体として協賛金等の一般会計が充実しない限り、使えるはずのお金を使いきれず、満足に強化活動を行えない可能性も出てきます。
パラサポ助成金は前払い
これ以上、競技団体のふところを苦しめるわけにはいかないので、パラサポの助成金は採択が決まったらその金額は4月に前払いします。
もちろん、リスクはあります。
使い込みされちゃったら、返ってこない可能性もありますし。
でも、そこは性善説で進めるしかないんです。
助成金が使い切れなかった場合は、翌年の監査が終わったタイミングで変換してもらいます。
このあたりが、公的な助成金だと経理処理的に「返還」というのが難しくてできないのだろうと思いますが、民間の助成金である強みと優秀な経理スタッフのおかげでこのややこしいお金の流れを綺麗に整理してもらうことができました。
なんとかしたい
それでも、増え続ける強化費の予算に対応するための負担は軽減してあげたい。
なんとかすることはできないのか・・・
困っている団体の多くはスポンサーがついていないところ。
スポンサーが増えて、競技団体のキャッシュが安定するのが一番ではありますが、なかなかすぐに大口のスポンサーを引っ張ってくることはできません。。
仮にスポンサーがついたとしても、強化費で出て行ってしまうとなると、主催事業でのチャレンジもできません。
助成金という仕組み上、精算払いであることは仕方がないかもしれませんが、何とかして前払いにならないか…
と考えていた時に、パラスポーツへの支援をしたいとお問い合わせをいただいた金融機関がありました。
金融機関・・・!!
これは・・・もしかして??
閃いたらダメ元でご相談です。
元々、難しいお話ですから、最初からうまくいくとは思ってません。
嫌われない程度の当たって砕けろ精神で。
お問い合わせいただいたのは、競技団体へのスポンサードが目的だったので、マッチしそうな競技団体のご紹介をいつも通りさせていただきました。
並行して、パラスポーツの競技団体には助成金の立替払いの負担があることもてお伝えさせていただいて。
当初の考えでは、強化費の採択が決まった段階で、採択通知を基に競技団体へ1年間の融資をしていただけないかなと。
正しい手続きに則って報告書を提出すれば、精算してもらえるものですので、一般的な融資よりも返還の確度の高いものです。
法人としては小規模なため、信用面では課題があると判断されがちかもしれませんが、踏み倒されるという危険性は少ないのではないかなと思ったのです。
ご担当の方も、全く無理という感じでもなく、前向きにご検討いただけている雰囲気。
最終的なところには私は絡んでないんですけど。笑
というもの、強化費の採択を決めているのは日本パラスポーツ協会で、強化費を受け取るのは各競技団体で。
このやりとりの流れにパラサポは一切絡んでいないので・・・
関係ないことに首を突っ込んで、何とかしてあげたい!
とお節介に思っただけのことなのです。
最終的に、金融機関のご担当者様が日本パラスポーツ協会(JPSA)の方とご調整をされて、当初考えていたように各団体への融資ではなく、JPSAに融資をして、JPSAから各競技団体へ前払いのような形で交付する形になったようです。
融資の場合、利子が発生してしまいますが、金融機関様からJPSAの方へ利子相当分の金額を寄付するという流れで融資の負担もない形でまとまったようです。
何かその時に関するプレスリリースとかあるかなーと思って探してみたのですが、ヒットするものがなく・・・
当時は短い文章でWEB記事とかになっていたような気がするのですが、さすがに2016年とか2017年の小さな記事だと残ってないですね(^-^;)
でも現在も毎年一回、寄附のご報告は掲載されていたので、おそらく今も継続した取り組みになっているのかなーと思っています^^
今回はちょっとしたこぼれ話的なものでした。
次回は、何を書こうかな!
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2024年中に100話まで行くのか?!
ぜひ皆様に見守っていただきたいです。
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