受容と容器
42歳「脳が壊れた」ルポライターのその後〜私が障害を受容するまで #現代ビジネス http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50288
できないことはしょうがない。逆にできることを緻密に真剣にやればいいし、できないことは人にやらせるという男前な女王様体質が、妻の受容のスタイルだ。周囲からすれば結構迷惑だが、生き抜く上で理にかなってはいる。
これ、ああわかるなぁってエピソードがデイケアであったので、記そうかと。
男性も含めた数名でデザートを食べていた。食べ終わって三々五々器を残したまま、去っていく人たち。食べ終わった私は後片付けに入っていた。一人で片付ける様子を眺めながらゆっくり最後まで食べていたその男性は、「片付けて偉いなぁ。みんな遊んで悪い人たちやなぁ。ごちそうさまでした」と食べ終わったその器を私に向けて差し出した。私はばたばたと慌ただしさもあり、差し出された器に「ありがとう」の言葉とともに集めた器を重ねた。
「えっ」と驚きの表情を浮かべたあと「上手に人を使うなぁ」と笑いながら男性は器を洗ってくれた。食べ散らかして遊んでいた人たちはバツが悪そうに笑っていた。
男だから、女だから、と自然に洗ってもらえると思って差し出された器に私は当然引き受けてくれるんだって思い込んで自然に重ねた。
いろいろな当事者がいて、できることはする、できないことは無理しないでいい。人を使う名人と評される私は、以前は一人で抱え込むタイプだった。以前の私だったら、その器を受け取って洗っていただろう。
ダメな私を受容することができて、人を使う名人になれた。
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