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ホットケーキがおいしく焼けた朝は。
休みの日は絶対にアラームを掛けない。
好きな時間まで寝て
好きな時間まで布団のうえでごろごろする。
頭は起きてるんだけど
あともう少しと心が言っている。
そろそろ起きるか・・・
とスマホの画面を見ると
時間はまだ7:00と表示されていた。
まだ寝られたなぁと悔しく思いながらも
目が覚めてしまったので渋々ベッドを降りる。
最近は朝からあまり食欲が湧かないので
飲み物だけで済ませるのだけれど
今日はなんとなく何か作りたい気分になった。
冷蔵庫を開くと賞味期限の近いたまごが見えた。
扉にくっついた棚には少しだけ余った牛乳。
これはあれしかないでしょう・・・
不器用オブ不器用なわたしだけれど
お菓子作りだけはある程度できる。
料理がとっても上手な母方のおばさんから
小さい頃に何度かお菓子づくりを教わっていたので
その影響かもしれない。
おばさんと表現したけれど
いつもは名前で呼んでいる。
おばさんというと怒られてしまうので
念のため訂正しておく。
まずホットケーキミックスの入った袋の口を
ハサミで少し切ったら空気を含ませて手で塞ぎ
シャカシャカと振る。
これはおばさんから教わった方法。
ダマができなくなるらしい。
これが良い方法なのかどうか定かではないけれど
これまでダマになったことはない。
続いて卵と牛乳を入れてかき混ぜる。
あっという間にタネの完成。
フライパンを温めているうちに
布巾を水で濡らして絞っておいて
お皿とフライ返しを準備して万全の準備完了。
小さい頃からしょっちゅう作っているので
ホットケーキづくりだけは手際が良い。
ホットケーキづくり”だけは”だ。
大事なことなので2回言った。
温まったフライパンを一度布巾で冷まして
おたまで一杯分のタネを
フライパンに落として数分。
生地がぷくぷくと息をし始めたら
フライ返しの出番だ。
理想はフライパンを振って
くるっと宙返りさせたいのだけれど
失敗するイメージしか湧かないのと
やってしまった場合のお掃除が面倒なのと
なによりホットケーキさんに申し訳ないので
安全にフライ返しでひっくり返す。
チャーハンみたいな炒めもので
器用にフライパンを振るう人って
本当にすごいなといつも思う。
わたしだったら
ライスシャワーが降り注いでしまう
そんな未来しか見えない。
ガスコンロの掃除って本当に面倒なんだから。
IHならまだしも。
いやこの記事で語るべきはそこではない。
・・・・・・・・・・
1枚、2枚とホットケーキを焼いていくうちに
部屋中に甘い香りが漂う。
わたしはこの香りが世界一といってもいいほど
幸せになれる香りだと思う。
焼き菓子やパンが焼けるときの
甘いけど甘すぎない香り。
思わずニヤけてしまう。
そしてそこにコーヒーの香りも合わされば
今日の朝はわたしの勝利だ。
(誰と戦ってるのか知らないけれど)
三度の飯より睡眠が命なわたしだけれど
早起きして朝の時間をまどろみながら
ゆったり過ごすのは好きだ。
とはいえ自分の気持ちが向かないかぎり
お布団とは仲良くしていたいのだけれど。
こういう日がたまにあるから
良かったりもする。
夕日よりも朝焼けの方が
なんだか神秘的で特別に思えるのとおなじ。
早起きした日の特別感って
なんでこんなに良いのだろう。
遅くまでお酒を飲んで
誰もいない夜道をふわふわ歩くのも
嫌いじゃないけれど。
そういう曖昧なものは
答えがわからないから良かったりもする。
”なんか良い”
そんな感じで良いのだとおもう。
早起きして
ホットケーキがおいしく焼けた朝は
なんか良いなぁ。
由佳
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