未来はまだら、新しい価値観と出会う町、肝付〜破壊の学校0日目
破壊の学校の前に行ってきました。
0日目というのは、カリキュラムにはないですが、前日のイベントにたからのやま奥田さんと慶應義塾大学堀田聡子さんが奇跡的にも揃うと聞いて。
会場となる肝付町の文化センターで、居心地のいい地域づくりみんなで学びあおう!〜地域ケアを支える仲間たちの集い〜
主催:肝付町 肝付町社会福祉協議会
協力:ケアニンず〜
奥田浩美x堀田聡子(慶応大学教授)対談
堀田聡子氏略歴:慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科教授
健康マネジメント研究科委員。京都大学法学部卒業後、民間シンクタンク研究員、東京大学社会科学研究所人材ビジネス研究寄付研究部門特任准教授(在職中に博士号取得)、オランダ・社会文化計画局研究員 兼 ユトレヒト大学社会行動科学部訪問教授、労働政策研究・研修機構研究員、国際医療福祉大学大学院教授等を経て2017年4月より現職
ちょうど、1ヶ月前に高齢者の課題解決の話題をR-SICで聞いてきたばかり。100年生きるための働き方に疑問があり、多様化ってなんだろう。みんなの視線はどこに向いてるんだろうかと、0泊2日で参加したとき、初日の最後のセッション
マッチングビジネスにチャンスあり!?高齢者「就活」最前線
八王子の守谷 卓也(株式会社ウインドミル 代表取締役)さんの話を聞きに行ってきました。http://hp.kaipoke.biz/ebm/
認知症になった方が緩やかに進行するときの間、仕事をできるようにコーディネートされている話。堀田先生の事例紹介でも出てました。洗車の話。森谷さんは当たり前ののことをしているだけです、と。”当たり前”って何だったんだろう。
高齢者の方々の幸せって言うのは何だったんだろう。親の介護をする側人と出会うことがあります。仕事をセーブしなければ、介護期特に導入時期については、仕事との折り合いをつけなければならず、そのためにテレワークで自宅でも仕事をすることが叶うならば、経営サイドからは優秀な人材を手放すことはなく、介護の親を持つ社員は、緩やかに仕事も続けながら、介護の準備をすることができる。事例はまたの機会に紹介できたらと思います。
私は祖父を突然の事故で亡くし、その後、祖母は介護施設には通いますが、どちらかというとお世話役。認知症が遠いイメージしかなく、一方で、現在、徳島県のテレワークセンターのセンター長というお役目を預かるなか、働き方改革のテレワーク(離れていても仕事ができる)が持つ可能性は、子育てだけじゃない、ダブルケアや介護問題は社会課題でもあることが地方でも身近なところでも降りかかってる事実もあり。全体的な割合としては数字はまだ低いですが。(長いからまたこれは後で書く)
破壊の学校から帰って、母と話しました。同居ではないですが、出張や研修のたびに子どもを見てくれています。母はお土産はいらないから、学んで来なさいといつも、やみくもに新しいことに飛び込もうとする私のことを信じていつも見守ってくれています。
母は建設会社の経理を担当していましたが、祖母の認知をきっかけに介護の資格を取りに行きました。どこかに勤めるのではなく、自宅で義母をケアができるために。母の考える社会課題としての介護の問題や、現状の働く世代が介護に突入したときに、どういうことが起こってるのか、などを話しました。母は義理の母を看取りました。
祖父を突然の事故で失った祖母の認知症は急に進み、介護施設にお世話になりながらも、認知症の影響で施設にお世話をかけてしまう事案が数々あり、これはいけないからと引き取りながら、仕事もフルタイムでしながら、介護の資格を活かし、それでも私には弱音を吐けなかったことを祖母が亡くなった今、やっと話せたと言ってくれます。母からすれば、シングルマザーで今、ジタバタしてる私に余計な心配をかけさせたくなかったことだったんだろうと。
そのことも、破壊の学校に行ってなかったら、母からは聞けなかったと思います。なんとなく、恐れに目をつぶり、言葉にせず、思っていることを言うことも避けて、なんとか頑張っていたのだと、当時私は何も手伝えていなかったのだと気がつきました。こうやって、家で介護というセンシティブな話題を話すきっかけにもなったのだと思います。
話題を戻します。
学びの集いでは、最初に肝付の現状を能勢さんから肝付の介護にまつわる数字のおはなしを。
撮影:本田正浩
能勢さんがみてる未来の根拠の話。どんな年齢の人が住んでいるの?20年後は皆さん何歳ですか?受付で渡された赤白の団扇の演出で会場と呼吸をするように、一体化になっています。能勢さんからの報告で、認知症状を持つ方の割合は90歳では69%というショッキングな数字。また、目を伏せがちですが、地域介護を支える介護職の皆さんにアンケートをとったものの発表も。支援される側だけにフォーカスしがちですが、この数字はとても大事だと思う。介護職の皆さんの年齢、今の仕事は楽しいですか?辞めたいと思ったことがありますか?こんなアンケート、とったことありますか?会場を埋め尽くすのは支援される側の年齢の方が多く見受けられます。
問題は支援される側だけでなく、支援する側のサポートも重要な課題。介護の仕事を辞めたいと思ったことがある人は半数を超える66%、辞めたいと思ったきっかけは給料についで、人間関係と休日。支え合う町だこそ、聞けるぶっちゃけアンケートとその回答。嬉しかったことはありがとう、笑顔で感謝されたことが70%を超えているところも、支援される側と支援する側が同じ会場でこのリアルな数字の意味を考える。まずはそこからなんだろうな。目を向けたくない、リアルな意見や思っていても言えないことをアンケートで正確に伝えることで、この町はまだまだ変わるんだろうな。
認知症になる自信のある人ー!って聞ける会場がすごい。ほぼ全員が手をあげる。私?もちろん手を挙げてます。
撮影:本田正浩
堀田先生の見て来た地域の中のケアの現場。ご自身も義親の介護の経験もあり、中学の頃から折に触れ、サポートする側で活動されていたそうです。肝付にケアサービスをする人を送り込み、知見を持ち帰っているようです。この考えはすごくいいな。破壊の学校の1日目でも目にしたここの今のリアル。
堀田先生から聞いた言葉、ま、いっか。これからも壁にぶつかったらつぶやいてみようと思います。
撮影:本田正浩
正しく怖がることで、学ぶ。心の準備。付き合う知恵や知見を共有することで新しく生まれ変わることができる。
一か、ゼロじゃない。支援する側、される側の線引きも。何らかのチャレンジをして社会参画し、アクションすること。
病気になること、認知症になることで自分と出会い直しをすることができる。予防ばかりじゃ、暮らしにくくて、社会が追いついていないから。
未来はまだら。
撮影:本田正浩
未来はまだら
ここ、肝付では地域の物語を毎日作っている。
当日の受付の横でお絵描きが始まってました。理由は最後のシーンでわかりました。参加者の皆さんが書いた魚の絵やイラストが会場でスクリーンを泳ぐんです。その前では子どもたちのダンスがはじまりました。後ろのおばあちゃんたちは、口々に描いた絵が泳いでるよと指を差しながらニコニコ。地域でいろんな年代の人をどう繋げるか、ワクワクさせるるか、それの仕掛けを作ってるのが現場の皆さんなんですね。
撮影:本田正浩
パプリカを踊る子どもたちが可愛いらしさは、そうなんだけど、それを見つめる高齢者の皆さんの眼差し、スタッフの方の笑顔にも、この地域はいろんな局面があるけど前に前に、進んでいるんだと感じた0日目。
登壇者のお話に、ずっとサワサワとおしゃべりをしてる、通常の講演とは全く異質で、これまで見たことないような空間です。何を喋ってるんだろうかと、そっと耳を澄ましてみれば、登壇者の方のお話をよく聴いてます。感想を隣の人とサワサワひそひそ。
奥田さんが鹿児島出身で、会社を経営してる!最先端のITの仕事をしてると聞くと、「鹿児島の誇りじゃ」とサワサワひそひそ。
途中、サロンの活動について話たい人は挙手言うと、遠慮がちにも積極的な意見がドンドン上がります。いいなぁ!うちのサロン自慢!
限界集落の中で、介護職の人数も減っているこの地域で、自主的な活動の支え合い活動のサロンは、肝付町内に51あり、約900人超が登録。おもいおもいの集まり方、内容、場所で、自由に繋がり楽しく過ごすそうです。集まったみんなでお料理を作って配食するサロンがあったり、廃校になった学校に子どもの声を戻したいと27mの巻き寿司(プールより長い!)を作ったり。
(破壊の学校1日目より)
発表できた人以外も、もっともっと話したかったんだろう何とも言えないいい空気に包まれた初肝付体験でした。
1日目の視察の岸良のサロンでお邪魔したときに、この講演会に参加された方がおられました。サワサワひそひそしてたおばあちゃん。講演を聴いて疑問があって3時から眠れなかったんよ、と。3時からずっと考えてて、その登壇された方が目の前に!聞かなきゃ!と、込み上げるような好奇心と嬉しそうな表情をみてこちらも嬉しくなってしまう。どんどん連鎖してるんだなぁ。
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