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フレームワークの落とし穴

フレームワークを書籍に紹介されている通りにやってみたけど、なんとなくフワッと終わってしまった、という経験をした方は多いはず。
私も経験があり、一体何を見落としたのか振り返ってみました。

マーケティングやデザインの世界には、フレームワーク的な手法がたくさんありますが、一番大事なのはアウトプットの質であることを意識しておく必要があります。
ワークショップやドキュメントへの落とし込みをしていると、手数は増えるしそれっぽい資料ができあがるため「やってる感」に飲まれて本質が損なわれるケースが少なくありません。

ワークショップやったね、資料できたね、で終わらず、だからどうする?というとこほまでをテンポよくやり切ってしまうことが大事なのです。

昔々、toB向けのLPを事業責任者が外部の制作会社に外注したことがありました。
社内の発想にとらわれないフラットな思考を企画に落とし込むため、社内のデザイナーやマーケターは入れず、委託先に委ねることになりました。
委託先に選んだのは、ペルソナと3C分析を使ったLPOに強いと評判の会社でした。
制作開始前の会社やサービスに関するヒアリングに1週間、ペルソナ定義に2週間、デザインFIXまでさらに2週間かけて作り上げてくれた。
しかし結果はそれまでに試したどのLPよりもCVRが悪かったのです。
委託先の企業はとても熱心に取り組んでくださっていましたし、しっかりとプロセスを踏んで作ったのになぜ結果が出なかったのか。
確かなことは言えませんが、理由として考えるのは以下の2つです。

  1. ペルソナを全力で定義したものの、それだけではどんな訴求をするとユーザーがどう感じるのか、ターゲットの商習慣や企業文化や思考までを想定できなかった

  2. デザインのトンマナがコーポレートイメージからも、サービスイメージからもかけ離れてしまっていた

つまり何が言いたいかというと、フレームワークで定義されているプロセスを正しく進めたからといって、結果が出せるわけではない、ということです。
フレームワークは、あくまでも思考の補助、承認者や周囲の納得感を得やすくするものなのではないかと私は思っています。
フレームワーク通りにやれば正解に辿り着けるわけではありません。

しかし、デザイン思考やシステム思考、3c分析などなど、世に存在するフレームワークに盛り込まれているプロセスは、抑えるべきポイントに目を向けるための素晴らしいマニュアルであることも事実です。

私が普段意識しているのは以下の4つです。

  1. そのプロセスの本質を考える。
    何を明らかにして、次のステップにどう繋げていくのかを見失わないようにする。

  2. 資料の体裁にこだわりすぎず、物事を効率よく進めることを重視する。

  3. 仮説にデザイン戦略を入れること。
    つまりこういうことなのではないか?が仮説であり、なにをどうユーザーに届けるのかがデザイン戦略だと思っています。

  4. 仮説立てと検証までをスピーディーに行い、検証後のアクションもテンポよく行う。

フレームワークはとても便利かつ優れたものが多いですが、使い所や本質を見失わないことが大切だなぁと思います。

以上、フレームワークの落とし穴についてのお話でした!
最後までお読みいただき、ありがとございました。