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デザイナーの事業貢献とは結局のところ何なのか

デザイナーの事業貢献とは何か、何から始めれば良いのか。
色々と試行錯誤した結果、自分なりの答えが見えてきたので、つらつらと書いてみます。

必要な物が全て揃っていたのに苦戦した一休時代

少し、私の経歴や経緯も話せたらと思います。

一休では、今思えば全てのコトやモノが与えられていました。

当時の私のミッションは、レストランの予約サービスの売上をCRMの取り組みによって伸ばすことでした。
売上目標と明確な役割をもらい、私と一緒に意欲的に取り組んでくれるデザイナーやエンジニア、データサイエンティスト、編集の部隊、経営陣や領域に明るい方に気軽に相談できる環境、必要なツールや権限など、座組もツールも全て揃っていました。

しかし当時は、自分の立場や期待を裏切ったら外されるのではないか、大きなことをやらなければいけない、など、いわばサービスではなく自分を中心に据えた考えに囚われていました。
当然、考えや計画は浅く芯を食っていないものになり、思うように売上もついてきません。

一方で、知らなかったこと、やったことがなかったパーソナライズレコメンドなどのデータ活用、究極の論点思考とユーザーファーストによる、しなやかでスマートでありながら課題の本質を突く強い施策の数々を体験し、楽しかったのも事実です。

少し成果を出せたかな?と思ってふと周りを見渡すと、もっと大きな成果を出しているメンバーがいて愕然とする。
それでも負けたくないし、どうにかしてものにしたくて、DWHを用いたターゲティングとレコメンド、効果測定をとにかく必死にやった、というのが私の一休時代でした。
うまくいったものがなかったわけではありませんが、もがいていた思い出の方が多かったように思います。

わからないならわかるまで聞けば良かった

その後、コロナによりレストランのCRMどころではなくなり、色々と考えた末に退職しました。
上記の表題は、一休を辞める時に上司から言われた言葉です。
1人で成果を出せという話でもないし、
求めていたのは結果であってプロセスではない。勝つまでやれば勝ち。
という話もしていただきました。

当時はとても大事な話だということはわかったものの、それがつまりどういうことなのか、なぜそれができなかったのかを咀嚼できないまま、とりあえず聞き逃さないように、言葉を記憶に刻み込みました。

その後、この言葉の意味がわかり、自分の行動や仕事にも変化が見え始めたのは、クイックに入る半年ほど前だったと思います。
言葉の本質、その言葉を受けて私がやるべきだったことを理解するためには1年半かかったことになります。
当時の自分の課題と原因を言語化できたところから、実践フェーズが始まりました。

実践してみればとてもシンプルなことだった

クイックに入ろうとけ決意したのは、正直に言えば自分がリラックスしてノイズなくミッションに打ち込めると感じたことと、自分の経験を活かせるチャンスが多そうだと感じたからでした。

今冷静に振り返ると、自分と他人の成果を比較したり、他人からの評価を気にしていたということ、それが自分のパフォーマンスを落としていたことに気づきましたら、
そういったノイズを捨て去ることで、景色が一変しました。
また、一休で自分なりに精一杯くらいついてやっていたことは再利用できるスキルになり、スキルと成果をつなぐために何が必要だったのかがわかった時に、再び自分の足で歩けるな、ここからがリベンジ戦だな、という感覚に変わりました。

ようやく自分のことはさておき、事業に集中できるようになりました。

つまりデザイナーの事業貢献とは

色々と回りくどく書きましたが、このお題の私なりの答えは二つです。

1)見栄とか自己防衛など自分のことは捨て去って、事業を中心に考える

極端な例ですが、ある日突然、事業が伸び悩みサービスを終了することになったとします。
その時に悔いはないと言えるレベルに達しているか。
仮にも自分が関わったサービスとして、胸を張れるレベルまで成長させられたのか。
などを考えると、今考えるべきことと捨て去った方が良いことが見えてきます。
これは素晴らしい理論や思想に基づいていて、という話も時には良いかもしれません。
また、デザイナーよりも本質を捉えたデザイン戦略を他職種の方が提案して、デザインチームの尊厳や立ち位置が、という話もあるかもしれません。
でも、先述の例のように、サービス終了を言い渡されるぐらいなら、どうでも良くなりませんか?

私は、まやかしではない本質的な貢献、成果を出したいという思考に切り替わりました。
そして、自分よりも何かを上手にこなせる人がいるならりその人を活かさない手はない。その代わり自分が強みを発揮できるところをやり、うまくコラボレーションするべきだと考えるようになりました。

2)プロセスだけでなく結果も大事にする

デザインの評価は、必ずしも数値化しやすいものばかりではありません。
だからと言って、結果を見なくて良いということにはなりません。
測りにくいだけで何かしら結果には現れます。
あらかじめKPIを定義できなかったとしても、実施後にどこにどんな変化が生じたのかなど、結果に興味を持つことが第一歩だと思っています。

デザイナーは、表現の引き出しや課題解決の引き出しを持っています。
そんな素晴らしいスキルを最大限活かしたければ、結果から今何が起きていて、どこがうまくいっていて、どこがうまくいっていないのか、次にやるべきことは何かを知ることは必要不可欠です。
また、自分でも考えつつ、ビジネスサイドとの連携や議論も必要不可欠になるはずです。
デザイナーがデザイナーの壁に閉じこもらないこと、ビジネスの話も自分ごと化することが大切だなぁと思います。