サービスデザインにおける考える力とは
私は自社の人材系事業のサービスデザインをしています。
サービスデザイナーのみならず、プランナーやマーケター、エンジニア、営業など、様々な職種の方と一緒にお仕事をしています。
どの職種にも共通して言えることがあります。
それは、スキルを支えているのは考える力である、ということです。
とある若手デザイナーの方の例をご紹介します。
この方は、まだデザイナーとしての活動は数年しかないのですが、課題に対するデザインのアウトプットが毎回ほぼ的を得た形で上がってきます。
なぜだろう?と思い観察してみると、この方は手を動かす前に考えや情報をスプシに書き出していることがわかりました。
書いている内容は、なぜやるのか、解決したいことは何か、といった現状や目的など。
なるほどなぁと思いました。
彼女は見た目の追求に飛びつく前に、何をすれば良いかをじっくり考えていたのです。
何を解決すれば良いのか、何が問題なのかを自分の頭で考え、その仮説をもとにデザインを考えるということを意識的にやっているようでした。
もう1人のデザイナーの例をご紹介します。
この方は制作会社でアートディレクターを務め、サービスにもっと深く関わりたいという想いで、一緒に働くことになりました。
この方は、いつも複数のデザイン案を提案してくれます。
そして、素晴らしいなぁ、さすがだなぁと思うのは、デザインのすり合わせをする前に、ユーザー像のすり合わせを必ずします。
このLPにたどり着く方がこういう層だとすると、こういうストーリーでこの訴求が1番に目に入るのが良いかなと思いました。
もしくは、こういう方がターゲットなのだとしたら、こっちを目立たせた方が刺さるでしょうか?
と言った感じです。
見せてくれているのはデザインですが、彼女の頭の中では、見た目よりも先に相手が誰なのか、ということがまずあって、KPIも意識しています。
デザイナーになって16年ほど経ちましたが、
最近は特に、ビジネス成果に直結するアプローチを提案できるデザイナーが必要とされるようになったと感じます。
ユーザーのことを深く知ろうとすること、
どんな一言をかければこのユーザーに行動を起こしてもらえるのかを考え抜くこと、
事業として目指していることと、目の前の仕事を構造的に整理して捉えられていること、
などなど、サービスデザインはマーケティングやビジネスの理解度が必要な領域になりました。
マーケティングやプランニング、エンジニアリングもおそらく同じです。
深く考えられる人は本質をとらえた提案をし、経験年数に関係なく素晴らしい活躍をされています。
経験が物を言うのだよ、なんて以前はよく耳にしましたが、AIやツールの進化により効率化が進んだ今、経験も大事ですが、それよりも何よりも考える力を持っている人こそが大活躍できるのだと思います。
サービスデザイナーの1人としては、面白くなってきたぞ、とワクワクしています^ ^
最後までお読みいただき、ありがとうございました!